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2022年4月18日の大崎裕史の今日の一杯

東京都港区六本木

ラーメン(醤油・普通)

創業は1984年後半という人と1985年という表記があり、だいたいそのあたり。なので37年間、六本木で営業していることになる。

元々創業者は旭川の「特一番」(創業1950年の老舗)で修業しており、暖簾分けで「味特」を開業。その後1974年、札幌ラーメン横丁に「天鳳」を開店し、そこを親族に譲って六本木に出店という流れ。さらには六本木も後進に任せ、大塚に「天鳳」を出したのが最後。現店主はその息子さんで六本木の二代目。

インターネット以前から「札幌ラーメン横丁の店が六本木に」ということで知られており、都内の旭川ラーメンブームでもスルーされていたが、ベースは旭川ラーメンだと思う。

醤油ラーメンにはこの店独特の符丁があり、一(麺固く)・三(油こく)・五(しょっぱく)と呼び、多くの人は「一三五(いちさんご)」で注文する。さらに全体的に一三五を強調した「めんばり」もある。麺は西山ラーメン(西山製麺)で札幌から送ってもらっている。

また「天鳳」(六本木)出身としては「天虎」が有名。武蔵小山で1994年に創業し、2005年に芝公園に移転。女将さんの接客が抜群で席に着いた時と食べ終わった頃におしぼりが出る。しかも季節によって(あるいは最初と最後)おしぼりの温度を変えている。

同じく天鳳出身者の店として佐藤さんが2004年、大森に「麺矢龍王」という店を出し、2006年には自由が丘にも展開。その後、閉店。

90年代は六本木で飲んでは「天鳳」か「大八」、または「香妃園」か「ザボン」で〆ていた。「天鳳」は場所柄、芸能人も多く、店で見かけたこともよくあった。

私も「一三五」か「めんばり」で頼むことが多かったが、ラーメンの撮影が禁止になってから随分ご無沙汰してしまった。今回は相当久しぶりに足を運び、ラーメンの撮影が可能かどうかを確認して「醤油ラーメン普通で」(800円)と頼んでみた。

普通で頼むとやはりいろいろと目立ってくるので、「一三五」がオススメ。ただ、合わない人にはまったく合わないと思うので、新店中心に回っている人や若い人には薦めない。古き良き時代を懐かしめる人はたまには「一三五」か「めんばり」を食べて懐かしんでみてはいかがだろうか?

お店データ

天鳳

天鳳

東京都港区六本木7-8-5 ロック&ロックビル1F(六本木)

このお店の他の一杯

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。