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「味玉醤油そば ¥880」@麺処 篠はらの写真平日 薄曇り 10:40 待ちなし 後待ち6名

私には珍しく訪問店の中で基本のラーメンを未食の店がある事を思い出した。その店がこちらで前回の訪問時には下調べをせずに来てしまった為に限定メニューのみの提供に当たってしまい基本の醤油系を食べられずにいたのだ。当時は今よりも限定メニューに不信感があったのだが予想に反して美味しいラーメンを頂いた事が記憶に残っていたので再訪を決めた。

開店前に先着しようと副都心線に乗り込み30分足らずで店先に着いた。人影はないがシャッターは半開きで立て看板も店頭に並んでいるので休みではなさそうだ。しばらく様子を見るために少し離れた場所から張り込みを開始した。開店の10分前になっても行列が出来ないので先頭にて外待ちイスで待機する。するとそれを見ていたかのように後列に人が続いた。

定刻になり「麺処 ほん田」さん謹製の白い暖簾がかかりオープン。決め打ちの基本のお題を券売機で発券しカウンターに座り店内を物色する。狭いながらも仕込み場と調理場を独立させたコンパクトな厨房に清潔感という文字は似合わないが仕事量の多さは感じられる男所帯な佇まい。カウンターだけの店内をツーオペで回すがホールへの導線が悪そうだ。

余計な世話を焼いているうちにワンロット4杯のオペレーションで我が杯が到着。口縁の大きく反った高台丼の中の姿からは店主さんのラーメンへの情熱が溢れてこぼれ落ちそうな程にたくさんの要素が盛られている。

まずは薄く陰りのある檜皮色のスープをひとくち。最初にお目見えしたのは魚介系出汁の香味で鯛由来の出汁に思えた。しかし店舗情報を見ても醤油そばには真鯛が使われているとは書いてなく不思議に思ったが明らかに感じた。それは節系にはない魚の風味は醸し出されているが若干の生臭さまで引き出してしまっていた。動物系の出汁に合わせる事で奥行きはあるが個性がクセにも思えてくる。醤油ダレのカエシの塩分も強めなのが中年には気になった。その塩気を隠すための甘みも多く付けられているのでスープに奥行きや幅、高低差がありすぎてピンポイントの旨さを見出せなかった。

麺は胚芽の色が強く出た全粒粉のストレート中細麺で麺上げまでは95秒程度。スープと同化するような色の麺は日本蕎麦を思わせる。その麺を箸で持ち上げると力強さがなく箸に寄り掛かかるように柔らかい。盛り付けの際に気になったのが一回のロット数の多さに加え。盛り付ける具材の種類の多さからスープ内に麺が浸っている時間が長く思えた。そのせいでかどうかは分からないが麺が伸びているように感じた。全ての盛り付け時間を考慮しての麺の柔らかさなら店の方針なので仕方ないが私の好みではなかった。もう少しコシとハリのある麺を楽しみたかった。

具材の焼豚は先頭待ちの特典でトッピングを無料で追加出来るようなので焼豚を選んだ。先にデフォの鶏ムネ肉の低温焼豚から食べてみる。大判で肉厚もありマリネ液の浸み込みと微かな薫香が程よく細かな仕事が活きている。その上には一段と目を引く豚ロースの焼豚が添えてあり、これまた肉厚で吊るし焼きならではの脂分の抜け方や肉質の締まり具合を楽しめる。もちろん味付けも抜群に良くこだわりの塊のような焼豚だ。先頭待ちサービスで頂いたのは豚バラ焼豚の煮豚型で他の焼豚にはない脂身の旨みを表現していた。

追加した味玉は破裂しそうな程に白身が膨れた柔らかさが示すように半熟未満の下茹でのせいで噛むと黄身がスープに流れ出してしまった。結果、黄身の熟成もなくスープを汚す残念な味玉だった。

メンマは細切り麻竹の発酵メンマと筍の水煮に味付けしたものと二種類添えてある。麻竹の細切りメンマは滑らかで柔らかな食感を出し、味付け筍からは歯切れの良い食感が出ている。

薬味は白ねぎの笹切りが丁寧に盛られているが、この切り方だとネギの食感と甘みや辛味の全てを表現出来るのは確かだが食べていくうちにネギが知恵の輪のように絡み合いひとかたまりとなってしまいスープや麺との一体感が生まれてこないのが残念な切り方だ。やはり本日も中盤には塊となったネギを解きながら食べなくてはならない状況に陥った。

青みもほうれん草と三つ葉の両刀使い。ほうれん草は彩りだけを担当するので邪魔にならないが、独特の香味を放つ三つ葉は和風の要素を受け持つ反面に全ての味を三つ葉風に変えてしまう強さも持っている。食感としてのアクセントはあるが邪魔な存在にもなりかねない。私は少し邪魔に思えた。

終盤に差し掛かり、更に食感を失った麺には噛む楽しみは残っていない。焼豚やネギの助けを借りながら何とか完食はしたがスープの生臭さは温度の低下で倍増してきたのでレンゲを置いた。

初対面で感じたご主人のラーメンに対する情熱が溢れた丼の中にはそれに伴う魔物たちも共存していた。スープに複雑さを持たすために原点である基本から少し外れてしまったり、細かな具材にまでこだわりを魅せる事でひとつひとつに落ち度が出たり、盛り付け時間が長くなったりと溢れんばかりの思いが裏目に出ているように思えた。

しかし非天然由来の旨味も感じることなく席を立って店を一歩出た時に吸い込んだ空気の旨さにスープの生臭さを確信した。ぜひ店主さんの作ったシンプルで削ぎ落とされたラーメンを食べてみたいと願う一杯でした。

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