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「中華そば(750円)」@やよいそば 角店の写真謎めく淺草來々軒の物語 最終章 
明治の味を紡ぐ店 長い序章の、其の参 飛騨高山篇(二)
(ブログ連動企画)
 
 住んでみたい、あるいは印象深い町を五つ上げろと言われれば、喜多方や尾道、函館、神戸(三宮あたり)も捨てがたいが、金沢、倉敷、萩、身近過ぎるが横濱(山手あたり)、そしてこの高山だろうか。3年前にも訪れた高山。今回は二泊しているが、それくらいではこの街の全貌はまったく掴めない。それはいわゆる“平成の大合”を経て、市面積が日本最大で東京都のそれに匹敵する、ということではない。今にも着物姿で刀を挿した武士が出て来そうな、国選定重要伝統的建造物群保存地区をゆっくり歩けば、何度見た場所でも飽きることはない。繰り返し繰り返し同じところを巡っても新しい発見がある。

 高山二日目の晩、まだ18時にもならないが、とにかく夜の早い街である。ホテルから回り道をして、その保存地区を通ってこの店に来た。創業は1948(昭和23)年。高山ラーメンの創業店 まさごそば に次ぎ、豆天狗 本店 と同じ年次に開業し、1996(平成8)年10月には新横浜ラーメン博物館にも出店した、高山ラーメンの代表格でもある。

 先客後客ともなし。昼間、宮川朝市脇の商店で話を聞いたら、「お客さんが少し戻っては来たけど、それは最悪というレベルから少しマシになった程度。とにかく外国のお客さんが皆無なのがとて痛い」と仰せだった。この店も、いつもの夏ならもっと客はいるのだろうが・・・。年配の男性一人で切り盛りしているが、とても寂しそうである。

 頂いた一杯。結論を書けば、今まで高山で食べたラーメンの中では一番好みとなった。麺は確かに軟いが、他の高山ラーメン店ほどではない。ただ、極細の麺をここまでチリチリにしてしまうと、やっぱり東京圏の人間には馴染みがなく、だからこそ高山ラーメンはなかなか東京圏進出を果たせず、できたとしても根を張れないのではないか。

 スープは漆黒で、これは まさごそば の影響を受けているのではないか、と思う。クセもなく、かすかな甘みが伴う。あっさり、と店内のメニュー表などには書かれているが、醤油の存在がこの店の強く、しっかりしたコクも感じる。具は高山スタンダード。つまり、チャーシュー、メンマ、葱のみ、である。ただし、チャーシューが2枚と半分。トロトロのバラで、これは美味い。腹に余裕があればチャーシューメンでも良かったのだが、ビールで腹が膨れてしまっていた。

 ・・・書いてしまったが、この店に来る前、この日の昼間であるが まさごそば で食べた。そして、前回書いた「伝承料理研究家の奥村彪生氏の著書」の中、「(淺草來々軒の)支那そばのスープは鶏や豚の骨からとり、醤油味をつけ、そばだしに似て」いた。さらに「飛騨高山の 豆天狗 本店 や まさごそば のスープもそばだしそのもの」で、「このそばだし系のスープは東京の支那そばがルーツなのです」のくだりがスッと胸に落ちた。

 断っておくが、そのスープは新横浜ラーメン博物館で現在提供している“來々軒”のスープとは、予想通りまったく違う、まさにベツモノ。都内と千葉にある、淺草來々軒直系の現役店のスープとも似ていない。似ているのは、そう・・・・
ま、それを書いてしまうと、來々軒の物語は終わってしまう。だからそれは最終回に。

 で、此処のスープは、今まで食べた高山ラーメンの中では、まさごそば に一番近い。やはり高山ラーメン創業店の影響と言っていいのではないかと思う。

 そして思うのだ。淺草來々軒は日本で最初のラーメン専門店でもないし、塩味のスープを醤油に初めて変えた訳でもない。日本人初の路面店での中華そば店経営者ということでもない。それは前回のブログでも書いたし、ラー博も同様のことを言い始めた。けれど、やっぱり淺草來々軒は偉大だったと思うのだ。推測ではあるが、淺草から直線距離で250mも離れた此処高山にまでその影響力を示しているのだから。当時のメディアや鉄道事情を考えれば大変なことだ。もちろん、幸運も味方につけたのだろう。

