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「つけ麺(塩)」@自家製にぼしらあめん 秀一 穂波店の写真初訪問以来、幾度となく訪れているこの店。本当は「らーめん」や「秀一らーめん」を注文したいところのですが、僕の個人的なラーメン・つけ麺総合ランキングの頂点に君臨し続ける「つけ麺」ばかり頼んでしまいます。しかし今回は平日ではなく週末に大阪に行く機会があり、週末限定の「つけ麺(塩)・(味噌)」のいずれかを注文するチャンスに恵まれました。これは逃せまい。どちらかといえば塩ダレの方が好きな僕は、迷わず(塩)を選択。


麺。
自家製麺であり、中細のノーマルと平打ちの黒ゴマ入りの2種類頂けます。
ノーマルの方はみずみずしさとプリプリした食感がたまりません。
黒ゴマ入りの方はそれ自体を特別に好きなわけではないのですが、ノーマルとの差異を楽しみながら食せます。
いつもの「つけ麺」を頂くときと同じように、「素」でも何口か堪能させて頂きました。

つけ汁。
「つけ麺」では特有の醤油ダレが一テイストとして貢献しておりますが、
「つけ麺(塩)」での塩ダレは一テイストという以上に、出汁に主役の譲るというカタチで
その存在感を逆説的に示しています。
主役の座を譲られた出汁は豚骨と魚介類、そして野菜類でとられたものなのですが、
その中でも中心的な座位を占めるのが煮干。
その他の食材は煮干の旨みを下支えするだけではなく複雑味を持たせることも要求され、
それを実現しております。
さながら、ハイリスク・ハイリターンならぬ「ハイタスク・ハイリターン」といったところ。
こうして塩ダレ、出汁、表面に浮かぶ甘めの油が三位一体となり、
麺を浸して食せば、まるで料亭の和食の汁もののような品の良さと味わい深さを
兼備した絶品に仕上げられています。

ところでこのつけ汁。量が少ないです。それ故に「温くなる」のが早いですし、そもそも熱くない。
この点は他店との大きな違いであり、デメリットだと考える方も少なくないようです。
ただし店主さんをみていると、アツアツで供すことにほとんどこだわっておられない
ようにも見受けられる。
何故か。

いくつかその理由を類推いたしますと、量に関しては原価率の問題があるでしょう。
カドのとれた複雑味を出すためには、どうしても多数の、もしくは高級な食材を使わねばなりません。
したがって量を限定するか値を上げるかの二者択一が迫られ、この店は前者を選んだということなのでしょうか。
温度に関しては、まず調理の問題があるのでしょう。
料理をされる方ならあえてここで言及されなくてもおわかりでしょうが、料理ではあまり高温で
調理すると死んでしまったり出過ぎてしまったりするテイストというものがあります。
このつけ汁のように穏やかでいて重奏的、それ故に繊細なバランスの上で成り立っているな
テイストですと、尚更のことです。
次に、仮に調理上の問題がないとしても、食す側からすれば熱々だと感じにくい
味わいであることが容易に想像できます。
つまるところ、「高温」ではなく「中高温」こそがこのつけ麺及びつけ汁の「適温」であると
考える方が妥当なのではないでしょうか。

慣れ親しんだ「熱々じゃないからダメ」から「それだけではない。『中高温』が『適温』
だということもある」へと「次数」を上げられるかどうか。
喩えるならば、オートマ車ばかりではなくマニュアル車のクラッチ操作と
シフトチェンジをも楽しめるか否か。
ラーメンやつけ麺ばかりでなく、「採点者」たる自らの判断及び味覚を疑えるかどうか。
かくいう僕自身も耳が痛くなる話ですが、このつけ汁及びつけ麺は分水嶺となる類なのかもしれません。

具。
チャーシューにメンマ、ワカメ、糸唐辛子、青葱、白髪葱等。
ブロック状に切られた低温調理系チャーシューは脂抜きされており、
やや薄めの味付けながらも旨みだけが残されています。
故につけ汁との相性は良いように思われます。
ただしもう一切れか二切れ欲しいというのが、本音でしょうか。

「つけ麺(塩)」。
個人的には醤油ダレが用いられた「つけ麺」の方がさらに高次の重奏性が感じられて好きですが、
それでも「つけ麺」以上にこの店の出汁の旨みがダイレクトに伝わってくる感が非常に気に入りました。
90点〜99点の採点基準である「率先して他の人にもオススメしたい」とは言い難いですが、
「速く泳ぐ」よりも「深く潜る」ことを好む方には自信を持ってお勧めできます。

