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平日 晴天 12:15 先客1名 後客2名〝ハイソでセレブなリッチ麺めぐり〟今週は平成最後の贅沢企画として高級ラーメン巡りを開催している。もはや千円を超えるくらいでは驚かなくなってしまった麻痺した金銭感覚のおもむくままに店選びを始める。さすがに2,000円超えとなるとターゲットも限られてくる。そこで本日は再訪にはなるが、高級ラーメンといえば必ず名前の挙がってくるコチラへと向かう事にした。前回は3,000円のチャーシューメンを食べたのだが、今回の品定めの為にRDBを開いてみる。メニュー欄には最安値でも1,700円となっているが、実際には値上がりしてた気がする。寿司屋の時価のようなメニューもあるので注意が必要だが、今回はワンタンメンを食べてみようと思い自宅を出た。こちらの店へは昼のピーク時に訪れたことはないのだが、この高額設定で行列ができるとは思えないので余裕をかまして昼過ぎに店に着いた。思った通りに行列はなく、白のれんをくぐって店に入る。先客は若い女性一人だけと恵比須のランチタイムとは別世界の空気の中、カウンターに座り卓上のメニューを開く。お目当ては決まっているのだが、次回の為にリサーチがてらメニューを見てみる。フカヒレやハマグリと高級食材のオンパレードのメニューには目がくらみそうになる。薄暗い店内のカウンター上には、前回は二台の製麺機が飾られてあったが今回は一台だけが陳列されていたので実際に使われているものなのだろうかと気になった。厨房の中華レンジには蒸し器が置かれていて、いかにも中華料理店らしいレイアウトだ。そんな店内を本日も二人体制で回している。高級感と緊張感に挟まれながら待つこと5分で我が杯が到着した。その姿は大きな受け皿に乗せられた白磁の反高台丼の中で、フルボリュームな容姿を見せつけている。しかし何故だか高級という言葉を感じさせない雑な盛り付け方にも見える。まずは紅樺色のスープをひとくち。どこまでも透明感のあるスープには陰りひとつない。差し込んだレンゲの抵抗は無力に近く、清湯ならではの静かな幕開けだ。いざ口に含むと旨みの中でも特に甘みの部分が先行してきた。やはりこちらも上湯ベースなのだろうか、動物系ではあるがサッパリとキレのあるスープが土台となっている。カエシには中国醤油だろうか、これまたフワッとした甘みが引き立つ。香味油の甘みも手伝って全体的にまろやかな甘みのスープに仕上がっている。すでに丁寧に時間がかけられていることが伝わってくるスープだ。麺は自家製の中細ストレート麺で麺上げまでは60秒。よくある高級中華料理店の既製の中華麺と違い、毎日手打ちされてるとあって期待は高まる。箸で持ち上げてみても確かに既存の中華麺と違ってハリやグルテンの密度を感じられる。口に含むと口当たりは軽やかだが麺肌に溶け出し始めたグルテンと香味油が重なって独特の粘り気のある舌触りを生んでいる。噛めば熟成度の少ないフレッシュな小麦の香りがあふれてくる。歯応えも適度にあるので食べ飽きしない麺となっている。本日の具材の主役は何と言ってもワンタンだろう。大判の皮に大ぶりな肉餡が丁寧に包まれたワンタンからは仕事量の多さが食べずとも分かる。手作りのワンタン皮から透けて見える肉餡の美しいピンク色は鮮度の良い豚ひき肉の証しだ。海老ワンタンにも見まごうような赤みを帯びた発色に興奮しながらレンゲで拾い上げる。ひとくちで食べるのは大変そうな、かなりのサイズ感なので先の肉餡部分だけを噛んでみると、ほのかに中華スパイスが香るが過度ではなく、豚肉本来の旨みで勝負してある。二度挽きなのか舌触りもなめらかで品が良い。続いて残った皮だけを食べてみると、やや厚手の皮が丁寧に折りたたまれたプリーツ部分の重なりが厚いこともあって硬くなってしまっている点が残念。厚手ではあるが滑らかな口当たりの皮の持ち味が、そのプリーツ部分だけのせいで削がれている気がする。丁寧な包み方が逆に仇となっていたと感じた。