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平日 晴天 10:30 先待ち2名 後待ち3名 後客8名〝しくじりオヤジの嘆き節〟昨晩は衣替えをしようと思い西麻布のサウナに向かったのだが、まさかの水道トラブルでフラれてしまった。衣替えというのは三ヶ月に一度の〝アカスリ〟の事で、それを施術してもらうのは西麻布と決めているのだ。しかし水が出ないのでは仕方なく、諦めて笹塚のサウナへとタクシーで向かった。笹塚の施設にもアカスリはあるのだが、何故か他で受けると肌の仕上がりが違うのだ。西麻布のサウナのアカスリは、まさに〝肌が合う〟のである。なのでアカスリの予定は変更して通常のサウナルーティンをこなした後は、お楽しみの食事処で名物〝笹塚チャーシュー〟をつまみながら生ビールを呑んで翌日の計画を練った。行きたい新店も浮かんでこずに悩んでいると、以前初訪問してから益々人気が急上昇となっているコチラの事が頭に浮かんだ。前回の印象が良かったので、今回は違うスープに挑戦してみよと再訪を決意して寝床に入った。翌朝は軽めの2セットで汗を流すと、午前9時にはチェックアウトして笹塚駅に向かった。京王線の高幡不動駅から多摩モノレールに乗り換えると、数分で最寄りの万願寺駅に降り立った。約8ヶ月ぶりになるが、店への道順は覚えていたので迷う事なく3分程で店先に着いた。久しぶりに来たが人気の高さは噂通りで、定刻の30分前の現着だったが三番手だった。店頭に置かれた丸椅子に座り、オープンを待つ間に壁に貼られた小さなメニューから品定めをしておく。前回は基本の醤油系にしたので今回は塩系に挑もうと思ったが、ラインナップが増えていて悩んでしまう。しかし大きな冒険をする勇気はなく、保守的な塩系に心を決めた。オープン前からすでにえんじ色の暖簾が掛けられており、立て札だけが準備中となっている。そんな店先で待っていると前回の冬の訪問時よりも行列の延びが早く、続々と並びが増えていく。それを察したのか店主さんが 20分も前に早開けしてくれて、あまり待つ事なく入店となった。店内に入ると入口右手の券売機の中から決めておいたボタンを見つけ、今回もハイエンドの「上中華」を発券した。順序に従いカウンターの左奥から三番目に腰を下ろして、久しぶりの店内を見渡してみる。独特な厨房内の様子や客席に変わった点は見られないが、明らかな空気感の違いが伝わってきた。それは店主さんの醸し出す雰囲気の違いで、前回は強面で無言のままに調理する姿が印象に残っている。しかし本日は地元の常連客が増えたようで、調理に入る前には笑い声を交えた会話をしていた。それだけ地元に愛される人気店となり、気持ちにゆとりが出来たのだろうか。早開けでも準備が整うと、ワンオペの静寂の中で 1st ロットの調理が始まった。以前ほどの緊張感は無くなったが、それでも凛とした空気が張り詰めているのが心地良い。無音の客席には調理場内で流れるラジオから「夜空ノムコウ」が聴こえてくる。セルフのお冷で喉を潤しながら「厨房ノムコウ」を眺めていると、着席して8分の 3rd ロットにて我が杯が到着した。またオープン直後のワンロット1杯の調理に戻されたようだ。回転率よりも質の高さにこだわる店主さんの思いが、すべてに感じられる。そんな思いが詰まったラーメンの姿は白磁の切立丼の中で、華やかな世界を見せていた。ビジュアル志向のラーメンは得意ではないが、全てに意味があると信じてレンゲを手にした。まずは白樺色のスープをひとくち。表層には薄手ながらも香味油が張り巡らされていて、その中には黄柚子の皮が浮かんで見える。その中から純粋なスープだけをレンゲに注いで口元まで運んでみると、穏やかながらも貝類の香りが鼻先をくすぐった。〝貝出汁=高塩分〟の構図が頭を過ぎるが、こちらの貝出汁ならばと安心して口に含んでみた。すると塩気よりも旨みの強い出汁感が口に広がり、瞬く間に口内にシーパラダイスの景色が広がった。あらゆる魚介の旨みを感じられるが塩気は最小限に抑えてあり、高級料亭の吸地を味わったような気持ちになる。ついコクを油分に頼りたくなる設計図だが香味油も抑えてあり、真っ向勝負の出汁感で挑んでくる。その挑戦に食べ手としても正面から向き合うつもりで麺へと進んだ。麺上げまでは50秒と湯切りの10秒を含めたトータル60秒の麺を持ち上げてみると、30センチと長めに切り出しされた中細ストレート麺が現れた。その箸先には細身ながらも強いハリを感じ、切刃のエッジが鋭い眼光で睨みつけてくるようだ。