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2023年1月28日の大崎裕史の今日の一杯

東京都世田谷区下北沢

ラーチャン+バンジー

1964年創業だから60年近い老舗。訪問は5-6回目。下北沢の食べ物の歴史を語る上では外せない名店。演劇や音楽の街・下北沢にあるので若い頃の松重豊や甲本ヒロトなど有名人が多く働いていたことでも有名。最近では小沢健二が2018年に発表した「アルペジオ (きっと魔法のトンネルの先)」の歌詞にも登場するほど。また、とんねるずの「汚シュラン」で認定されたこともある。自分で「世界で3番目にうまい」と主張しており、1番目は「あなたのおふくろの味」、2番目は「オヤジのスネの味」、そして3番目が「珉亭のソバの味」となっている(笑)。

メニューでは、ラーメンに自家製キムチ(辣白菜)を入れた「江戸っ子ラーメン」や、紅い「チャーハン」、あるいは手羽先を甘辛く煮込んだ「バンジー」などがよく紹介される。今回私が頼んだのは「ラーチャン」935円で、来店者の半分近くが頼んでいる。半チャーハン+半ラーメンのセットメニューのこと。よくある「半チャンラーメン」はラーメン+半チャーハンだが、ここではどちらも半分になる。ただし、チャーハンの量は普通くらいある。どちらか一方を普通の量にするには100円プラスでできるので大食漢はそれがいいかも。

この「ラーチャン」という言葉は、ここでのオリジナルだが、実は新潟でも一つの文化として「ラーチャン」が存在しており、これはラーメン+半チャーハンである。元祖は「食堂衆楽」(新潟市中央区)らしい。拡げたのは「味みつ」(新潟市西区)じゃないかなぁ〜。
都内では「半チャンラーメン」として広まり、新潟では「ラーチャン」として広まった。そして「珉亭」では「ラーチャン」。こういうのはなんだか面白い。

半ラーメンのスープは鶏ガラのあっさり。麺はかなり柔らかい。町中華の普通のラーメン。
そして紅いチャーハンはチャーシューの食紅の色らしいが、チャーハンに入れるチャーシューから染み出ているとしたら、まばらになるはずだが、ほぼ万遍なく紅くなっている。厨房内をよく見ると駒切れにしたチャーシューを食紅で煮込んでいた。普通、チャーシューの周りに食紅が付いて淵が紅くなっているのはあるが、ここではチャーハン用のチャーシューをあえて食紅で煮込んでいたのだ。そりゃ、紅くなるな〜。

そして「バンジー」だが、660円。大量に作っているのだろう。最初から冷たい。冷菜として売っている。箸だと食べ難いので、両手をベトベトにして食べた(笑)。

平日の12時過ぎだったが、1階も2階もほぼ満席。2階は座敷で有名人のサインを見るには2階へ行くべし。昼時とは言え、60席くらいが満席になるのはスゴい。

お店データ

江戸っ子ラーメン 珉亭

江戸っ子ラーメン 珉亭

東京都世田谷区北沢2-8-8(下北沢)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。