しかしそれを除けば、このワンタンが5個も入っているのは嬉しいボリュームだ。チャーシューは吊るし焼きタイプの広東式ではなく、煮豚型が二枚も入っている。ワンタン麺なのにチャーシューが入っているのはうれしい誤算だ。豚肩ロースを用いてあり、肉感を残しながらも柔らかく仕上げてある。ここでも中華スパイスは抑えられていているので、八角や丁子の個性は目立たない。やはり豚肉本来の旨みを引き出してあり、外国産の輸入豚肉には出せない素材の良さが明らかに感じられる。メンマも希少価値の高い金絲メンマが添えてある。原価も高く入手ルートも困難なメンマを使えるあたりも高級感がある。独特の引き締まった食感は金絲メンマならではの、噛みしめるたびに滲み出る発酵臭が他にはないアクセントになっている。またその香りを殺さない味付けも素晴らしい。ここまでは高級ラーメンらしい顔ぶれなのだが、添えてある茹でモヤシが私にとっては質を下げているように思えて仕方ない。素材自体は新鮮で不快なアンモニア臭もなく茹でたてなので香りも高いのだが、細モヤシのヒゲの口当たりの悪さが気になる。もちろん見た目も高級ラーメンには不似合いに見える。もし一本ずつヒゲを取ってあれば、あと五百円高かったとしても納得できるだけに残念な具材だ。薬味は液面には白ネギが、天盛りには青ネギと二種類の薬味として添えてあるが、やはり見た目の美しさには欠ける。見た目は採点に考慮しないと決めているのだが、それは舌触りの悪さにもつながってくるので採点は厳しくなってしまう。輪切りの鷹の爪も必要なのか疑問が残る。スープとモヤシは残して完食したが、丁寧な仕事が仇となったり、ひと仕事してないだけで欠点となったりと、食べ手のわがままで評価されるのは大変で難しい事だとは思う。しかし食べ手としても高額な対価を払っているので、期待が高くなってしまうのも理解を得たいと考える一杯でした。
...とうとう大台を超えてしまいましたか。一度はこういう高級店行ってみたいです。 首に札束巻いて、札束片手に好きなもの持ってこいと言ってる姿が見えてきました。ならば、お代わりしてみたら? もやしは同感です!せいぜい合う拉麺はJ系だけかと思っています。
皮肉にも夜はモヤシ炒めだけの質素な生活を送っています。
〝ハイソでセレブなリッチ麺めぐり〟
今週は平成最後の贅沢企画として高級ラーメン巡りを開催している。もはや千円を超えるくらいでは驚かなくなってしまった麻痺した金銭感覚のおもむくままに店選びを始める。さすがに2,000円超えとなるとターゲットも限られてくる。そこで本日は再訪にはなるが、高級ラーメンといえば必ず名前の挙がってくるコチラへと向かう事にした。
前回は3,000円のチャーシューメンを食べたのだが、今回の品定めの為にRDBを開いてみる。メニュー欄には最安値でも1,700円となっているが、実際には値上がりしてた気がする。寿司屋の時価のようなメニューもあるので注意が必要だが、今回はワンタンメンを食べてみようと思い自宅を出た。こちらの店へは昼のピーク時に訪れたことはないのだが、この高額設定で行列ができるとは思えないので余裕をかまして昼過ぎに店に着いた。
思った通りに行列はなく、白のれんをくぐって店に入る。先客は若い女性一人だけと恵比須のランチタイムとは別世界の空気の中、カウンターに座り卓上のメニューを開く。お目当ては決まっているのだが、次回の為にリサーチがてらメニューを見てみる。フカヒレやハマグリと高級食材のオンパレードのメニューには目がくらみそうになる。
薄暗い店内のカウンター上には、前回は二台の製麺機が飾られてあったが今回は一台だけが陳列されていたので実際に使われているものなのだろうかと気になった。厨房の中華レンジには蒸し器が置かれていて、いかにも中華料理店らしいレイアウトだ。そんな店内を本日も二人体制で回している。
高級感と緊張感に挟まれながら待つこと5分で我が杯が到着した。その姿は大きな受け皿に乗せられた白磁の反高台丼の中で、フルボリュームな容姿を見せつけている。しかし何故だか高級という言葉を感じさせない雑な盛り付け方にも見える。
