レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
平日 晴天 13:40 先客5名 後客2名〝ニューオープン狙いうち〟本日は午前中に新宿御苑の「中華そば 味幸」で一食目をいただいた後に、昨夜から目星を付けておいたコチラへの初訪問を遂行する。RDBのお店情報では今月オープンしたばかりの新店という事だが、やはり最近の池袋界隈の新店ラッシュが目まぐるしく感じる。こちらのラーメンの系統は自身の得意ジャンルとは違う〝鶏白湯〟に特化した店のようだが、負のイメージを払拭してくれるかもと希望を込めて池袋へと降り立った。しかし即連食する気持ちはあっても胃袋が付いて来れそうにないので、再開発の進む区役所跡地周辺で時間をつぶす事にする。もはや昔の面影など全く残さないこの一角には郷愁に浸る場所など一つもない。オープンテラスのカフェでコーヒーを楽しんでいても、頭上の高層ビルの工事現場から何か落ちてやこないかと気が気でない。そんな緊張感の中で、これから向かうお店情報を念入りに予習する。「774」という屋号からは渋谷などにも店を構える「七志」グループが思い浮かぶが詳細は不明だ。現時点ではレビュー数も2件だけと、注目度は今ひとつのようだ。地図で所在地を確認すると、ラーメン店が軒を並べる密集エリアへの参戦のようで先ほどの「味幸」同様に意気込みの強さを感じずにはいられない。そんな事を思っているうちに前食から二時間も過ぎるとようやく連食スペースが空いてきた。そこで今回は交差点迷子にならないようにナビを握りしめて店へと向かった。ナビの指示通りに進んで行くも六ツ又陸橋に差し掛かると方向感覚を失ってしまう。どの道も同じに見えてくるから厄介だ。なんとか前回の「六感堂」へのアプローチを思い出して歩みを進めるとコチラの店先が見えてきた。入口は側道に面しているので分かりづらかったが、どうにか辿り着けた。昼ピークは過ぎているので周囲のラーメン店にも行列はない。洒落た外観を眺めながら入店して券売機の前へと進む。ヘッドライナーを飾っているのはもちろん鶏白湯だが塩か醤油が選べるようだ。塩のボタンには「女性一番人気」となっているが、おじさんなので迷う事なく醤油を選んだ。追加の味玉は必須具材なので追加発券する。満席ではないが混み合ったカウンターに腰を下ろし店内を物色する。白を基調とした新店舗らしい清潔感のある店内を本日は二人体制で切り盛りしている。カウンターの右側の奥まった場所に調理場があり店主さんが腕をふるっている。ホールを担当する女性スタッフの接客も心地良いので、非常に狭く窮屈な席ではあるが居心地を悪く感じさせない。内装などからも大手資本の匂いは感じないので、個人経営のように見受けられた。本日の客層はスーツ姿のサラリーマンが多く、街の需要に当てはまっているように見えた。毎日のように時間をを持て余す自分には、アウェイ感満載の中で待っていると着席して5分で我が杯が到着した。その姿は真っ黒な切立丼の中で〝鶏白湯らしさ〟を見せつけるが、丁寧に美しく盛り付けられた容姿からは苦手な鶏白湯へのイメージが変わりそうなビジュアルだ。まずはスープをひとくち。いかにも濃厚そうなスープにレンゲを沈めると、レンゲを持つ指先を介して濃度の高さが分かった。クリーミーではあるが完全乳化ではなく表層には油膜が張っているのも見える。いざ口に含むと濃厚な動物性コラーゲンの粘性が唇にまとわりつきながら口の中に入ってきた。それは丸鶏か鶏ガラなどを強火で長時間つぶしながら炊いた濃厚鶏スープの旨みが詰まっている。野菜などの甘みも感じるがザラつきは無くスムージーのように喉の奥へと流れ落ちていく。カエシは醤油ダレを選んだが醤油感をあまり打ち出さずに塩気の輪郭だけを作る程度に抑えてあり好印象。私の鶏白湯が得意でない理由の一つに、スープの鮮度やコンディションによって大きくブレがある事が挙げられる。しかし本日のスープからは鶏白湯に使われる鶏モミジ特有の獣臭を微塵も感じない。これが偶然の出会いだったのか、常にこの状態を維持したスープが提供されているのかは判断できないが〝らしさ〟を誇る素晴らしい鶏白湯スープに出会えた。でも何かが違う気がする。麺は濃厚な動物性コラーゲンに負けないような中太ストレート麺が採用されている。店内には見慣れない製麺所の看板が飾られているので、そちらの特注麺なのかと思う。麺上げまで135秒と5秒単位で茹で加減にもこだわった中太麺を持ち上げるとズッシリと密度の詰まった加水率の高さが伝わってくる。そんな重みのある麺をスープの拡散など気にせずに一気にすすり上げると、適度に溶け出し始めたグルテンが口当たりを良くしている。