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「中華そば (醤油) ¥780」@中華そばのあい川の写真平日 曇天 11:30 先客なし 後客なし

〝ニューオープン 探検記〟

都内での新店めぐりも落ち着いてきたので、少し足を伸ばしてみようとRDBの新店情報を漁ってみた。すると茨城県内でも訪れた事のない笠間市で産声を上げたコチラのオープン情報が挙がっていた。

お店情報を見るとIT系 (意識高い系) 中年オジさんには大変に有難い〝無化調〟の文字が目を惹いた。オープンして一週間ほどしか経っておらずレビュー等の情報は乏しいが、営業時間や定休日が記載されている内容だけを信じて初訪問を決めた。

そうと決まれば北関東遠征の拠点である、上野のサウナにて心身ともに「ととのう」為に前乗り作戦を遂行する。テレビドラマの影響も落ち着いてきたのか、昨夜はとても静かな大浴場だった。入浴客の少ないので必然的にサウナの扉の開閉数も減り、サウナ内の高温が守られている。守られているのは温度だけでなく、流行りに乗った若者たちもいないのでサウナ内の秩序も守られているのだ。ひとり無言で悦に入る熟年ベテランサウナーたちに囲まれて、私も平穏を保つように独自の世界に包まれながら完璧な肉体の「ととのい」を果たした。

その後は精神的な「ととのい」を成すために、通称〝天国へのレッドカーペット〟の敷かれた階段を使って食事処へと降りて行く。地獄に堕ちるとは聞いた事があるが〝天国に堕ちる〟と言うのは、このサウナだけではないだろうか。サウナは3セットが私のルーティンたが、生ビールばかりは無限のルーティンが広がっているのだ。などと、自分に言い訳をしながら深夜を過ぎるまで生ビールを楽しんでから寝床に入った。翌朝もすこぶる快調に目覚めると、さっさと朝風呂を浴びて身支度を済ませた。やはりサウナの前泊の利点は目の前が上野駅という事で、前乗りの意味を受け止めながら駅へと向かった。

上野 9:22発 東北新幹線 なすの 255号 郡山行きに乗車すれば最終目的地であるラーメン店の開店前の現着に間に合うルートを見つけておいたので、そのルート通りに新幹線で小山駅までは35分ほどで着くとラーメンめぐりでは初めてとなる水戸線に乗り継いだ。そこからは小山駅までの新幹線の乗車時間よりも長い50分もかけて笠間駅まではやって来られた。しかし目的地のラーメン店までは歩くと20分もかかるらしいので、のどかな駅前で茨城交通バスを少し待つ事にした。10分ほど待って芸術の森公園行きのバスに乗り、貸切状態の車内で5分も揺られると最寄りの荒町角バス停に無事たどり着いた。

バス停に降りるとバス道中の和やか景色とは異なる、歴史を感じる趣のある重厚な街並みが目の前に広がっていた。そこは笠間稲荷神社の門前通りとなっており、狭い通りながらも道の両脇には参拝客相手の商店が軒を連ねている。バス停には定刻の20分前の現着となったが、先に店の所在地だけは確認しておこうと店を探して向かってみた。

しかしバス停から1分も歩けば通り沿いの土産売り場や商店の中に、店のロゴマークをあしらった茶色の看板が目に止まった。まだ半シャッター状態だが店先には手書きのメニューが貼られてあり、予習の意味も込めて一通りメニューを拝見しておいた。門前と言っても平日なので観光客は少なく、と言うよりは歩いている人は私以外に誰もいない。街の雰囲気的には行列が出来そうな感じではないので、とりあえずは笠間稲荷をお詣りしておこうと参道へ行ってみた。とても立派な朱赤の大鳥居が出迎えてくれ、一礼をしてから境内へと向かう仲見世通りを越えると空気が一瞬にして変わるのに気が付いた。凛と張り詰めた空気が気持ちを引き締め、大昔の建立時から変わらぬ空気が流れている事を体感する。ラーメンの新店めぐりで訪れた場所に、歴史を感じる思わぬ出会いがあった事に感謝しながら店へと戻った。