そんな麺を迷う事なく一気にすすり上げると、見た目の印象通りにシャープな口当たりで滑り込んできた。前回の醤油の時には感じられなかった、コシの強さも加わっていると感じる。茹で時間に変更はないようなので気のせいかもしれないが、明らかに今回の麺の方が好みに近づいていた。麺に長さがあるので、すする回数が必然的に増えると、スープの香味も伴ってくるので飽きがこない。喉越しも心地良く胃袋へと収まっていく感じが素晴らしく、箸の勢いは止まらない具材のチャーシューは部位違いで二種類盛り付けてあり、先に鶏ムネ肉の低温調理から食べてみる。小ぶりながらも分厚くカットされているので食べ応えもあり、下味も浸みているので満足感が高い。一方のチャーシューは、豚のウチモモ肉と思われる赤身中心の部位で仕込まれていた。スパイスや香草を利かせたソミュール液が低温調理のサポートをして、豚肉本来の持ち味を引き出しながら下味の役目も果たしている。舌触りも良く歯応えもある見事な仕上がりを見せる両者だった。スープだけではなく具材として貝類も入っていたが、今回はムール貝を使われていた。ぷっくらとした茹で加減は素晴らしく食感は良かったのだが、旨みの点では乏しく感じ苦味の方が勝ってしまっていた。これがハマグリならば評価も変わるだろうが、値段も変わった事だろう。うずらの味玉は卵自体の味が濃いので小さいながらも存在感はあるが、醤油系に使われている鶏卵の味玉と比べると寂しさが残る。薬味陣も多彩なラインナップで華やかさを添えている。玉ねぎアッシェは切り口の美しさが見事で、そこから生まれる甘みと辛みがバランス良くアクセントとなっている。塩系には定番となっている三つ葉は、少し量が多すぎて香りを強く主張しすぎていた。大葉や菊花も添えてあり見た目の清涼感や美しさは魅せているが、味わいの点では大きな影響力はなかった。中盤からもスープと麺の組み合わせが絶妙で食べ進めて、気が付けば丼の底が見えていた。丼を両手で傾けてスープを飲み干す際に、転がり込んできた黄柚子の皮の清涼感で締めくくった一杯でした。
衣替え=アカスリがサウナでできるのを知りました。一度だけ海外で経験がありますがまたやってみたいですね。 こちら以前も拝見しBMしておりました。「白樺色のスープ」色は想像つきます。ムール貝はビジュアル的なのでしょう。そう、蛤とホンビノスの見た目と味の違いはわかりますか?
ベキさん、こんにちは。ハマグリとホンビノスは殻があれば一目瞭然で判別できますね。身は産地によっては色合いが似てるものもありますが、大抵なら見分けられます。海外のアカスリって雑ですよねw
〝しくじりオヤジの嘆き節〟
昨晩は衣替えをしようと思い西麻布のサウナに向かったのだが、まさかの水道トラブルでフラれてしまった。衣替えというのは三ヶ月に一度の〝アカスリ〟の事で、それを施術してもらうのは西麻布と決めているのだ。しかし水が出ないのでは仕方なく、諦めて笹塚のサウナへとタクシーで向かった。
笹塚の施設にもアカスリはあるのだが、何故か他で受けると肌の仕上がりが違うのだ。西麻布のサウナのアカスリは、まさに〝肌が合う〟のである。なのでアカスリの予定は変更して通常のサウナルーティンをこなした後は、お楽しみの食事処で名物〝笹塚チャーシュー〟をつまみながら生ビールを呑んで翌日の計画を練った。
行きたい新店も浮かんでこずに悩んでいると、以前初訪問してから益々人気が急上昇となっているコチラの事が頭に浮かんだ。前回の印象が良かったので、今回は違うスープに挑戦してみよと再訪を決意して寝床に入った。
翌朝は軽めの2セットで汗を流すと、午前9時にはチェックアウトして笹塚駅に向かった。京王線の高幡不動駅から多摩モノレールに乗り換えると、数分で最寄りの万願寺駅に降り立った。約8ヶ月ぶりになるが、店への道順は覚えていたので迷う事なく3分程で店先に着いた。久しぶりに来たが人気の高さは噂通りで、定刻の30分前の現着だったが三番手だった。店頭に置かれた丸椅子に座り、オープンを待つ間に壁に貼られた小さなメニューから品定めをしておく。前回は基本の醤油系にしたので今回は塩系に挑もうと思ったが、ラインナップが増えていて悩んでしまう。しかし大きな冒険をする勇気はなく、保守的な塩系に心を決めた。
オープン前からすでにえんじ色の暖簾が掛けられており、立て札だけが準備中となっている。そんな店先で待っていると前回の冬の訪問時よりも行列の延びが早く、続々と並びが増えていく。それを察したのか店主さんが 20分も前に早開けしてくれて、あまり待つ事なく入店となった。
