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「ワンタン麺(白だし) ¥1040+味付き玉子 ¥100」@キング製麺の写真日曜日 10:55 先待ち11名 後待ち15名

〝ニューオープン狙いうち〟

本日、白羽の矢を立てたのはこちらだ。RDBの新店情報を昨夜から漁っていると先月の後半にオープンしたにもかかわらず、レビュー数も多いの店を発見した。この事からも注目度の高さがうかがい知れる。お店情報を見ると、確実に勢力図を拡大しつつある上北沢の人気店の傘下のようだ。系列の2号店の印象は良くはなかったが、新たな出会いを求めて初訪問を決めた。

快調に目覚めると11時開店前の現着を狙って、10時過ぎには山手線に乗車した。田端で京浜東北線へと乗り継ぐと自宅を出て40分ほどで最寄りの王子駅に着いた。

このプリンス駅からキング製麺までの道のりを歩いて行くのに、まさに皇太子殿下が天皇に即位されるという平成から令和へと変わろうとする時代と時を同じくしている事を思うと感慨深いものがある。また飛鳥山公園の散りゆく桜の花びらに変わるように芽吹いた新葉も、新たな年号への交代を知らせるようで寂しくもあり喜ばしくもある。

そんな事を思いながら5分ほど歩いて行くと北区役所の脇に佇むこちらがあった。休日という事もあり店先にはすでに行列が発生している。なんとか十二番手を確保したが一巡目は逃してしまった。定刻通りにオープンとなり入店開始。11席のカウンターは私の目の前でちょうど埋まった。しかし店内待ちも3名までは可能なようで食券を先に購入して店内にて待機となった。

たっぷりと時間がありそうなので店内を隈なく物色する。白と淡い木目を基調とした内装は新店舗ならではの清潔感がある。店内右手には杉板で囲まれた製麺室が設けてある。室内にはグリーンの塗装と木目が特徴のイソベ式製麺機と数種類の小麦粉の製粉袋が積まれてあり、屋号の示す通りの自家製麺と納得する。調理場内に目をやると、さすがは3号店という事で厨房機器は充実のラインナップだ。火回りの熱源をアイランド式に配置して換気の効率を図り、導線も確保している。最新鋭のスチコンや蛇口付き大型寸胴鍋が幅を利かせているのが印象的だ。そんな店内を本日はツーオペで回している。

じっくりと店内観察をしていると15分ほどで最初の客人が席を立ちカウンターへと昇格。しかしまだ一巡目の全ての提供は終わっておらず、再び待機となる。ツーオペのコンビネーションも良く回転は早そうだ。そんな調理工程を眺めていると着席して10分で我が杯が到着した。

その際にスタッフさんに「肉ワンタンを茹で忘れたので、先に召し上がってて下さい」と謝罪と案内があった。肉ワンタンの茹で上がりを待てずに写真を撮ったので、写真には写ってないがオーダーしたのは肉餡と海老餡の二種類が入ったワンタン麺である。オーダーミスや間違いは勿論あるので仕方ないが、どうしても腑に落ちない点がある。なぜか後客がオーダーした肉ワンタン麺には、ちゃんとワンタンが入っているのだ。本来ならば後客のオーダーを破棄してでも、優先的に先客のオーダーを完成させるのが当然ではないだろうか。もちろん謝罪も大事だが、プライオリティも大切ではないだろうか。この時に思ったことがある。店頭の大きな暖簾には、いかにもインスタを意識した#関連の文言が書かれていたが、私はインスタ等はやっていないので構わないが、もしインスタ目的も兼ねた逆だったとしたらワンタンが茹で上がるのを待って写真を撮っていたかもしれないと思うと、せっかくのラーメンが台無しになってしまい一期一麺の精神に反しており暖簾の文言が全く無意味に感じてしまった。