店先に戻るとちょうど定刻を迎える11:30となっていて、ご主人さん自らが仕込中の立て札を営業中に裏返すしてオープンとなった。真新しい白い暖簾をくぐって店内に入ると、券売機が見当たらないのでカウンターに座ってみる。卓上にもメニューがないが、店内の壁には数ヶ所メニューが貼ってあった。先ほど店頭で当たりを付けておいた表題を口頭注文するが好物の味玉はラインナップにはなく残念に思いながら、卓上に置かれたレモン水をグラスに注いで店内を見渡してみる。

古い建物を活かした古民家カフェ風の内装が印象的な客席には、カウンター席の他に四名分にしては随分と広めの小上がり席も設けてある。田舎の茶の間を思わせる懐かしい雰囲気が街の景色に同化するようだ。そんな穏やかな店内を本日は二人で切り盛りされていて、調理工程の全てを店主さんが担われているようだ。客席からは完全に独立したガラス張りの調理場内からは中華鍋の金属音が響いてくる。よだれ鶏などのサイドメニューのラインナップを見ても分かるように、店主さんは中華料理店の出身と思われる調理場の造りとなっている。細かな調理作業は見えないが五感を研ぎ澄ませて音などから調理工程を想像しながら待っていると、着席して6分で我が杯が到着した。

その姿は昔ながらの双喜と雷紋に龍のフルセットが描かれた高台丼の中で、器に似合った懐かしい表情と流行りのスタイルを融合させた景色を見せている。しかしそのフュージョンした姿には最初の疑問が浮かんできた。なぜに〝無化調〟を謳っておきながら、ナルトがセンターを飾っているのだろうか。自家製のナルトか、もしくは発酵調味液すら使用していない無添加のナルトならば問題ないが、そうではない一般に流通しているナルトと思われる。せっかくの無化調スープにナルトの添加物が溶け出さないうちに、卓上の紙おしぼりに包んで危機を回避した。

そこからまずは葡萄茶色のスープをひとくち。寿司屋の隠語で醤油が〝むらさき〟と言われる理由が分かるような、紫色を含んだ醤油ダレがビシッと全体の色合いを引き締めている。そこには酸化する前の鮮度の良い醤油は、赤みを帯びた紫色をしている事を思い出させてくれる。器の底になる程に漆黒の闇へと向かっているようなスープの液面には、ドットの乱れた香味油が薄膜を張っている。見た目にも深みのありそうなスープにレンゲを落とし込むと、強めの醤油の香りが先陣を切って鼻先に届いた。勢いよく吸い込むと、むせ返りそうなくらいにハッキリとしたカエシの香りが印象に残る。香り同様の強い刺激を思いながらスープを口に含んでみると、かなり高めの設定の塩気を感じるが甘みの存在も見え隠れしている。そこに加えて鉄分のような軽快な苦味も感じるのは、中華鍋でスープを沸かし直しているからなのだろうか。まさか中華鍋の鉄分が味となるとは思えないが不思議とそんな気がした。そんな強気なカエシを支えている土台には丸鶏や豚ゲンコツの動物系と魚介出汁が合わさり、干し椎茸などの乾物系も重なりをみせる。鮮度の良いフレッシュな動物系スープと魚介や乾物由来の枯れた味わいのスープが見事に調和して、昔ながらの基本の材料を使いながらも非天然由来の旨味成分に頼らない無化調スープとなっている。

かなり塩気の強いスープに押され気味な口の中を中和させようと思い麺を引き上げてみると、すでにスープの色素を吸い込んだような色付きをした中細ストレート麺が現れた。箸先に係る重量はズッシリとして、加水率の高さを思わせる。麺肌にはくっきりと切刃のエッジが残りシャープな印象を与えているが、残念な事にスープの中では麺が癒着している部分がいくつも見られた。さらには蛇のように〝とぐろ〟を巻いているので麺を持ち上げるのも一苦労で、麺をすする楽しみを半減させてしまっている。茹で麺機の様子が見えないのでテボか平ザルかは分からないが、全く整えられてない麺線のおかげで麺をほぐす一手間が無駄に思えた。麺線の流れに気を使いながらすすってみると、切刃の角の鋭い形状なので四角い口当たりで滑り込んできた。まさにエッジの効いた初動が唇を刺激するが、舌触りとしてはシルキーな繊細さをアピールしてくる。歯応えとしては奥歯の噛み合わせから逃げようとする抵抗も見せるが、しっかりと咀嚼には応じてくれる。喉越しも良く滑らかな麺質だけに、麺線の癒着が残念で仕方ない。