しなやかに滑り込んできたかと思うと、強いハリとコシを併せ持った麺質が口の中で暴れまわる。そんな麺を奥歯で押さえつけるたびに小麦の甘みが広がる作業が楽しくて、麺をすすり込むスピードが加速する。その度に寄り添ってくるスープとの相性も圧巻で鶏白湯の好感度がさらに上がった。でも何か違和感がある。ここまでは偶然か必然かも分からないままに感情移入できるラーメンだったが、具材が好みと外れてきたのをキッカケに印象が変わり始めた。具材のチャーシューは鶏ムネ肉のレアチャーシューと豚肩ロースの低温調理が大判で一枚ずつ入っている。鶏ムネ肉は薄味仕上げだが、あとで振られた黒胡椒の風味が味気なさを救ってくれた。一方の豚肩ロースはロゼ色の発色も鮮やかで脂身の白とピンクのコントラストは美しいが、筋切りがされてないので噛み切れない部分が口に残ってしまい不快な印象ばかりが残る。追加した味玉は作りたての茹でタマゴではないかと思ってしまうほどに味付けが浸透していない。半熟玉子としてなら成立するが、券売機には確かに「味玉」と表記されていたので裏切られたような失意を感じた。板メンマは適度な食感と無難な味付けで個性がないのが特徴なのかも。業務用メンマにも思えてしまい、スープと麺がパワフルなだけに陰に潜んでしまっていたかも。薬味は白髪ねぎと青みはカイワレコンビ。全体的にまったりとしたテイストの中でも食感をアピールする両者が選ばれた理由が何となく分かる気がするが、どちらも好みと外れていた。しかしこの薬味だけがラーメンの中で手仕事感が伝わってきた具材にも思えた。器の色と同化して写真では見づらいかも知れないが、十字8切の大判な海苔がしっかりと添えてあった。厚手で食べ応えがあるにもかかわらず、香りも高く質の良さが感じられた。口溶けの良さを楽しむよりも麺を巻いて食べたりする方が持ち味を発揮しそうな海苔だった。最後までスープと麺の相性の良さが続いたので箸が止まる事なく完食を迎えようとしていたが、やはり不思議な違和感は否めなかった。それはスープや麺、具材のひとつひとつから手作りの匂いを全く感じない事だ。悪く言えば全てが工場製品ではないかと思ってしまうような安定したクオリティに思えて仕方なく、最後まで食べきる事が出来なかった。箸とレンゲを置いた後も大きな違和感が何かは確信が持てないままに、店をあとにした一杯でした。
〝ニューオープン狙いうち〟
本日は午前中に新宿御苑の「中華そば 味幸」で一食目をいただいた後に、昨夜から目星を付けておいたコチラへの初訪問を遂行する。
RDBのお店情報では今月オープンしたばかりの新店という事だが、やはり最近の池袋界隈の新店ラッシュが目まぐるしく感じる。こちらのラーメンの系統は自身の得意ジャンルとは違う〝鶏白湯〟に特化した店のようだが、負のイメージを払拭してくれるかもと希望を込めて池袋へと降り立った。しかし即連食する気持ちはあっても胃袋が付いて来れそうにないので、再開発の進む区役所跡地周辺で時間をつぶす事にする。
もはや昔の面影など全く残さないこの一角には郷愁に浸る場所など一つもない。オープンテラスのカフェでコーヒーを楽しんでいても、頭上の高層ビルの工事現場から何か落ちてやこないかと気が気でない。そんな緊張感の中で、これから向かうお店情報を念入りに予習する。「774」という屋号からは渋谷などにも店を構える「七志」グループが思い浮かぶが詳細は不明だ。現時点ではレビュー数も2件だけと、注目度は今ひとつのようだ。地図で所在地を確認すると、ラーメン店が軒を並べる密集エリアへの参戦のようで先ほどの「味幸」同様に意気込みの強さを感じずにはいられない。
そんな事を思っているうちに前食から二時間も過ぎるとようやく連食スペースが空いてきた。そこで今回は交差点迷子にならないようにナビを握りしめて店へと向かった。ナビの指示通りに進んで行くも六ツ又陸橋に差し掛かると方向感覚を失ってしまう。どの道も同じに見えてくるから厄介だ。なんとか前回の「六感堂」へのアプローチを思い出して歩みを進めるとコチラの店先が見えてきた。入口は側道に面しているので分かりづらかったが、どうにか辿り着けた。
昼ピークは過ぎているので周囲のラーメン店にも行列はない。洒落た外観を眺めながら入店して券売機の前へと進む。ヘッドライナーを飾っているのはもちろん鶏白湯だが塩か醤油が選べるようだ。塩のボタンには「女性一番人気」となっているが、おじさんなので迷う事なく醤油を選んだ。追加の味玉は必須具材なので追加発券する。