店内に入ると入口右手の券売機の中から決めておいたボタンを見つけ、今回もハイエンドの「上中華」を発券した。順序に従いカウンターの左奥から三番目に腰を下ろして、久しぶりの店内を見渡してみる。独特な厨房内の様子や客席に変わった点は見られないが、明らかな空気感の違いが伝わってきた。
それは店主さんの醸し出す雰囲気の違いで、前回は強面で無言のままに調理する姿が印象に残っている。しかし本日は地元の常連客が増えたようで、調理に入る前には笑い声を交えた会話をしていた。それだけ地元に愛される人気店となり、気持ちにゆとりが出来たのだろうか。
早開けでも準備が整うと、ワンオペの静寂の中で 1st ロットの調理が始まった。以前ほどの緊張感は無くなったが、それでも凛とした空気が張り詰めているのが心地良い。無音の客席には調理場内で流れるラジオから「夜空ノムコウ」が聴こえてくる。セルフのお冷で喉を潤しながら「厨房ノムコウ」を眺めていると、着席して8分の 3rd ロットにて我が杯が到着した。またオープン直後のワンロット1杯の調理に戻されたようだ。回転率よりも質の高さにこだわる店主さんの思いが、すべてに感じられる。
そんな思いが詰まったラーメンの姿は白磁の切立丼の中で、華やかな世界を見せていた。ビジュアル志向のラーメンは得意ではないが、全てに意味があると信じてレンゲを手にした。
まずは白樺色のスープをひとくち。表層には薄手ながらも香味油が張り巡らされていて、その中には黄柚子の皮が浮かんで見える。その中から純粋なスープだけをレンゲに注いで口元まで運んでみると、穏やかながらも貝類の香りが鼻先をくすぐった。〝貝出汁=高塩分〟の構図が頭を過ぎるが、こちらの貝出汁ならばと安心して口に含んでみた。すると塩気よりも旨みの強い出汁感が口に広がり、瞬く間に口内にシーパラダイスの景色が広がった。あらゆる魚介の旨みを感じられるが塩気は最小限に抑えてあり、高級料亭の吸地を味わったような気持ちになる。ついコクを油分に頼りたくなる設計図だが香味油も抑えてあり、真っ向勝負の出汁感で挑んでくる。その挑戦に食べ手としても正面から向き合うつもりで麺へと進んだ。
麺上げまでは50秒と湯切りの10秒を含めたトータル60秒の麺を持ち上げてみると、30センチと長めに切り出しされた中細ストレート麺が現れた。その箸先には細身ながらも強いハリを感じ、切刃のエッジが鋭い眼光で睨みつけてくるようだ。そんな麺を迷う事なく一気にすすり上げると、見た目の印象通りにシャープな口当たりで滑り込んできた。前回の醤油の時には感じられなかった、コシの強さも加わっていると感じる。茹で時間に変更はないようなので気のせいかもしれないが、明らかに今回の麺の方が好みに近づいていた。麺に長さがあるので、すする回数が必然的に増えると、スープの香味も伴ってくるので飽きがこない。喉越しも心地良く胃袋へと収まっていく感じが素晴らしく、箸の勢いは止まらない
具材のチャーシューは部位違いで二種類盛り付けてあり、先に鶏ムネ肉の低温調理から食べてみる。小ぶりながらも分厚くカットされているので食べ応えもあり、下味も浸みているので満足感が高い。一方のチャーシューは、豚のウチモモ肉と思われる赤身中心の部位で仕込まれていた。スパイスや香草を利かせたソミュール液が低温調理のサポートをして、豚肉本来の持ち味を引き出しながら下味の役目も果たしている。舌触りも良く歯応えもある見事な仕上がりを見せる両者だった。
スープだけではなく具材として貝類も入っていたが、今回はムール貝を使われていた。ぷっくらとした茹で加減は素晴らしく食感は良かったのだが、旨みの点では乏しく感じ苦味の方が勝ってしまっていた。これがハマグリならば評価も変わるだろうが、値段も変わった事だろう。
うずらの味玉は卵自体の味が濃いので小さいながらも存在感はあるが、醤油系に使われている鶏卵の味玉と比べると寂しさが残る。
薬味陣も多彩なラインナップで華やかさを添えている。玉ねぎアッシェは切り口の美しさが見事で、そこから生まれる甘みと辛みがバランス良くアクセントとなっている。塩系には定番となっている三つ葉は、少し量が多すぎて香りを強く主張しすぎていた。大葉や菊花も添えてあり見た目の清涼感や美しさは魅せているが、味わいの点では大きな影響力はなかった。
中盤からもスープと麺の組み合わせが絶妙で食べ進めて、気が付けば丼の底が見えていた。丼を両手で傾けてスープを飲み干す際に、転がり込んできた黄柚子の皮の清涼感で締めくくった一杯でした。