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スープや麺はもちろん、チャーシューや煮卵等の個々の品々に至るまで、全てが最高峰の出来栄えで統一された至高の一杯。

店の外観や内装(古い街によくある、流行らない喫茶店と言った感じ)の雰囲気からは一見地味な印象も受けるが、よくよく味わってみると
『もしかしてこれが豚骨の新たなる進化形・究極形なのか?』
というぐらいの完成度の高さに驚く。これは決して大げさな表現ではない。特筆すべきはまずなによりもスープだろう。

店主はただ丁寧に作っただけで何の工夫もしていないというが、もしそれが本当ならば一体どれだけ丁寧に仕事をすればあの異次元の豚骨スープになるのかと思ってしまう。
この店の豚骨はシチューかと見紛うほどのクリーミーさ・まろやかさを備え、その粘度は「ド豚骨」と表現される有名店のそれをも凌ぐほどなのだが、それにもかかわらず全く臭みやクセがないのだ。

また化調を使用せず素材自体から出る風味やまろやかさを大切に凝縮したこのスープは、その繊細な味わいと薫りを壊さないようにするため、注文の都度塩タレと合わせ、小鍋で温めなおし、適温の状態で提供される。
この一度冷やして温めなおすという一手間は、独特のとろみと旨みをさらに濃縮し、臭みや癖が全くない濃厚豚骨を、まるで一晩寝かせたホワイトソースのように、まろやかで上品なコクをも併せ持つものに仕上げている。

濃厚で旨みにあふれるものでありながら、一切の余計な無駄のないその上品な仕上がり…。それは豚骨の新たな可能性をすら感じさせるものだと言っても過言ではないだろう。

次に麺。これは自家製の手打ち麺を使っているそうだが、まさにこのスープのために作られた麺という印象。
ハイレベルなスープに全く引けを取ることのないこの麺は味、歯ごたえ、喉越しのいずれも申し分ない出来だ。

もっとも特徴的なのは生独特の“もちっとしたコシ”があることだろう。
よく乾燥麺と生めんの違いを理解せず、生茹での歯ごたえとコシを勘違いして「アルデンテのコシがどうの…」と全く的外れなことを言う人間がいるが、コシとは本来そんな平面的なものではない。麺が常に適度な弾力を保つには茹で具合だけではどうにもならない麺自体の質が必要なのだ。
わずかなとろみがあるスープと本当によく絡むこの麺はそんな本来の意味での“コシ”を備えている。
スープをよく吸うくせにのびず、噛むほどに味わい深い。
これは麺とスープの濃度からくる浸透圧のバランスが絶妙であることの証でもある。秀逸だ。

具は1センチほどの厚さのある、やわらかなチャーシューと九条ねぎ、そして煮卵。
チャーシューの直径は10センチ近い。かなり大きい。箸を入れるとすぐにでも崩れてしまうようなやわらかさがある一方、トロトロのスープにも埋没しない良質の肉ならではの食感もある。素材の良さを感じさせる逸品だ。

最も気に入ったのは煮卵。
チャーシューは個人的にはやわらかいものより硬い方が好みだということもあるが、それ以上に、ここの煮卵はスープとの相性があまりにもすばらしい。
後にも先にも、ただの半熟の卵があれほど美味しく感じたことはない。
半熟の黄身が塩ダレの豚骨と一体化して双方のコクを引き立て、そこに白身のプルンとした食感が全体に絶妙のアクセントを残していく…。
見事なセンスとバランス感覚だ。

…文句をつける所と言えば。そう、店内のポスターぐらいか…。
聞けば作者が高校の同級生ということらしいが、実力派ラーメン店の白い壁に“萌え系(?)”のアニメポスターが一枚。しかも店主はごつくてヒゲ面…これは合わないと思う…。
まだ開店して年数が浅いとはいえ、これだけのクウォリティを備える店が無名なのはこれが一番の要因ではないかと真面目に思ってしまう。。。

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