投稿(更新) | コメント (4) | このお店へのレビュー: 5件

コメント

 う・・・うぅ・・度々失礼致します・・。昼飯専門です・・。

>僕の個人的なラーメン・つけ麺総合ランキングの頂点に君臨し続ける「つけ麺」ばかり頼んでしまいます。
〜そうだったのですか・・。この店は大体、「評判の割りに・・」か「凄い!」かという
 個人的意見か、「ま、割と・・」という中等な意見等、様々ですよね・・。
  しかし、この店には例えば<高倉二条>にあった様な「良い物を頂いた」という雰囲気が
 無いと私は思ってます・・・。故に「好き物」向けの難しい店だとも・・。
 味のみの判断がそれを分ける筈と思います。かく言う私も最初は「??あっさり?」でした。
  少しフザけますが、TGHolicさんが、あのメタボ大将の味が本当に好きだったとは・・
 意外だったです・・。(私も好きですよ。最低3週間以内には食べてます。特に味噌狙いで。)


 そして・・・

>つまるところ、「高温」ではなく「中高温」こそがこのつけ麺及びつけ汁の「適温」であると
考える方が妥当なのではないでしょうか。

〜す・・凄い・・。オダてではありません・・。
 何故なら、私は「もっと熱く、もっと!・・」と思っていたからです・・。
 そういう思いを抱きながら、<彩色 きんせい>を食べて、その熱々つけダレで
 「これだ!!」と思ったのが 正直な気持ちです・・。
 <きんせい>で感じた「熱々つけダレ」が別入れ油の「表面油膜」の力が大きいだろうとも
 感じてはいたのですが、・・・。

 しかし、

  確かにそう取れなくもない・・・。自分の好み・・否、「観念」を・・とも思えて来ます。
 「温くて不味かったか?」と聞かれると、「・・・そうではない・・だた、もっと熱い方が・」
 と言うのが毎回感じる確かに「固定観念」から来てると思しき事実です・・。

 ここの「つけ麺 塩」・・・・<きんせい>で「塩つけ麺」の旨さを知る迄は、
 「どうせ、和風あっさりに塩味でしょ〜!?(何店かで植え付けられた)」と思っていたのは
 早計だったかも知れません・・。反省します。  今でも、ここは「味噌」「醤油」で
 私のオーダーは決まってましたので・・・。 今度試して見ますね・・。


 最後に・・、
>本当は「らーめん」や「秀一らーめん」を注文したいところのですが、

〜「秀一らーめん」は止めておく事をお勧めします・・。ここで知り合った貴方の味覚を
 私なりに考えますと、この店

昼飯専門 | 2008年8月27日 00:52

>この店には例えば<高倉二条>にあった様な「良い物を頂いた」という雰囲気が
 無いと私は思ってます・・・。

私は個人的にどちらの店にも「良い物を頂いた」感を抱きました。
というか、感銘を受けました。
ただ違いはありますよね。
高倉二条はより明確な、秀一はより微細なテイスト。
共通するのは、ベクトルこそ違えど、両店共に既存の「ラーメン屋」という
枠内に収まり切らないことでしょうか。
「一料理」ですかね。
ですから秀一(つけ麺に限る)に関しては、僕としてはいわゆるラーメン好きよりも、
和食なら出汁から、仏伊西料理ならブイヨンからこだわるような人の方がむしろ向いている
のだろうかとも考えています。
そういう意味では、あの店は逸脱し過ぎているのかもしれませんね(笑)

ちなみに高倉二条は私をラーメンの世界に引き込んだ「真犯人」です(笑)

>少しフザけますが、TGHolicさんが、あのメタボ大将の味が本当に好きだったとは・・ 意外だったです・・

嘘で99点はつけられませんよ(笑)何というか、自分がラーメン屋をやるとすれば(やらないですけど)、
あの類のつけ麺を目指すと思います。
ちなみに私もフザけますと、あの大将に関してはメタボという以上にガタイが良すぎることが気になっています。
首の太さや肩幅の広さ、背筋等、「何者?!」と。

>それであれば、ご存知かと思いますが、「秀一スペシャル」をどうぞ・・と薦めたいです。

実はそれ、5月か6月に既に頂いております(笑)
まあ期間限定もの(ですよね?)なので採点しないですけど。
あの2層麺の黒いの、イカ墨なのですか。
今年は竹墨だったようですが、毎年違うのでしょうね。

で、このラーメンにおいて私は昼飯専門さんがおっしゃる
>この店の「美味しい煮干醤油」を、一般受け狙いで ただ「背油を足した」だけ・・。
を感じましたね。一般受け狙いかどうかまでは判断できませんでしたが、要らないとは思いました。

そして客が私一人だったこともあるのか、帰り際に大将からこのラーメンの感想を聞かれたのです。
ですので、2、3の美味いと感じた点を挙げ、最後に
「背脂も良いですけど、つけ麺のつけ汁の油で頂いても美味そうですね」
と言わせていただきました。
あのつけ汁は油こそが決め手になっている(別の言い方をすれば、油の選択及び調理次第では
貧相なテイストにもなる)と考えており、さらに逆に秀一らーめんの

poly-hetero | 2008年8月27日 19:24

 毎度!です。いつも楽しいコメント有難うございます。ついつい、又、書いてすみません。

>共通するのは、ベクトルこそ違えど、両店共に既存の「ラーメン屋」という
枠内に収まり切らないことでしょうか。

〜こ・・ここなんですが、これは、例えば私が「一般的なラーメン好き」とするなれば、
 貴方は「ラーメンの味の探求者」と言った表現に落ち着く所を突いていると思うのです・・。
 
