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「近江塩鶏麺+焼・焼き豚丼」@天下ご麺 浜大津店の写真滋賀は大津にて所用。しかも昼夜共にラーメン屋に行く機会がある。と、そんな日の夜に訪れたのがここ「天下ご麺 浜大津店」。京都 天下ご麺には既に訪問済みだが、こちらは初めてである。
入店し、出入り口の側にある券売機で食券を購入。その後席に着きつつも店内を見やり、思いのほか洒落た空間であることに気付く。照明が落とされたウッドテイストのインテリアであり、まるで隠れ家的なダイニングバーのよう。店外のガチンコ云々と書かれた幟(のぼり)が無ければなおのこと良いのにと思わされるほどだ。


注文したのは「近江塩鶏麺」と「焼・焼き豚丼」。
近江塩鶏麺(思わず「鶏塩麺」といってしまいそうだが、「塩鶏麺」が正解)は基本及び看板メニューの
ラーメンと思しきものだから良いとして、焼・焼き豚丼とは何だろう。
チャーシュー丼に目がない私を引きつけるネーミングである。

程なくして、ラーメンが到着。
私の撮影技術の乏しさとその自覚の乏しさ、室内照明の暗さにより写真ではわかりにくいが、
なかなか美しいビジュアルのラーメンである。

・スープ

一口二口と啜った時点で、思わず瞳孔を開いてしまうような想定外の「旨みの連なり」を感受する。
「美味いぞ!」
心の中で驚嘆の声を上げてしまった。
しかし連なっているのは旨みだけではない気もする。
以下、じっくり見ていくこととする。

まずは出汁。感受し易かったのは、鶏の旨みと魚介感だ。
「鶏の旨み」…とはいっても、動物系出汁はおそらく鶏単独ではないだろう。
鶏の「周囲」には豚骨(ゲンコツだろうか)の香ばしさが仄かに漂っているように思える。
また、出汁ではないが、後述する香味油もまた「鶏感」を増強させていそうだ。
ともかくこの鶏中心のテイストが、抑制が利いていて落ち着いた大人を想起させるような
静謐で確かな旨みを感受させる。
一方の魚介感。美味い「中華そば」のそれのような、複数の食材が融和して一つとなった
優しく滋味深いテイストを形成している。
節や煮干し、ホタテのような海産系の乾物、昆布といったところだろうか。
まるで穏やかな気質を持つ者同士が対等な関係にあるような仲が良いグループのよう。
その中で一番感知しやすいのは昆布のテイスト。
主張するというよりは魅力的な人柄(旨み)がおのずと滲み出ているような、和み系の味わいだ。

静かでいてその実濃密な鶏中心の動物系出汁、そして他の魚介類に大いに支えられた穏やかな昆布が
やや目立つ魚介系出汁。
元々親和性の高そうな両者が無理なく共存し、しかも活きているのは、カドの無いまろやかな塩ダレが
彼らを包み込んでいるからだろう。
このタレは塩ラーメンに一定以上の塩辛さを求める人には不向きだと思われる。
いわゆる「パンチ」のあるタイプではない。
しかし決して強く濃く煮出されているとはいえない動物系及び魚介系出汁の旨みを感じるにあたっては、
これぐらいが適度な塩加減なのかもしれない。
まあよくよく味わってみれば、それなりに塩分濃度が濃いことに気付かされるのだが。

さて。
ここまで語っておいて何だが、このスープを私がこれまで食した塩ラーメンのそれと差別化し、
別様の美味さがあると思い至らしめている最大の要因は、出汁でもタレでもない。
それは香味油にある。
とはいえ、この香味油に一体何が用いられているのかを私は存じ上げない。
想像するに、先ほど述べた「鶏感」には油の香りも起因していそうな気がする故、鶏油が用いられているとは思う。
それに加え、タマネギか何か他のネギの油の、香ばしくも甘い芳香を強く感じる。
つまり「鶏油+ネギ油」といったところではないか(わからないが、ここではそういうことにしておこう)。
この香ばしくも甘い香りの芳しさときたらもう…、魅惑的なまでに甘美だ。