 それは例えば鉄道でいうと、昭和の初めの頃に高山本線の全通があったり、岐阜~高山間が快速列車で3時間で結ばれたりした事実があったということだ。このあたりのことは、あと数回のレヴューできちんと書いていくつもりだ。


 次回は、一旦、東京圏に戻る。そしてそれから、淺草來々軒の物語は、東北に舞台を移すことになる。(つづく)

投稿(更新) | コメント (11) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

こんにちは^^

前回の「信じられない店」は此方でもまさごそばでも
無さそうですね。
で、それを謎に包んだまま、舞台は東北へっすか?
それが郡山?
考えたらぶるさん説の正当な後継者は
高山にはないですもんね。

としくん | 2021年7月2日 18:14

色々ツッコミたいのですが
まず住みたい街「神戸」。憧れて関西転勤時に住みました・・・一番幸せでした。
そして「漆黒のスープ」・・・最近5月にブラック系31日間連食したので・・・単にそれだけ
さらに「支那そばのスープは鶏や豚の骨からとり、醤油味をつけ、そばだしに似て」・・・蕎麦出汁かぁ。私はやっぱりまだ浅いと感じ入ります。「支那そばや」イメージっすから:汗。
最後に、愛情たっぷりでも、達観した採点。いや採点とは関係なく愛情たっぷり!。

浅草来々軒物語の舞台は東北へ。。。ですか
ぞくぞくしてきましたよ😊

NORTH | 2021年7月2日 19:05

こんばんは。
そう言えば高山そばは醤油とだし汁を一緒に煮込む
蕎麦つゆと同じような作り方をすると聞いたことがあります。
東北はトクちゃんらーめん、じゃないんですよね~
意外にも喜多方だったりして。

kamepi- | 2021年7月2日 19:32

こんばんは~
ラーメン旅されてるのですか~裏山です。
次回の都内のラーメン期待してます(^ ^)

あひる会長 | 2021年7月2日 20:22

どもです。
登山好きなので新穂高に前乗り(車中泊)して
本番で雨だと諦めて高山の朝市に行くんですよ💓
朝市のおばちゃん達より早く高山に着いてますから(笑)
高山方面から見える笠ヶ岳は日本の山の中でも
人気が高いですよ👍
なに故、東北ですか😲

おはようございます^^
昨夜は家で🍷飲んですぐ寝ちゃってまして、朝、残っていた
スパークリングワイン飲みながらええレポ読ませていただいています。
住んでみたい街 喜多方や尾道、函館、神戸(三宮あたり)、金沢、倉敷、萩、横濱(山手あたり)、高山 ん~ん旅でも回りたい街ですね。高山は行ったことないし。
そして話は高山から東北ですか(◎_◎;)
楽しみですワクワク(*^-^*)

mocopapa | 2021年7月3日 05:44

こんにちは。
↑モコさん、早朝からワインとは(笑)

そう言えば、鶏ガラ・豚骨が頻出する一方、
魚介系の食材は出てきませんね。
それを使うようになるのは後々からですかね。

東北への続編も楽しみにしています。

p.s.ワクチン接種は済みましたか?

おゆ | 2021年7月3日 11:28

店舗数。お次でいよいよ…

おゆ | 2021年7月3日 11:30

岐阜高山。
一度は行ってみたい土地です。
ご当地ラーメンも食べてみたいです。

YMK | 2021年7月9日 12:43

こんばんは
飛騨高山印象深いです。
ほんの数時間しか居なかったですが、色々な事を鮮明に覚えています。
独特な空気感。
周りが山に囲まれて要塞の様な。
壁で下界から遮断されている雰囲気。
ラーメンも独自な根付きかただなと思います。

あらチャン(おにぎり兄) | 2022年7月4日 20:29