なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 
2024年8月2日の大崎裕史の今日の一杯

神奈川県横浜市港北区新横浜

特製淡麗生味噌ラーメン(1350円)

2024年8月1日オープン。ラーメンコンテスト「登龍門2024」で優勝し、1年間の出店が決定。
こういうラーメンコンテストで優勝、と聞くと相当なインパクトがあるか、個性的なラーメンが出てきそうだが、こちらは幅広い老若男女に受けそうな“ほっこり”した味噌ラーメン。まずは、簡単に店主の経歴から話さねばならない。
優勝した店主・島津さんは「一風堂」にアルバイトとして働き始め、後に社員となり、通算22年もの間、「一風堂」で活躍。特に海外店舗の立ち上げなど、海外生活も長く、独立するにあたり、「一風堂」で覚えた豚骨ラーメンではなく、福岡で新しいご当地味噌ラーメンを作りたいという想いで味噌ラーメン専門店を2021年12月にオープン。なので、今回の「登龍門」のテーマ“味噌”は、島津さんにとって神のお導きのような展開だった。すでに味噌ソムリエの資格も取得しており、ラーメン作りや創作ラーメンも一風堂時代の経験でお手のもの。そして見事に優勝を勝ち取った。
さて、今回のラーメンの紹介。
メニュー名に“生味噌”と入っているが、5種類の『火入れしていない生味噌』をブレンド。スープの熱で麹が変化し、最後まで飽きずに食べられる設計。一口目のパンチよりも、完食完飲してもらう構成。スープは鶏と豚と香味野菜の白湯スープと鰹・煮干し・昆布等の和だしをブレンドしたWスープ。麺は地元福岡の小麦粉「ミナミノカオリ」のみを使用し、麺帯を作り、同じ麺帯から平打ちの太麺と縮れの細麺を作り出し、それらを合盛りした“ミックス麺”で提供。替玉で太・細麺のどちらかだけを堪能しても楽しい。実は、決勝戦前日までは、太麵か細麺を選んでもらい、替え玉で別の麺を食べてもらうことを考えていた。しかし、決勝当日、審査員は8人の作品を食べることになる。それなら替え玉の余裕は無さそう。でも、両方の麺を食べて欲しい。ならば、合い盛りにしようと決勝当日の朝、閃いたようだ。それが功を奏して優勝するのだから人生は面白い。ただ、決勝戦では13人の審査員に提供するだけだったからよかったが、ラー博では毎日何百杯と提供することになる。果たして、可能なのか?数量限定にしたらいいのではないか?と心配だったが、どうやら全部合い盛りで行くようだ。
トッピングは、国産豚の肩ロース、モモ肉の2種チャーシューを1枚ずつ。これらが柔らかくてとてもおいしかった。そしてキクラゲ、和だしで炊いた太メンマ、青ネギ、さらにクルトン替わりにガーリックオイルで揚げた高野豆腐がアクセントになっており、これも脇役だがなかなかいい。
またメニュー名の“淡麗”だが、昨今の淡麗系ラーメンという意味ではなく、淡麗本来の意味である「すっきりしているが、薄っぺらではない、上質な味覚」という意味合いとのこと。一年はあっという間。いつでも行ける、と思わずに早いうちに食べておきましょう!

お店データ

博多文福

博多文福

神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21 新横浜ラーメン博物館(新横浜)

このお店の他の一杯

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。