まずは紅樺色のスープをひとくち。どこまでも透明感のあるスープには陰りひとつない。差し込んだレンゲの抵抗は無力に近く、清湯ならではの静かな幕開けだ。いざ口に含むと旨みの中でも特に甘みの部分が先行してきた。やはりこちらも上湯ベースなのだろうか、動物系ではあるがサッパリとキレのあるスープが土台となっている。カエシには中国醤油だろうか、これまたフワッとした甘みが引き立つ。香味油の甘みも手伝って全体的にまろやかな甘みのスープに仕上がっている。すでに丁寧に時間がかけられていることが伝わってくるスープだ。
麺は自家製の中細ストレート麺で麺上げまでは60秒。よくある高級中華料理店の既製の中華麺と違い、毎日手打ちされてるとあって期待は高まる。箸で持ち上げてみても確かに既存の中華麺と違ってハリやグルテンの密度を感じられる。口に含むと口当たりは軽やかだが麺肌に溶け出し始めたグルテンと香味油が重なって独特の粘り気のある舌触りを生んでいる。噛めば熟成度の少ないフレッシュな小麦の香りがあふれてくる。歯応えも適度にあるので食べ飽きしない麺となっている。
本日の具材の主役は何と言ってもワンタンだろう。大判の皮に大ぶりな肉餡が丁寧に包まれたワンタンからは仕事量の多さが食べずとも分かる。手作りのワンタン皮から透けて見える肉餡の美しいピンク色は鮮度の良い豚ひき肉の証しだ。海老ワンタンにも見まごうような赤みを帯びた発色に興奮しながらレンゲで拾い上げる。ひとくちで食べるのは大変そうな、かなりのサイズ感なので先の肉餡部分だけを噛んでみると、ほのかに中華スパイスが香るが過度ではなく、豚肉本来の旨みで勝負してある。二度挽きなのか舌触りもなめらかで品が良い。続いて残った皮だけを食べてみると、やや厚手の皮が丁寧に折りたたまれたプリーツ部分の重なりが厚いこともあって硬くなってしまっている点が残念。厚手ではあるが滑らかな口当たりの皮の持ち味が、そのプリーツ部分だけのせいで削がれている気がする。丁寧な包み方が逆に仇となっていたと感じた。しかしそれを除けば、このワンタンが5個も入っているのは嬉しいボリュームだ。
チャーシューは吊るし焼きタイプの広東式ではなく、煮豚型が二枚も入っている。ワンタン麺なのにチャーシューが入っているのはうれしい誤算だ。豚肩ロースを用いてあり、肉感を残しながらも柔らかく仕上げてある。ここでも中華スパイスは抑えられていているので、八角や丁子の個性は目立たない。やはり豚肉本来の旨みを引き出してあり、外国産の輸入豚肉には出せない素材の良さが明らかに感じられる。
メンマも希少価値の高い金絲メンマが添えてある。原価も高く入手ルートも困難なメンマを使えるあたりも高級感がある。独特の引き締まった食感は金絲メンマならではの、噛みしめるたびに滲み出る発酵臭が他にはないアクセントになっている。またその香りを殺さない味付けも素晴らしい。
ここまでは高級ラーメンらしい顔ぶれなのだが、添えてある茹でモヤシが私にとっては質を下げているように思えて仕方ない。素材自体は新鮮で不快なアンモニア臭もなく茹でたてなので香りも高いのだが、細モヤシのヒゲの口当たりの悪さが気になる。もちろん見た目も高級ラーメンには不似合いに見える。もし一本ずつヒゲを取ってあれば、あと五百円高かったとしても納得できるだけに残念な具材だ。
薬味は液面には白ネギが、天盛りには青ネギと二種類の薬味として添えてあるが、やはり見た目の美しさには欠ける。見た目は採点に考慮しないと決めているのだが、それは舌触りの悪さにもつながってくるので採点は厳しくなってしまう。輪切りの鷹の爪も必要なのか疑問が残る。
スープとモヤシは残して完食したが、丁寧な仕事が仇となったり、ひと仕事してないだけで欠点となったりと、食べ手のわがままで評価されるのは大変で難しい事だとは思う。しかし食べ手としても高額な対価を払っているので、期待が高くなってしまうのも理解を得たいと考える一杯でした。