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2021年7月5日の大崎裕史の今日の一杯

東京都中央区築地

笠岡らーめん味玉(醤油)(2杯目に塩)

ラーメンデータベースで「築地駅」を検索すると思ったほどラーメン店がなく、80点台のお店もない。そういう意味では狙い目の立地なのかも。そんな場所に2021年7月5日オープンするのが「笠岡らーめんTAKETONBO」。岡山県笠岡市のご当地ラーメン。店内には笠岡商工会議所の「笠岡ラーメン」(地域団体商標)使用許可書が飾ってある。(九条ねぎは京都知七の木札)

お笑い芸人の「千鳥」は二人共、笠岡商業高校出身でボケ担当の大悟は笠岡市北木島出身。
(たまに店内のテレビで流れるかもしれないのでどうでもいい予備知識(笑))

となると、地元店の進出か?とか、笠岡出身の店主か?とかいろいろ気になるので聞いてみたところ、『しばらくは修業先などの店主の出自や運営会社は非公開とさせてください。わかっても一ヶ月くらいは書かないでいただけるとありがたいです。純粋に「ご当地ラーメンの新店」として食べていただきたいので』とのこと。なるほど。では意向に沿ってこれ以上は聞かないことにします。

メニューは基本的に「笠岡らーめん」一本で780円。醤油味と塩味から選択。他にトッピング(味玉、鶏肉、九条ネギなど)と餃子、ライスなど。店頭も「笠岡らーめん」がど〜んと目立っており、むしろ「TAKETONBO」という店名は探すのに苦労するくらい控えめ。

では、笠岡らーめんの醤油味を味玉(120円)入りで頼んでみます。
笠岡ラーメン(商標はカタカナでこの店で使用する単語はひらがな)の特徴は老鶏の鶏ガラ清湯醤油味。トッピングにかしわチャーシューと呼ばれる噛み応えのある鶏肉(煮鶏)がのる。これは昔、笠岡市が養鶏業が盛んだったことから広まっていったため。「斉藤」というラーメン店の影響が強いがそこは閉店。2010年に新横浜ラーメン博物館に地元の老舗「中華そば 坂本」が約1年間の期間限定で出店。都内では「くじら食堂bazar」が提供していたが最近リニュアルして基本メニューからはなくなったようだ。また「渡なべ」(高田馬場)が限定で出していたこともある。東京ラーメンショーには2013年、2018年の2回出店した。

さて、前置きが長くなったがこちらの「笠岡らーめん」は老鶏ベースに魚介を加えた清湯醤油。鶏油がしっかり効いて「東京風」というかやや万人受けにアレンジした感じで実にわかりやすく、おいしい。トッピングは九条ネギ(毎朝京都から直送)、メンマ、親鶏の煮鶏、鶏ムネ肉(岡山県産森林どりの低温調理)、そして追加でトッピングした味玉。地元では親鶏の代わりに豚チャーシューがのることはあるが、鶏ムネ肉と両方のってるのは珍しい。これも東京アレンジと言っても良い。おそらく親鶏が歯応えのあるコリコリした固さなのでその好対照としてしっとり柔らかいむね肉ものせたのであろう。ちなみに肉の追加はどうなるのか、聞いたら両方増量されるらしい。麺はやや硬質の細麺ストレート、ややウエーブあり。特注麺らしい。

なかなかおいしかったので塩ラーメンも追加注文。地元にもあるらしいが、私はあまり食べた記憶がなかったので。。
これが思った以上においしくて、「笠岡ラーメン」のお店じゃなかったら、こちらをオススメしたいくらい。マニアには両方食べて欲しい。次来た時にどちらかを選ぶなら、塩にするかもしれない。それくらいの好印象。

東京アレンジを感じられるものの、久々の「ご当地ラーメン」の登場で話題になりそう。

お店データ

笠岡らーめん TAKETONBO

笠岡らーめん TAKETONBO

東京都中央区築地2-14-3 天羽ビル 1F(築地)

このお店の他の一杯

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。