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2020年10月9日の大崎裕史の今日の一杯

東京都世田谷区駒沢大学

【限定】「せたが屋」二十周年 ザ・ラーメン

「せたが屋」二十周年 ザ・ラーメン(10/8ー10/11)1000円

2000年10月「せたが屋」オープン。飲食業で創業から10年続くのが1割程度、20年続くのは数%と言われている。そんな中、ラーメン激選区の世田谷区環七沿いで移転もせずに20年続いたというのは画期的なこと。その間には路駐取り締まり強化など、街道沿いラーメン店には逆風だったにも関わらず、幾多の壁を乗り越えてきた。

この20年の間には、大活躍により「ミスターラーメン」と呼ばれたり、日本ラーメン協会創業から理事として業界を支え、理事長としても6年の長きにわたり、業界貢献。店舗やブランドを増やし、海外へも進出。山あり谷ありの20年。そんないろいろな想いをこの一杯に感謝の気持ちを込めて、創り上げた。

材料は下記の通りだが驚くのは「せたが屋」とは切っても切り離せない「魚」が使われていないこと。(味玉の味付けに煮干しを少々使っているだけ)それが前島流「ネクストステージ宣言」なのだろう。

動画インタビューで「前島さんにとって『せたが屋』とは?」という質問に対して、「よくそういう質問されるんですけど、ちゃんと答えられたことがないんですよ。ということはまだ答えが出ていない。つまり、その答えを見つけるためにやり続けているんじゃないかな。」とカッコいい返答。

さて、前置きが長くなったが今回の「20周年 ザ・ラーメン」、前記したように「せたが屋」のトレードマークでもある「魚」を封印し、今、前島さんが気に入っている全国の食材を利用。出身地である高知の食材もある。これらを使い、「20年の感謝をラーメンで表現するのはかなり難しいですが、私が厨房に立ち、真心を持ってご提供致します。ラーメンは奇をてらわずに食材を絞り込み、素材の特徴が伝わるシンプルなラーメンに仕上げました。」という通りにトレンドを追ったものや変化球ではない。魚を使っていない分、「せたが屋らしさ」は弱いが、ド直球王道の醤油ラーメン。まさに「ザ・ラーメン」であった。千円以上のこだわりや食材を感じられる一杯。バランスにこだわり、今の気持ち=真心を感じさせる仕上がりになっている。

8日〜11日まで昼夜各100食限定。正直、今日は初日だし、雨降りだし、そんなには並ばないんじゃないかと思い、それでも17時20分頃(40分前)に行ってみたら5番目。開店時にはちょっと数えられないくらい(50人くらい?)並んでいた。駅からも近くなく、駐車場も少ないこの場所にこんなに多くの人が集まるなんて、さすがミスターラーメン。土日は大変なことになりそう。

スープ:国産豚肉(オリーブ豚、他)、はちきん地鶏(高知)
麺:夏黄金(宮城:市場に出回っていない希少な粉)を使用した自家製麺(22番)
かえし:ヤマロク醤油(小豆島)、三州三河みりん(愛知)
チャーシュー:望来豚(北海道:バラ煮豚・肩ロース焼豚)
味玉:土佐ジロー(高知)※煮干し味付け(唯一の魚系)
ねぎ:やわ肌ねぎ(新潟)

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。