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平日 晴天 11:10 先客5名 後客7名〝怒涛の味噌ウィーク〟と題して、味噌限定の一週間を過ごしている最中なのだ。そこで本日はRDB総合ランキング味噌部門第3位に名を掲げる野方の人気店へ突撃するために荻窪に前泊した。もはや別宅となりつつあるカプセルホテルだが、24時間営業のバーや大浴場を完備した居心地の良さに今週は二度目の宿泊となった。中央線沿いを訪ねる時には必須のアジトとなっている。昨晩も風呂上がりに1980円の飲み放題プランを利用して、たらふく生ビール(しかもノンコンスターチ系)を浴びてからベットに身体を沈めた。翌朝、軽快に目覚めると目的地のある野方駅に向かうために身支度を整える。午後3時のチエックアウト時間なのも有り難く、戻ってくる事を想定して外出扱いでホテルを出た。10時半と早い開店時間に間に合うように10時前には出発。すると最寄りの野方消防署バス停までは中央線とバスを乗り継いで30分弱で着いた。バス停から歩いて2分ほどで白提灯に半シャッターの店を見つけた。開店5分前で人影も見えず店先までたどり着くとシャッターには手書きの貼り紙がしてあった。「茹で麺機故障のため本日お休みします」まさかの臨時休業に見舞われてしまった。近くにはラーメン屋もたくさんあったが、味噌しばりにしている上に10時半前では開いている店もなく途方にくれていた。こんな時に役に立つRDBで急遽、近場の味噌ラーメン店を検索する。何軒か挙がる候補の中に、臨休だった先ほどの人気店の元店長が昨年オープンしたという新店を偶然にも見つけた。まさかの偶然に気は焦るが、念のためにお店情報を見ると本日は営業日のようだ。安心して場所を確認すると更なる偶然に驚いた。なんと、先ほどまでいた宿泊先から歩いてすぐの場所だったのだ。それならば最初からそちらへ向かえば、もう少し遅くまで寝てられたのにとボヤきたい気持ちを抑えながら来たルートを反対に戻った。荻窪駅西口から青梅街道を進み、大きな四面道交差点を過ぎると白い暖簾のたなびく店を見つけた。開店10分後と出遅れてしまったが店内には空席があり並ばずにすんだ。店内に入り券売機でお目当ての味噌系に味玉を追加発券してカウンターに腰を下ろす。映画「未知との遭遇」のワンシーンのように立ち込めた煙の中でスポットライトが光る店内を見回すと、黒を基調とした内装の店内を二人体制で回している。持ち場は〝あおり担当〟と〝麺上げ担当〟の分業制だ。立ち込める煙の原因は具材のあおりだと思うが、換気の悪さもありそうだ。それを証拠に店内には、すきま風が入り込んでいて寒いくらいだ。きっと換気と吸気のバランスが悪く、大型換気扇の能力が最大限に活かされていないのだろう。煙の中で見える本日の客層は年配者から若者カップルまで様々だ。今週の味噌ウィークで感じるのは、年配の方が多いという事だ。味噌ラーメンは年配ファンの熱い支持を受けているように思われる。調理場内に目をやると、五徳が二台並んだ中華レンジが鎮座している。スープ用と、あおり用に使い分けられてフル稼働している。あおったモヤシが冷めないようにスープウォーマーを代用した保温器にも工夫が見られる。考えられたシステムに感心していると着席して8分程で、隣の先客よりも先に我が杯が到着した。坦々麺などのメニューもあるためスープの違いによってオペレーションが前後するのだろう。その姿は美濃焼の小ぶりな玉淵丼の中でスープとモヤシの色彩のコントラストが印象的。シンプルな構成でインパクトは排除した落ち着いた見た目が、食べる前の心を穏やかにしてくれる。まずは目に見えないほどのラードの粒子が浮かんだ淡い白茶色のスープをひとくち。熱々のスープの中で最初に感じるのはキメの細やかなクリーミーな舌触り。味噌スープというよりもポタージュのような口当たりが口内を覆う。味噌のコクやキレは感じるが、出過ぎないような合わせ方が馴染みやすい。見た目同様にインパクトはないが心に響くスープに魅了される。ポタージュのように感じるのは豚ゲンコツや鶏モミジのベースの中に、野菜の旨みも強く出ている点が大きいだろう。私のイメージする濃厚とは違った深みのあるスープで、生姜やニンニクなどの香味野菜の力を頼らずとも、味噌主体の香りで十分に楽しめそうだ。麺は生麺の時から黄色い色素を放っているストレートな太麺。タイマーは4分にセットされているが実質の麺上げまでの時間は210秒ほど。その麺をスープの中から箸で拾い上げると、黄色みを帯びた麺肌には溶け出したグルテンが透明感のある粘りをみせる。