  何故なら、私が抱いたその「良い物を頂いた」という印象は、ハコも含めてなのです・・。
 <高倉二条>では、店前に立ち、あの洒落た看板を見て、入って、カウンターに座り、
 そして備品類を見て・・BGMを聞いてて・・「素晴らしいラーメンをこんな店で出したい」という、
 店主のポリシーが一回の訪問で伺えたからです。私のセンスに合ったのかも知れません・・。
 既にその一杯を提供される前から、「美味しい」イメージを作らせてくれたのです・・。

  対して、<秀一>は初回訪問時から、「普通のラーメン屋」の扉を開ける感・・
 良く言えば「気負わず」店に入る事が出来たのです・・・。(賛美歌の件は無視ね(笑))
  これは、「いただきます」から、
 「ごちそうさま」迄続く、この店全体の雰囲気の問題ですので、「一杯のラーメン」の・・
 味のみでは無い部分で惑わされている、所謂「演出」への共感でもあります。

  その辺にに惑わされず、<秀一>の味を的確に見極める貴方を素直に「凄い」と思うのです。
 ただ、自分を擁護すると、世間一般の人が感ずる部分として、やはり、
 「綺麗なご当地感」を出したチェーン店で有り難くラーメンを頂く気持ちは
 この私の抱いた感覚と確実にラップすると思うのです・・。
 <高倉二条>の店のオーラは、チェーン店が醸し出す「ビジュアルを追求」された
 店内装飾と違う事は、明白でした。「綺麗にして一般客の人気を得よう」のそれとは・・。
  
  正直、私も<秀一>の全体の感じから、「本当に旨い」と気付く迄、3回位かかりました・・。
 食べて数日すると、体が「あっこのん又食べたいな・・」と反応しなければ、
 一回で終わっていた可能性が高い・・・お恥ずかしい限りです。
  まぁ、失礼かも知れませんが、お互い「好き物」という事で・・・。m(-_-)m
 でも、<秀一>がもっと違う場所・店舗であれば、「受け」は全然違うと私は思ってます・・。
 並ぶ必要がな

昼飯専門 | 2008年8月28日 00:10

>何故なら、私が抱いたその「良い物を頂いた」という印象は、ハコも含めてなのです・・。
 <高倉二条>では、店前に立ち、あの洒落た看板を見て、入って、カウンターに座り、
 そして備品類を見て・・BGMを聞いてて・・「素晴らしいラーメンをこんな店で出したい」という、
 店主のポリシーが一回の訪問で伺えたからです。

なるほど。そういえば私にはその手の意識が激しく欠けています。
京都では高倉二条の和洋折衷ならぬ「京洋折衷」(「洋」とはいってもBGMのジャズぐらいでしょうか)が
珍しくないですが、それ以前に私自身が店の外装・内装、調度品などにまったくもって無頓着な男なのです。
それはもう、「そんなものは関係ない。要は味だ」とさえほとんど考えない程に。
著しくネガティブなものは目につきますけどね…。
しかしそういったビジュアル的側面も味の一部だともいえるでしょう。
今後意識してみます。
ありがとうございます。

>まぁ、失礼かも知れませんが、お互い「好き物」という事で・・・。m(-_-)m

いや、これはわかりませんよ〜。
というのも私は初訪時に自他共に認めるガッツリ系の同行者を2人連れていたのですが、
彼らもいたく感激していたのです。
しゅはりの潮らあめんに対してはイマイチな反応しか見せなかった彼らですから、彼らが秀一の
らーめん及びつけ麺を気に入ったことを私は無視できません。
「その種を好きな者しか気に入らない」変わりラーメンを出すという店ではないのかもしれないと
推測しております。
というか、そうでなければRDBで大阪府の1〜3位を上下しないでしょうし。
本来醤油辛さが苦手な私でさえ「大阪ブラック」を旨いと感じさせられたように、
素晴らしいラーメン(つけ麺)というものは、本来その味を苦手とする人たちの一部をも
取り込むような何かを持っているのでしょうね。
高倉二条しかり。

>しかし・・、京都は粒揃いですね・・否、最高到達点は大阪より高いと思ってます。

龍旗信、綿麺、どとんこつ☆幸運軒、麺座ぎん、無鉄砲大阪本店、麺哲、麺野郎、四神伝等。
私にはまだまだ課題店が多いです…(特に大阪南部の店へは何か用事がないと行く気になれなくて)。
東成きんせいのつけ麺、金久右衛門の金醤油、カドヤ食堂の中華そばなど「課題麺」も多々。
層が厚すぎます(笑)
この中に私にとっての最高到達点があれば…。

poly-hetero | 2008年8月28日 19:12