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「ラーメン ¥790+くん玉 ¥110」@兎に角 松戸店の写真土曜日 12:00 先客18名 後客10名

昨夜は世間の大雪情報に耳も傾けずに新橋駅から常磐線に乗り込んでいた。これらの愚行は全て、初石駅にあるラーメン店に再訪を果たす為だけだ。

目指すは土日に限り早朝9時から営業している珍しい店だが、前回は甘く見くびり9時の開店時の到着では20番手以上も遅れを取ってしまった。結局二時間近くも寒空の下で待つことになった前回の経験を踏まえて、今回は開店の一時間前の現着でウェイティングシートに名前を記入するのを目指すと決めた。

その為には自宅からでは遠いので最寄りの駅に宿を取ろうとホテルを探した。しかし最寄りの初石駅にはホテルがなく、近隣の柏駅で探したが空室が無かったので少し手前の松戸駅に宿をとった。松戸の夜といえば過去には因縁のある街なのだ。今回もネオン街に飲み込まれないように気を付けて夜の街にくりだした。

しかし、またもや松戸の夜には魔物が潜んでいた。ホテルに荷物を置き、ちょっと一杯のつもりで出かけたネオン街にハマってしまい気が付けば朝の5時まで呑んでしまった。ホテルに戻りベッドに入ったが、目が覚めた時にはすでに11時を過ぎていた。当初の計画は藻屑の泡となり、行き先の変更を余儀なくされる。

気分転換のために、ひとっ風呂浴びてRDBで松戸駅周辺の人気店を探すとこちらがヒットした。昼どきを迎えると行列になりそうなので、慌ててチェックアウトして店へと急いだ。西口のホテルから東口へと駅の構内を抜けて少し歩くと大きな看板のこちらが見えてきた。

12時ちょうどのタイミングだったが行列はなく、すんなりと入店。かと思ったが店内の券売機の前には2名が待機していた。しかしカウンターには空席もあるので片付け待ちのようだ。順番に案内が済むとすぐに券売機の前へ。予習なしの突撃訪問だったので品定めに悩んだが、つけ麺や油そばには魅かれないのでラーメンを選び、追加の〝くん玉〟のボタンを押した。すると〝ラ〟と書かれた食券と〝玉〟とだけ書かれた食券が出てきた。その二枚の食券を手に取りカウンターに座り店内を物色する。※あとで復習して分かったのだがRDBのお店情報には〝燻玉ラーメン〟となっていたが実際には券売機にボタンは無かったように思う。

かなり広い店内の奥には製麺室やスープ炊き用のガス台が独立したスペースで設けられているので、資本力の高さを思い知らされる。そんな店内を圧巻の七人体制で回している。そんな店内で最も目を引くのは、麺を茹でる鍋の存在感だった。業務用の麺茹で釜が設置されているのではなく、スープ炊きにも使えそうな大型のガス台の上に大きな麺を茹でる鍋が置かれている。しかも寸胴鍋ではなく、蓋付の両手鍋なのには驚いた。麺を茹でる際にフタをする店を見た事がなかったので大変に興味深い調理場だ。

12時を過ぎて続々と外待ちが増えていく中、着席して10分ほどで我が杯が到着した。洒落た波唐草模様の高台丼の中の姿は〝The 漢〟といった感じで力強さを強調している。女性的な清湯ラーメンが好みの私にとって第一印象は良いとは言えないが、一期一麺の精神で真正面から向き合ってみる。

まずは粒子が見えないほどに分厚い油膜を張った栗皮茶色のスープをひとくち。ファーストアタックは何と言っても節粉の香りとザラついた舌触り。大量の油分にも負けない節粉が口の中を覆い尽くす。その後で豚骨や鶏ガラなどの動物性コラーゲンのコクが重なりを見せる。スープ自体は乳化されていそうだが液面を覆う油分は後付けの香味油なのだろうか。そこだけはエマルジョンを起こしていない。カエシも強めに設定されているが、麺との相性を考えての塩分だろうと言い聞かせて麺へと進む。

奥の製麺室では常に麺が打たれている状況だ。そんな製麺室から生まれる自家製麺は麺上げまで330秒とかなり長めの茹で時間。その麺を箸で持ち上げると、たった一本をつまんだだけでもズシリとした重量感が伝わってくる。箸先から伝わってくるのはそれだけでなく、芯の強さを感じるコシと、麺肌にあふれるクッションのような柔らかさを兼ね備えている点だ。指先に感じた事のない感覚を不思議に思いながら口に運ぶと、それが食感として理解できた。

頑丈そうな麺が唇に触れるとゼラチン質のようなヌメリが麺を覆っている。そのヌメリのチカラを借りて勢いよく滑り込んできたかと思うと、その内側には程よい弾力のグルテンが潜んでいる。モッチリとした食感を歯先が捉えたかと思ったら、そのさらに内側にはアルデンテの芯が残してある。ヌルッと滑り込みモッチリと歯応えを残し、最後にはパツッと心地よく噛み切れる。まるで麺の断面が三層構造のようだ。かつてない食感を生んでいるのは小麦粉の配合や打ち方だけでなく、フタをして茹でることに大きな意味があるのだろう。1秒でも沸点を早める事が麺質に独特の差異を与えているように思える。個性的なのは食感だけではなく、味わいも豊かな風味を楽しめた。噛むたびに甘みが増すバケットのような味わいがいつまでも続く。

具材は豚肩ロースのロースト焼豚。小ぶりだが肉厚の焼豚は肉々しい噛み応えが良く、下味のスパイス使いが個性を表現する。強気なスープに負けないようにしっかりと漬け込まれた味付けが、肉の中心部まで浸みているの。しかし豚肉本来の赤身の旨みも残してあり個性的ではあるが食べ応えがある。

追加した燻製玉子も個性を表現する仕上がり。噛み切った瞬間に燻されたチップの香りと、ゆで卵に潜んでいる硫黄臭のような第一硫化鉄の匂いが交錯して、悪く言えば腐卵臭にも似た不快な匂いが発生している。これは特に一口目に強く感じて徐々には慣れてくるが初動ではかなり驚いた。それを除けば下茹での半熟加減や黄身の熟成感も出ていて良かったが、燻製の個性が私には仇となって感じた。

メンマは長さや太さが不均一なメンマだが、その違いがそれぞれの個性となってアクセントを付ける。味付けは穏やかで全体の中では一歩引いた存在感だ。

薬味は白ねぎがザックリと切られて添えてある。辛味を残した大きめの白ねぎはシャキッとした食感がスープや麺と合わさって薬味としての役割を果たしている。十字6切の海苔は厚手のしっかりとした食感が特徴で、香りや口溶けよりも口の中に残る事で存在をアピールする。デフォで振りかけられた粗挽き黒胡椒は挽きたてでは無いので風味が飛んでいるのかスープの強さに負けてあまり意味を感じなかった。

中盤あたりから不自然なスープの旨味と塩気と油量が重たく感じながらも自家製麺の愉快な食感のおかげで食べ進められたが、並盛りでも多めの麺量に苦戦してしまい完食する事は出来なかった。スープに関してはこの後はひとくちも飲む事はなかった。

非常に楽しい麺ではあったが、最終的には舌が疲れて箸を置いた。このラーメンの中には個性豊かなメンツが揃っていて派手さは十分にあるが一体感としては疑問が残る一杯でした。

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