結局のところ、合わせ香味油の「甘い芳香」が初めの一口二口で、出汁とタレの「甘くない旨み」と同時に
味蕾と嗅神経を刺激したのである。
私が感じたのは「旨みの連なり」という以上に、「旨みも連なりと香りの連なり、そしてそのアンサンブル」だったのだ。

・麺

中細のストレート。
啜り心地や喉越しが良好であり、ほのかな小麦感も美味い。
面白いと感じたのは、そのテクスチャー及び食感。
しっとりとしていてなおかつたおやかで、何だか女性の身体イメージのような繊細さを持つのである。
上手く形容できないが、結構気に入ってしまった。
佐野実氏が関わる麺は、概ねこんな麺が多いのだろうか。

・具

鶏のチャーシューに首肉、白髪ネギ、小松菜の茎、メンマ、短冊状の海苔、味玉、焦がしネギ等。
え~とっ…、ごめんなさい。
スープと麺、そして後述する焼・焼き豚丼に夢中だったせいで、実は具のことはあまり覚えていない。
鶏のチャーシューと首肉は特別な旨みを有していないように感じたが不満も抱かせなかったこと、
そして味玉の黄身の部分がちょうど良い加減の醤油感を加味されていたことぐらいだろうか。
…ここはいずれ加筆修正せねば。

・焼・焼き豚丼

早い話が、炙りチャーシュー丼であった。
否。どちらかといえば「焦がしチャーシュー丼」といったネーミングの方が相応しく思えなくもない。

その構成は、焦がしチャーシューがネギや海苔などと共に白飯の上にあしらわれているといったところ。
醤油ダレもご飯にしっかりとかけられている。

一口ないし二口辺りの量を多くしたり、三口、四口と連続で食すとその香ばしさが「苦味」だと
感じられ、やや辛いテイスト。
しかし一口ないし二口辺りの量を適量にし、さらに甘い香りを放つラーメンのスープと交互に食せば、
その苦味が「ハードな香ばしさ」と感じられる。
ラーメンとの良いワン・ツーパンチとなっていて、互いを補うばかりか高めあっている。
ラーメンの麺と具を食べ終えた後はこのチャーシュー丼に比重を置き、スープと交互に食す
快楽に浸ることができる。

・最後に

甘い芳香と甘くない確かな旨みのアンサンブルが特徴的なスープ、
そしてたおやかでしっとりとした麺が美味い近江塩鶏麺。
香ばしさと苦味のハードなテイストが印象的な焼・焼き豚丼。
今回はラーメン単独ではなく、この組み合わせを推したい。
まだ未食であり興味を持たれた方には、是非お試し頂きたい。
また、その折には「スープと交互に」をお忘れなく。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

poly-heteroさん、こんばんは。
ガチンコ云々・・・・「佐野らーめん」ではなく「佐野さん系?」のお店だったんですね。
新横のラー博に入っている「支那そばや」のらーめんはもちろんの事、その中でも特に麺が好きでした。
見た目の形状的には、「よくありそうなタイプ?」と思ってしまいますが、食べてみると違うんですよねぇ。
スープも透明度がスゴイですね。
煮干しや節系だけではなく、貝類の旨みが効いたスープも好みな感じで美味しそぉっ!

こま | 2009年3月6日 16:55

こまさん コメントありがとうございます

「佐野ラーメン」というご当地ラーメンがあることを初めて知りました…。
また、私は「支那そばや」未訪のため、「近江塩鶏麺」とどの程度似通っているのか想像がつきませんが、
どうやら麺は似たものか同じものを用いられているようですね。
こまさんも大津に行くことがあれば、是非どうぞ。

poly-hetero | 2009年3月6日 23:11