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2016年10月16日の大崎裕史の今日の一杯

東京都中野区中野新橋

中華そば

丸ノ内線の中野坂上から方南町へ向かう路線(通称 方南町支線)沿線には清湯系の名店がひっそりとオープンすることが多い。一昔前だと「地雷源」があった。「りょうたん亭」「麺好」もまだ健在。最近だと「蘭鋳」「虎愼」などがそう。そしてそんな中に加わりそうな一軒が誕生。中野新橋の「一富士はりたや」だ。

最近の新店は若い人が店を持つことが多い。しかしこちらは私よりも年配の感じだ。ところが、厨房は一人で担当しているが実にテキパキ動く。ちょっとやそっとの経験では無さそうだ。聞いてみると千歳烏山の「うさぎ亭」を始めとして、3店舗(うさぎ亭以外はラーメンではないかも?)やっていたらしい。大きな怪我をして2−3年飲食から離れていたらしいが「自分の好きなラーメンをやりたくて」ということで復活するに至った。

鶏ガラベースに和風ダシが効いている。そういえば、店が見えてきた時に少し離れたところから写真を撮ろうとしたら、とてもいい香りが漂ってきた。煮干しだけではない、いわゆる「和風」の香りがここまで強く店前で感じることは少なくなった。そういう意味ではかなり期待が持てる。

実際、昆布、椎茸、貝柱、他節系などの出汁が効いており、一口飲んで「おぉ〜」と声が出てしまいそうだった。これで無化調らしいのでさらに驚き。麺は自家製。新しさは感じられなかったが、古くささもない。懐かしい感じとも違う王道の中華そばだ。そういや、こういう直球の中華そばはここ数年、少なくなってきた。若い人は何かと珍しい方向に行きやすい。新店ではあるが、長年の飲食経験がある人だからこその「ザ・中華そば」であった。ちなみに店名の「はりた」が店主の名前(名字)らしい。

お店データ

中華そば 一富士

中華そば 一富士

東京都中野区本町4-1-1(中野新橋)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。