具材のチャーシューは、初期値でも鶏肉と豚肉の部位違いで二種類盛り付けてある。先に見た目にも淡白そうな鶏ムネ肉から食べてみると、しっとりとした低温調理による舌触りが印象に残る。それでいて噛み応えも持ち合わせているが冷蔵庫の冷たさが残っている。開店直後の一番客なので常温に戻す時間もなかったのだろうが、冷たさに旨みが隠れていると感じた。一方の豚肉には脂身のないモモ肉で仕込まれていて赤身の肉質の食べ応えはあったが、味付けの薄さと豚肉本来の獣臭さが目立ってしまっている。こちらも冷たさが残っているので衛生面では安心だが、味わいの部分では不服が残る仕上がりだった。

これに反して板メンマには濃い味付けがされていて、見た目の強い醤油色素と同じく煮汁の醤油がハッキリと利いている。噛むたびに浸み出してくる塩気には手こずってしまった。

器の口縁に張り付いた十字6切の海苔は口溶けが悪く口の中に残り続け、磯の香りも乏しかった。旬を越えて収穫された春先の海苔のように硬いので、巻き寿司などには適した海苔に思えた。

薬味は青ネギと白ネギが切り方を変えて添えてあり、いい意味で田舎ねぎのような粗々しい香りや食感は嫌いではない。最近は品種改良によって野菜本来の香りがしないものが溢れているが、葱には葱らしい香りを欲してしまう。繊細なスープには高級ブランド葱も良いが、こちらの荒っぽいスープにはマッチした薬味ねぎだと思った。

全体的に〝無化調〟を謳っているラーメンとしては都会的ではなく素朴な粗さが持ち味のラーメンだったので、初動で感じた塩気の強さを引きずりながら麺だけは完食できた。しかしスープを飲み干す余力は残っておらず、残念ながらレンゲを置いた。後客もなく食べ終えて店を出ると、ここまでの道のりが大変だった以上に帰り道も苦難を強いられた

Googleマップでは先程の笠間駅まで戻るバスがあるはずなのに、最寄りのバス停に行ってみると休校日は運休となっていた。まだ当日は夏休み中だったので、大手グーグル社でも把握できてない事案があったようだ。

うつむき加減で仕方なく歩いて笠間駅まで20分かけて歩いて帰る途中に、ちょうど昼の12時を知らせるチャイムが町内放送で鳴り響いた。その曲が〝上を向いて歩こう〟だったのには、顔を上げて歩くしかないと思わせてくれた一杯となりました。

投稿 | コメント (5) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

こんばんは^ ^

茨城は常磐線をご利用ください

常磐線特急を使えば
上野駅から友部駅
乗り換え 水戸線で
友部駅から笠間駅

片道1時間くらいで3000円ちょいだったと思います(*_*)

懲りずにまたラーメン茨城にお越しくださいお越しください^ ^

サン | 2019年9月4日 23:27

イントロながい!レッドカーペットで天国にでも堕ちてください!
”建立時から変わらぬ空気"を感じる人は、”紙おしぼり”に包むと”なると様のバチがあたりますよ!
中華鍋の鉄分はわかる気がしますよ。鉄棒を舐めた時のような味、鉄分吸収にはいいのかもw
〝上を向いて歩こう〟空の大きな雲が心境を映してくれることでしょう!

虚無 Becky! | 2019年9月4日 23:28

ベキさん内緒で〝なると様〟のフレーズ使わしてもらって良いですかw

のらのら | 2019年9月5日 01:59

↑いままでなると様をティッシュに包んだりポイしたりで泣いてますよ!
ヨキニハカラエ どぞ!

虚無 Becky! | 2019年9月5日 02:13

茶碗についたごはんを残すと目が潰れる!は親父の遺言ですが、
いい歳しても目が潰れません。
”夜中に爪を切ると親の死に目に会えない”そのとおりでした!
なので、なると様を捨てるとレッドカーペットは地獄行きですよ!教訓!

虚無 Becky! | 2019年9月5日 02:15