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「肉そば(650円)」@自家製麺 伊藤の写真厳冬の角館に手打ち伊藤を訪ねる。深い雪に包まれた角館に突如現れたラーメン桃源郷も23年目を迎えた。

秋田に来ています。大雪です。

ということで、秋田市に入る前に角館で途中下車。現在公開中の2軒の武家屋敷を見て、武家屋敷内でスイーツを食べ、伊藤でラーメンを食べる。この日の午前中の計画です。我孫子を6時に出発して角館に着いたのが午前10時。この雪の中で10分しか遅れなかったのはありがたいことです。途中の田沢湖当たりからは人の身長ほどもある積雪を見て、徐々に気分が盛り上がっていきます。今年は昨年夏の猛暑の反動でしょうか。島根から始まった猛烈な雪は未だ衰えを知りません。

角館駅で降ります。同じ列車に乗っていた観光客らしき人は10人前後。空気は冷たく、細かな雪が降っています。一面の雪景色。ええど、ええど。事前に電話をしておいた駅前にある観光協会の建屋に寄って、観光のポイントを伝授してもらいます。武家屋敷には歩いて行けるのか、途中でタクシーを呼んでもらえるのか、手打ち伊藤は今日営業するのか。まあ、どんなわがままなこともこの観光協会の二人の女性は何でもかなえてくれますね。プロだと思いました。

伊藤さんに電話をしてくれて、今日は11時15分前後にお店を開けることを教えてもらいました。武家屋敷を堪能し、タクシーで伊藤に着いたのが12時20分。あれほどどかどか降っていた雪も小雪に変わり、風情ある景色の中に写真で見慣れた手打ち伊藤がありました。おそるおそる雪道を進みお店の入り口の戸を開けます。お店には看板も何の目印もありませんが、店の外に流れてくる煮干の匂いが何よりの印です。

この空間ですね。来たかった。入り口から見て右手にストーブが置かれていて、左手にカウンター席があります。2人の男が黙々とラーメンをすすっていました。ほほう、超大盛りですね。スープがなくなって油そば状態になってます。気配を察したのか、曇ガラス戸を開けて、店主の伊藤さんが店に出て来ました。

挨拶をして注文をすると食券を買うように指示されます。ストーブに気に取られていて券売機の横を通ってきたのに気がつきませんでした。Bさんは、そば(500円)、自分は肉そば(650円)。食券を店主に渡します。どこから来たの?千葉からです。東北人のステレオタイプ、職人のステレオタイプを感じる寡黙そうな印象の店主が話しかけて来ました。これが伏線となり、その後会話させていただきました。

店主はガラス戸の向こうの厨房に消えて調理を開始したようです。調理中の姿は誰にも見せません。ガラス戸がちょっとでも開いていると丁寧に閉めなおすくらいです。隣の男どもも完食して店を出て行きました。店内にはBさんと自分の二人だけ。角館の観光用ポスター以外に装飾のない店内で光るものは、化学調味料無添加、と素朴な手書きで書かれた張り紙だけ。う~~ん、ラーメン道場かラーメン修行場に来たような錯覚に。ガラス戸を開けて店主がラーメンを持ってきたのは、厨房に消えてから5分後でした。

これかあ。食べたい、と思ってから既に数年。ずっと思い続けてきたラーメンです。透明な醤油スープは醤油色が薄くてうまさのオーラを感じます。どんぶりに鼻を近づけるとさすがに煮干の匂いが立ち上がってきますが、決して誇張した使い方をしているわけではないことに気がつきます。出汁をとるひとつの材料としての煮干、そんな感じです。ざっくり切ったねぎの匂いの方がむしろ新鮮です。裏で切ったばかりなんでしょうか。

麺は思ったよりも太くて断面丸のストレート麺。麺がどんぶりの中で踊ってます。これは、鶯谷の遊で最初に麺を見たときの印象と同じです。チャーシューは、薄くスライスされた小型のロース肉が4枚ほど。スープの中には煮込まれたタマネギの小片が多数。

さ、見て惚れ込んでばかりいないで、食べましょう。ずっしりと重いどんぶりを持ち上げてスープをいただきます。ふ~~う、うめ~。魚だしのスープのお手本という感じで、でしゃばらずひっこまずの魚の味、魚のエキスの抽出は日本有数の名手であることは誰も認めるところでしょう。塩分もちょうどいい。鶏出汁がコクを与え、魚が風味を出す、そんな図式通りのラーメンですね。欲張りにスープを大盛りにすることなく、与えられた分量でいかに楽しむかを考えた方が楽しい。本当にうまいねえ。当然飲み干しました。脂分はほとんど感じません。

麺の食感はぼっきぼっきでさくさく。茹ではかためで、麺の特質を十分出しています。これ以上茹ではだめ。以下もだめ。小麦の風味を感じるできばえのいい麺で、このスープにはこの麺以外考えられない、と思うほど相性の良さを感じます。うまい麺です。大盛りにしたくなる気持ち、分かります。100円で買える追加の幸せ。

甥っこさんにラーメンの作り方教えたんですか?

そうだよ。赤羽にいったことあるの?

赤羽はまだ行ってませんが、鶯谷には何回か行きました。

あそことは、麺が違うだろ。

その通りで、太さは全く違いますが、麺の性質や麺の種類でいったら同じだと思いました。強靭な針金のようなスプリング感がある麺で、口の中で踊りだす強い麺です。それがいい風味といい味をしているんですから、どれだけうまいことか。

肉は小型のロース。当然うまいチャーシューでしたが、ない方が良かったかな。なにしろスープと麺が断然うまいので、チャーシューに頼る必要はなし。バランスからも食べるリズムからも、次回はなしでいこう。葱はしびれるうまさ。

ひとつのドラマが終わったあとのむなしさはなく、満足感だけがいつまでも残りました。またこの空間に戻ってくることでしょう。そう思いながら新幹線に乗り込むためにお店をあとにしました。

投稿 | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

おひさしぶりでございます。
『伊藤』と聞くと鶯谷の有名店を思い起こしてしまいますが、東北でもこんな一杯あるんですね。秋田はめったに行きませんが、次回秋田訪問時は是非視界に入れたいと思います。

土建屋@まさ | 2011年1月23日 02:32

こんちゃ

いきなり秋田ですねーw

秋田県は未踏の地です。

秋田に行ったら絶対行きたいお店です!参考になりましたー

たっくん | 2011年1月23日 08:56

土建屋@まさ さん

ごぶさたしてます。
この伊藤が、王子の伊藤のお兄さん。伊藤の発祥ら~です。
王子の伊藤の息子が鶯谷に遊をオープン。遊の弟が赤羽の
伊藤です。
で、甥っ子にも教えたんですか?
そうだよ、っていう会話になるわけで。省略しすぎでした。
是非伊藤の発祥ら~をお試しアレ。

行列 | 2011年1月23日 18:38

たっくん

こんちゃ。
福岡遠征オツカレちゃんです。
旅先では禁ら~解禁と決めていますので、すみません。
やっぱり筋が通った店主でした。うまいよ。

行列 | 2011年1月23日 18:40