しかし目の前のラーメンに罪はないので気を取り直して真摯に向かい合うとする。その姿は朱赤の切立丼に双喜と龍が描かれた器の中で整然とした表情を見せてくれる。この丁寧な盛り付けが荒れた心中を穏やかにしてくれた。

まずは透明感のある木蘭色のスープをひとくち。香味油の油膜がまばらな液面にレンゲを落とすとサラリとした感覚と共に魚介系の香りがフワッと立ち昇ってくる。鰹節が主導して煮干しが後押しする魚介系清湯スープだ。微かにだけ豚由来の動物系のコクも感じるのは香味油からだろうか。さらには底上げ要員としての謎の旨味成分も表れてきた。かなりの使用量の多さが不自然な甘味となって現れる。見た目の清純さとは違って強い旨味を発するスープだ。

オールドタイプのイソベ式製麺機から生み出された自家製麺は麺上げまで70秒の中太平打ち麺。スープの中の姿を見ただけでオリジナリティを感じる麺だ。箸で持ち上げようもしても思い通りにならないほどに滑らかな麺肌がキラキラと輝いている。いざ口に運ぶと想像通りの滑らかな口当たりと、平打ち麺ならではのエッジを感じる口当たりが同時に押し寄せてくる。この感覚は他では味わった事がないので自家製麺へのこだわりが伝わってきた。

具材チャーシューは豚肩ロースの低温調理だが生っぽさを出すのではなく、しっとりとした食感と肉々しさを両立させた仕上がり具合。穏やかな下味にはパンチこそないが、赤身本来の旨みを上手く引き出してあるように思えた。チャーシュー自体には物足りなさもあるが、スープの強い旨味に合わせた仕上がりなのだろう。

小さな皮に包まれた大ぶりの海老餡が存在感を見せる海老ワンタンを食べてみる。粗挽きと言うよりは乱切りのニュアンスが近い、大きく叩かれた海老の香りと大胆な食感が弾け飛ぶ。派手な香辛料に頼らずに海老本来の甘みとわずかな塩気だけで仕上げた絶品ワンタンだ。また自家製であろうワンタン皮の薄さが、とろけるような喉ごしを生んで胃袋へと滑り落ちていく。

一方の後で追加された肉ワンタンも大ぶり肉餡が印象的だ。ひとくちでは頰ばれない程のワンタンをかじってみると、シンプルな味付けの海老ワンタンと違って複雑な香辛料を練り込んである。しかし豚ひき肉の旨みを引き出す程度に抑えてあるのでダイレクトに肉の旨みを楽しめた。

追加の味玉は好みとは違った非熟成タイプ。良質の卵の持ち味を大切にした味玉なので熟成した旨みはないが、スープとの相性は良く思えた。

薬味としてのネギ類は入っておらず、青みとしての小松菜が添えてある。シンプルな色彩のスープに彩りを与えて、シャキッとした歯ざわりと優しい苦味もアクセントになっていた。系列店らしさのシンボルでもあるナルトだが、今回も手作り感もなく出生地不明のため口にはしなかった。

中盤からも麺の躍動感に引っ張られて食べ進んできたが、スープの過剰な旨味成分に舌が着いていけなくなってしまったので、麺を平らげたところで箸とレンゲを置いた。

食べ終えて周囲を見ると、人気メニューの山椒入りを食べている方が多く見られた。山椒の痺れる刺激があればスープの旨味も感じづらくなったかもしれないとミスチョイスを悔やんだ。

本日は納得のいかない部分もあったが、ラーメンに対するだけの評価にしたので今回の採点となった。もし総合的な観点で採点したならば、過去最低の評価にもなりそうな店側の判断だったが、ここで思いとどまれた。

席を立ち店を後にする時に店先の行列は更に延びていて、となりの老舗蕎麦屋の行列と競い合うような人気店となっていた。帰りの王子駅までの近道となる公園のベンチに座りながら、次の候補店を見つけ出す一杯となりました。

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