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2020年6月30日の大崎裕史の今日の一杯

東京都港区六本木

WAGYU JIRO DRY

まず「WAGYUMAFIA(和牛マフィア)」について。
ロケットを始め多種多様の事業を手掛け、食通としても知られる堀江貴文氏(ホリエモン)と海外の著名レストランや肉屋から “MASTER OF WAGYU”の名で呼ばれる和牛商・浜田寿人氏が2016年3月に「日本の和牛を世界へ」をミッションとして結成されたユニット。

完全会員制の和牛懐石をはじめ、神戸牛のシャトーブリアンカツサンド専門店など、国内に複数店舗を展開し、究極の和牛体験を提供中。(中目黒の8000円のカツサンドは体験済み)

浜田さん自身がラーメンフリークで香港に和牛専門のつけめん店をオープンするほど。そして今回のラーメンは、二人が愛する「ラーメン二郎」のインスパイアで『二郎史上初』となる和牛のみで作った『WAGYUJIRO』なる一杯。もちろん私も二郎は大好きだ。

ラーメン開発においては浜田さんがほぼ毎日ラーメンを食べ、とくに二郎に関しては三田に何度も足を運んでいる。スープは神戸牛などの和牛骨をゲンコツベースで20頭分ほど入れて24時間炊き込んだ牛スープ。鳥、豚、魚介系は一切入っていない。そこに二郎ならではのカネシ醤油を使い、脂は最高級神戸牛から取り、牛チャーシューは神戸牛の雌の「ウデ肉」(←これインスパイア的には重要)をまるごと炊いている。とにかく世界最高級で世界一高い「二郎インスパイア」である(笑)。
---ここまでは前回とほぼ同様---
1月6日にソフトオープンし、しばらく噂を聞かなかったのでしばらく閉店していたか、やめてしまったかと思っていた。ところが、しっかり1日一時間営業を続けており、さすがに緊急事態宣言時は閉めていたようだが、この6月26日にグランドオープン。(そうか!まだグランドオープンしてなかったんだ!)19時頃に行ったら、満席で少し待つことに。それくらい繁盛していてビックリした。しかも客層が若い。ラーメン食べて餃子食べて飲んで2万近くかかるのに、世の中どうなっているのやら。

この日のみ昼から夜までの通し営業とのこと。それ以降は平日と土曜が18-22時の四時間営業、日曜は12-17時。
メニューも増え、WAGYUJIROが1万円は変わらず、1.5倍が1.5万円、2倍が2万円。(税別)
汁なしとしてWAGYUJIRO DRYも1万、1.5万、2万とある。
会計は自販機だがクレジットカードのみ(だったような)。
WAGYUJIROは2回食べているので今回はDRYに挑戦。
「行っっってらっっっしゃ〜いっ!」という掛け声とともに出来上がり。エンタメ的でもある。完食すると箸を「X」に置いて撮るのが望ましいとか。(後で知ったので完食したが撮らなかった)

和牛がおいしそうだったのでまずはがぶり。分厚いのが3枚ものっているのでまず肉からいっても十分。この柔らかさと言ったら歯が要らない。もちろん箸でも切れるし、唇だけでも切れる。その際は口の回りに牛脂が付くのを覚悟せよ。濃厚接触ならぬ和牛との濃厚接吻である。実にウマイ。この牛ステーキ(と呼んでもおかしくない)3枚だけで元が取れるのでは?
そしていよいよ本丸の麺と具へ。麺は特注の太平打ち麺。加水31%のオーション100%。カネシ醤油に腕肉を使うあたりがジロリアンの浜田さん流で、徹底したこだわりがここに出ている。二郎愛とWAGYU愛がブレンドされてできあがったラーメンなのである。

ニンニクは青森の田子ニンニク。世界一貴重なもやしと言われる「大鰐温泉もやし」を使用。青森県大鰐町は湯治場として800年の歴史があり、この土地で350年以上の間、一子相伝の栽培方法で作り続けられている野菜が「大鰐温泉もやし」。有名レストランや老舗料理店でも使っている逸品。
キャベツは知る人ぞ知るオーガニック界のカリスマ・久松農園で作られた物。こうなるとこのラーメン(料理?)がB級なのかA級なのか、分類できなくなる。ジャンル的にはB級グルメ、しかし中身は超高級。
食後感は「ラーメンを食べた」という印象よりも「不思議な高級肉料理」を食べた感じ。これは他ではなかなか体験できない。

途中でペッパーオイルや「WAGYUSCO」(決してタバスコではない)をかけて食べると味変してさらに楽しめる。この「WAGYUSCO」は新潟の香辛調味料メーカー「かんずり」社が作っている。

食べてる途中から隣の人が食べていたWAGYU JIROが実においしそうでおかわりしたくなったが我慢。

ラーメン店には珍しい予約も下記から可能。
https://www.exploretock.com/mashinomashi/

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。