満席ではないが混み合ったカウンターに腰を下ろし店内を物色する。白を基調とした新店舗らしい清潔感のある店内を本日は二人体制で切り盛りしている。カウンターの右側の奥まった場所に調理場があり店主さんが腕をふるっている。ホールを担当する女性スタッフの接客も心地良いので、非常に狭く窮屈な席ではあるが居心地を悪く感じさせない。内装などからも大手資本の匂いは感じないので、個人経営のように見受けられた。本日の客層はスーツ姿のサラリーマンが多く、街の需要に当てはまっているように見えた。
毎日のように時間をを持て余す自分には、アウェイ感満載の中で待っていると着席して5分で我が杯が到着した。その姿は真っ黒な切立丼の中で〝鶏白湯らしさ〟を見せつけるが、丁寧に美しく盛り付けられた容姿からは苦手な鶏白湯へのイメージが変わりそうなビジュアルだ。
まずはスープをひとくち。いかにも濃厚そうなスープにレンゲを沈めると、レンゲを持つ指先を介して濃度の高さが分かった。クリーミーではあるが完全乳化ではなく表層には油膜が張っているのも見える。いざ口に含むと濃厚な動物性コラーゲンの粘性が唇にまとわりつきながら口の中に入ってきた。それは丸鶏か鶏ガラなどを強火で長時間つぶしながら炊いた濃厚鶏スープの旨みが詰まっている。野菜などの甘みも感じるがザラつきは無くスムージーのように喉の奥へと流れ落ちていく。カエシは醤油ダレを選んだが醤油感をあまり打ち出さずに塩気の輪郭だけを作る程度に抑えてあり好印象。私の鶏白湯が得意でない理由の一つに、スープの鮮度やコンディションによって大きくブレがある事が挙げられる。しかし本日のスープからは鶏白湯に使われる鶏モミジ特有の獣臭を微塵も感じない。これが偶然の出会いだったのか、常にこの状態を維持したスープが提供されているのかは判断できないが〝らしさ〟を誇る素晴らしい鶏白湯スープに出会えた。でも何かが違う気がする。
麺は濃厚な動物性コラーゲンに負けないような中太ストレート麺が採用されている。店内には見慣れない製麺所の看板が飾られているので、そちらの特注麺なのかと思う。麺上げまで135秒と5秒単位で茹で加減にもこだわった中太麺を持ち上げるとズッシリと密度の詰まった加水率の高さが伝わってくる。そんな重みのある麺をスープの拡散など気にせずに一気にすすり上げると、適度に溶け出し始めたグルテンが口当たりを良くしている。しなやかに滑り込んできたかと思うと、強いハリとコシを併せ持った麺質が口の中で暴れまわる。そんな麺を奥歯で押さえつけるたびに小麦の甘みが広がる作業が楽しくて、麺をすすり込むスピードが加速する。その度に寄り添ってくるスープとの相性も圧巻で鶏白湯の好感度がさらに上がった。でも何か違和感がある。
ここまでは偶然か必然かも分からないままに感情移入できるラーメンだったが、具材が好みと外れてきたのをキッカケに印象が変わり始めた。
具材のチャーシューは鶏ムネ肉のレアチャーシューと豚肩ロースの低温調理が大判で一枚ずつ入っている。鶏ムネ肉は薄味仕上げだが、あとで振られた黒胡椒の風味が味気なさを救ってくれた。一方の豚肩ロースはロゼ色の発色も鮮やかで脂身の白とピンクのコントラストは美しいが、筋切りがされてないので噛み切れない部分が口に残ってしまい不快な印象ばかりが残る。
追加した味玉は作りたての茹でタマゴではないかと思ってしまうほどに味付けが浸透していない。半熟玉子としてなら成立するが、券売機には確かに「味玉」と表記されていたので裏切られたような失意を感じた。
板メンマは適度な食感と無難な味付けで個性がないのが特徴なのかも。業務用メンマにも思えてしまい、スープと麺がパワフルなだけに陰に潜んでしまっていたかも。
薬味は白髪ねぎと青みはカイワレコンビ。全体的にまったりとしたテイストの中でも食感をアピールする両者が選ばれた理由が何となく分かる気がするが、どちらも好みと外れていた。しかしこの薬味だけがラーメンの中で手仕事感が伝わってきた具材にも思えた。
器の色と同化して写真では見づらいかも知れないが、十字8切の大判な海苔がしっかりと添えてあった。厚手で食べ応えがあるにもかかわらず、香りも高く質の良さが感じられた。口溶けの良さを楽しむよりも麺を巻いて食べたりする方が持ち味を発揮しそうな海苔だった。
最後までスープと麺の相性の良さが続いたので箸が止まる事なく完食を迎えようとしていたが、やはり不思議な違和感は否めなかった。それはスープや麺、具材のひとつひとつから手作りの匂いを全く感じない事だ。悪く言えば全てが工場製品ではないかと思ってしまうような安定したクオリティに思えて仕方なく、最後まで食べきる事が出来なかった。
箸とレンゲを置いた後も大きな違和感が何かは確信が持てないままに、店をあとにした一杯でした。