箸先からは密度の濃い重さが麺質を物語る。いざ口に運ぶとネットリした麺肌が滑りを良くしてスルスルと口の中に飛び込んでくる。札幌系味噌ラーメンのように麺が縮れてないので啜り応えも迫力がある。初動ではスープとの絡みが良くないので味気なくも思ったが、麺の旨さを先に味わえるので、それも有りかと思えた。麺の熱変化を楽しむために、ひとまず具材を食べてみる。具材のチャーシューは豚モモ肉のロースト型で小ぶりだが厚切りで二枚入っている。焼き目にはしっかりと香ばしさが残り、中心部の筋肉の繊維も歯応えがある。肉々しい食感と強めの味付けが力強く、まろやかなスープの中で個性を発揮している。サービスと思われる切り落とし部分が小さく添えてあったのがうれしい。荒々しくはあるが、香ばしさがより強く出た旨みには大満足。追加した味玉もオレンジ色の美しい黄身がネットリとゲル化している。完全に熟成した黄身だけが成し得るベルベットのような食感が舌を包み込む。強すぎないがしっかりと塩気が浸透しているので、黄身の甘みが増している。追加した甲斐ある味玉だった。細メンマは完全発酵の乾燥メンマの特質を活かした仕上がりとなっている。乾燥によって縮んだ麻竹の食感と凝縮した旨みのどちらも残されている。それに合わせる味付けもキリッと醤油を効かせてあり、まろやかなスープの中でシャープなキレを与えてくれる。鉄製の中華鍋であおられたモヤシはシャキシャキの上を行く歯ざわりがアクセントを生む。スープで煮込まない後乗せタイプなので味付けは薄め。一緒にあおられた豚ひき肉の旨みを少しだけ感じるが、ほぼラードの香りが占めている。そのまま食べるよりはスープに沈めて熱変化したところで食べる方が麺との一体感はあるかと感じた。薬味はモヤシが保護色となって見えづらいが白髪ネギが添えてある。モヤシとは異なる食感がと軽い辛味がアクセントになっていた。ここに来るまでには、アクシデントに見舞われたが美味しい味噌ラーメンに出会えた。店を後にする頃には外待ちも発生していた。駅からは少し離れているが、こちらを目指してくる人気の高さもうなずける。帰りに、くぐった暖簾を見るとイラストの麺の部分がアルファベットで〝HOOK〟となっていた。屋号をあしらった素敵な暖簾は、私が午前中にフラれた修行先からの寄贈品だった。これを見た時に味噌ウィークを開催している今週中に必ずやリベンジを誓う一杯でした。
〝怒涛の味噌ウィーク〟
と題して、味噌限定の一週間を過ごしている最中なのだ。そこで本日はRDB総合ランキング味噌部門第3位に名を掲げる野方の人気店へ突撃するために荻窪に前泊した。もはや別宅となりつつあるカプセルホテルだが、24時間営業のバーや大浴場を完備した居心地の良さに今週は二度目の宿泊となった。中央線沿いを訪ねる時には必須のアジトとなっている。
昨晩も風呂上がりに1980円の飲み放題プランを利用して、たらふく生ビール(しかもノンコンスターチ系)を浴びてからベットに身体を沈めた。翌朝、軽快に目覚めると目的地のある野方駅に向かうために身支度を整える。午後3時のチエックアウト時間なのも有り難く、戻ってくる事を想定して外出扱いでホテルを出た。
10時半と早い開店時間に間に合うように10時前には出発。すると最寄りの野方消防署バス停までは中央線とバスを乗り継いで30分弱で着いた。バス停から歩いて2分ほどで白提灯に半シャッターの店を見つけた。開店5分前で人影も見えず店先までたどり着くとシャッターには手書きの貼り紙がしてあった。
「茹で麺機故障のため本日お休みします」
まさかの臨時休業に見舞われてしまった。近くにはラーメン屋もたくさんあったが、味噌しばりにしている上に10時半前では開いている店もなく途方にくれていた。こんな時に役に立つRDBで急遽、近場の味噌ラーメン店を検索する。何軒か挙がる候補の中に、臨休だった先ほどの人気店の元店長が昨年オープンしたという新店を偶然にも見つけた。まさかの偶然に気は焦るが、念のためにお店情報を見ると本日は営業日のようだ。安心して場所を確認すると更なる偶然に驚いた。なんと、先ほどまでいた宿泊先から歩いてすぐの場所だったのだ。それならば最初からそちらへ向かえば、もう少し遅くまで寝てられたのにとボヤきたい気持ちを抑えながら来たルートを反対に戻った。
荻窪駅西口から青梅街道を進み、大きな四面道交差点を過ぎると白い暖簾のたなびく店を見つけた。開店10分後と出遅れてしまったが店内には空席があり並ばずにすんだ。店内に入り券売機でお目当ての味噌系に味玉を追加発券してカウンターに腰を下ろす。
