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「濃厚オマール海老蕎麦(限定) ¥950+うずら味玉 ¥100」@木更津丿貫の写真土曜日 晴天 10:40 先待ち2名 後待ち5名 後客3名

〝ニューオープン 探検記 木更津編〟

※ これは台風15号で大きな被害を受ける一週間前の9/7に訪問した時のレビューになります。

本日は木更津で見つけた新店めぐりをするために、新橋のサウナからスタートした。東京駅八重洲口バス停 9:05発 日東交通高速バス 君津南口行きに乗り込んでアクアラインを1時間ほど走ると、君津市役所バス停 に着いた。そこからはイオンモール木更津線に乗り換えると3分で最寄りの畑沢南五丁目バス停まで来た。

するとバス停の目の前が店で、定刻20分前でも並びが発生していた。 長屋作りの中にある店の前には外待ちイスが5脚置かれてあり、三番手のイスを確保した。店頭には駐車場や行列の並び方の案内が書かれてあり、 その横にはメニューもあったので見当を付けておいた。

夏の終わりの空だが日差しを遮るものがない店先で待っていると、定刻の5分前に店主さん自ら白い暖簾を掛けられて早開けとなった。店内に入ると券売機はなく卓上メニューの中から、並びの時に決めておいた標題を女性スタッフさんに告げた。普段ならば限定メニューは選ばないのだが、基本メニューの〝煮干蕎麦〟は何となく味の予測がつくので珍しく限定にしてみた。味玉はうずらの玉子だったが、興味本位で追加注文してみた。

カウンターから店内を見渡してみると、小上がり席もある寿司屋のような店内となっている。厨房の様子は見えないが、開店と同時にテーブル席まで満席にした事を怒鳴っている声が聞こえてきた。 提供時間がかかるのを気にして、客の入りを調節したかったようだが、客としては熱い外で待たさせるよりも店内で着席させてもらった方がありがたい。そんな店側の都合ばかりで少し嫌な気持ちになったが、ラーメンが出来上がるまでに気を取り直そうとカウンターの中を眺めてみる。

カウンター内の冷蔵庫には千葉の名酒「福祝」が並んでおり地元愛が感じられる。ムーディなBGMを聴きながら待っていると先客の第1ロットが仕上がったようだが、注文の順序が違ったようで再び店主さんの怒号が聞こえてきた。食べ手としては穏やかな中でラーメンを味わいたいものだが、そうもいかず残念に思っていると第2ロットで我が杯が到着した。

その姿は白磁の鳴門丼の中で、とても丁寧に盛り付けされているように見えた。第一印象としては基本メニューの煮干蕎麦のような表情にも見えたが、限定ならではの様子も見えてきた。滅多に口にしない限定メニューに期待を高めてレンゲを手にした。

まずは小豆色のスープをひとくち。表層には煮干特有の水泡以外に、甲殻類由来と思われる赤みを含んだ細やかな粒子が見られる。その色彩こそがオマール海老を使ったスープの証であり、アスタキサンチンの赤い色素を見せつけている。そんな液面にはレンゲを沈めると、ダイレクトに海老の香りが立ち昇る湯気に伴ってきた。レンゲの中には濃度のある液体が湛えられて、煮干し由来の銀皮が鈍い光を放っている。見た目は煮干し、香りは甲殻類というジレンマにも似たギャップに戸惑いそうになりながらスープを口に含んだ。するとインパクトのあるのはオマール海老の香りだけで、旨みの根底には煮干出汁が大きく広がっている。そうなれば、基本の煮干ベースのスープにオマールの殻を使った海老油を合わせてあるのだろうか。個性的ではあるが過剰な演出ではなく、保守派の私でも受け入れらるスープに安心して麺をへと進んでみる。

厨房が見えずタイマーの音も漏れてこないので、麺上げまでのタイミングが計れなかった。持ち上げた箸先には細麺が現れたが、箸を持つ指先からは強いハリを感じられる。セメント煮干系に合わせるタイプの低加水麺かと思ってすすり上げると、全く違った印象の口当たりが訪れた。細身ながらも強いハリが唇に伝わると、力強さすら感じさせる麺質だ。小麦の色素が出た白っぽい麺肌から加水率の低さを想像したが、ある程度の水分を含んでいるようだ。それがモッチリとした歯応えとなって表現されており、噛みつぶせば小麦の香りと甘みが染み出してくる。スープとの絡みは良くないが、麺の香りを楽しむには良い組み合わせに思えた。後半のスープを含んだ麺を楽しみにとっておき、具材陣を味わう事にしたり

具材のチャーシューは豚肩ロースのレアチャーシューが、薔薇の花びらを象るように盛り付けてある。キレイなロゼ発色を見せる部分と、脂身の白色とのコントラストが華やかさを装う。盛り付け直前に電動スライサーでの切り立てに拘った見事な仕上がりだ。かなりの薄味仕立で物足りなさもあるが、豚肉本来の肉質の良さでカバーしている。多く思った脂身も良質な脂質だったので、油っぽさを感じる事はなかった。

追加したうずら味玉は漬けダレの味が濃い上に、黄身の中心部にまで浸透しすぎている。よって小さいながらも印象の強い味玉となっている。そこには塩っぱさも感じるので、出しゃばりすぎているようにも思える。うずらの卵特有の弾けるような食感だけは楽しめたが、冷蔵庫内の冷たさが残っていて、心が休まるような味玉ではなかった。

薬味の玉ねぎアッシェは手切りならではの舌触りの良さがあり、それによって辛味が抑えられていて玉ねぎの持つ甘みの方が上回っている。やや大きめの小口切りにされた青ネギは彩り要員も兼ねているが、乾き切った切り口からは香りや舌触りの良さは生まれてこない。午前中のオープン直後でこの仕上がりならば、通称〝アニキ〟と呼ばれる昨日分の残りではないかと疑ってしまった。

終盤には海老油の効力が薄れてきたのか、煮干系ラーメンを食べているような感覚になっていた。スープは半分近く残してしまったが、麺と具材は食べきる事ができた。

食べる前の店の印象は良くなかったが、提供されたラーメンに罪はないので冷静に評価するとこうなった。苦手意識のある限定メニューだったが、満足して箸とレンゲを置けた。

今回の木更津界隈での新店めぐりのために移動しなければならないが、次発のバスまでの約1時間をバス停前のコンビニで過ごした。コーヒーを飲みながら次の新店の下調べをする一杯となりました。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

珍しいですねこの土地まで行かれての限定は八雲以来ではないですか?
”夏の終わりの空だが日差しを遮る...”太宰かと思うようなフレーズ!
君津周りは時間の進むのが遅く感じる場所、土地柄か玉ねぎも甘いのですよね。
レアチャー脂身も自然に入る美味さも魅力でしたね。

虚無 Becky! | 2019年10月25日 16:37

ノ貫出身の店との事で基本の煮干しは何となく想像が付いたので、思い切って限定にチャレンジしてみました。また今回も大雨で大変なようですが、また房総めぐりが出来る日が早く訪れる事を願ってます。

のらのら | 2019年10月26日 09:34