映画「未知との遭遇」のワンシーンのように立ち込めた煙の中でスポットライトが光る店内を見回すと、黒を基調とした内装の店内を二人体制で回している。持ち場は〝あおり担当〟と〝麺上げ担当〟の分業制だ。立ち込める煙の原因は具材のあおりだと思うが、換気の悪さもありそうだ。それを証拠に店内には、すきま風が入り込んでいて寒いくらいだ。きっと換気と吸気のバランスが悪く、大型換気扇の能力が最大限に活かされていないのだろう。煙の中で見える本日の客層は年配者から若者カップルまで様々だ。今週の味噌ウィークで感じるのは、年配の方が多いという事だ。味噌ラーメンは年配ファンの熱い支持を受けているように思われる。
調理場内に目をやると、五徳が二台並んだ中華レンジが鎮座している。スープ用と、あおり用に使い分けられてフル稼働している。あおったモヤシが冷めないようにスープウォーマーを代用した保温器にも工夫が見られる。考えられたシステムに感心していると着席して8分程で、隣の先客よりも先に我が杯が到着した。坦々麺などのメニューもあるためスープの違いによってオペレーションが前後するのだろう。
その姿は美濃焼の小ぶりな玉淵丼の中でスープとモヤシの色彩のコントラストが印象的。シンプルな構成でインパクトは排除した落ち着いた見た目が、食べる前の心を穏やかにしてくれる。
まずは目に見えないほどのラードの粒子が浮かんだ淡い白茶色のスープをひとくち。熱々のスープの中で最初に感じるのはキメの細やかなクリーミーな舌触り。味噌スープというよりもポタージュのような口当たりが口内を覆う。味噌のコクやキレは感じるが、出過ぎないような合わせ方が馴染みやすい。見た目同様にインパクトはないが心に響くスープに魅了される。ポタージュのように感じるのは豚ゲンコツや鶏モミジのベースの中に、野菜の旨みも強く出ている点が大きいだろう。私のイメージする濃厚とは違った深みのあるスープで、生姜やニンニクなどの香味野菜の力を頼らずとも、味噌主体の香りで十分に楽しめそうだ。
麺は生麺の時から黄色い色素を放っているストレートな太麺。タイマーは4分にセットされているが実質の麺上げまでの時間は210秒ほど。その麺をスープの中から箸で拾い上げると、黄色みを帯びた麺肌には溶け出したグルテンが透明感のある粘りをみせる。箸先からは密度の濃い重さが麺質を物語る。いざ口に運ぶとネットリした麺肌が滑りを良くしてスルスルと口の中に飛び込んでくる。札幌系味噌ラーメンのように麺が縮れてないので啜り応えも迫力がある。初動ではスープとの絡みが良くないので味気なくも思ったが、麺の旨さを先に味わえるので、それも有りかと思えた。麺の熱変化を楽しむために、ひとまず具材を食べてみる。
具材のチャーシューは豚モモ肉のロースト型で小ぶりだが厚切りで二枚入っている。焼き目にはしっかりと香ばしさが残り、中心部の筋肉の繊維も歯応えがある。肉々しい食感と強めの味付けが力強く、まろやかなスープの中で個性を発揮している。サービスと思われる切り落とし部分が小さく添えてあったのがうれしい。荒々しくはあるが、香ばしさがより強く出た旨みには大満足。
追加した味玉もオレンジ色の美しい黄身がネットリとゲル化している。完全に熟成した黄身だけが成し得るベルベットのような食感が舌を包み込む。強すぎないがしっかりと塩気が浸透しているので、黄身の甘みが増している。追加した甲斐ある味玉だった。
細メンマは完全発酵の乾燥メンマの特質を活かした仕上がりとなっている。乾燥によって縮んだ麻竹の食感と凝縮した旨みのどちらも残されている。それに合わせる味付けもキリッと醤油を効かせてあり、まろやかなスープの中でシャープなキレを与えてくれる。
鉄製の中華鍋であおられたモヤシはシャキシャキの上を行く歯ざわりがアクセントを生む。スープで煮込まない後乗せタイプなので味付けは薄め。一緒にあおられた豚ひき肉の旨みを少しだけ感じるが、ほぼラードの香りが占めている。そのまま食べるよりはスープに沈めて熱変化したところで食べる方が麺との一体感はあるかと感じた。
薬味はモヤシが保護色となって見えづらいが白髪ネギが添えてある。モヤシとは異なる食感がと軽い辛味がアクセントになっていた。
ここに来るまでには、アクシデントに見舞われたが美味しい味噌ラーメンに出会えた。店を後にする頃には外待ちも発生していた。駅からは少し離れているが、こちらを目指してくる人気の高さもうなずける。帰りに、くぐった暖簾を見るとイラストの麺の部分がアルファベットで〝HOOK〟となっていた。屋号をあしらった素敵な暖簾は、私が午前中にフラれた修行先からの寄贈品だった。これを見た時に味噌ウィークを開催している今週中に必ずやリベンジを誓う一杯でした。