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2017年11月22日の大崎裕史の今日の一杯

神奈川県横浜市港北区新横浜

【限定】鯛だし新麦塩らぁ麺

いろんな食材をラーメンに使ってきた「支那そばや」。昨今、一つのトレンドでもある「鯛」だが、実はまだ使ったことがなかったという。それが今回、限定メニューで初めて使用。それが「鯛だし新麦塩らぁ麺」1100円。10日から発売されていたのだがなかなか都合付かずにようやく行くことができた。(12月3日まで。一日あたりの数量限定は無し)

佐野実さんだったらやらなかったこと、やれなかったことが新体制でどんどんできているような気がする。しかもそれが佐野さんの名前や歴史を濁すことではなく、むしろ「その意志」を継いでしかも佐野さんがちゃんと味見をしてチェックしてるんじゃないかというハイクオリティで提供。最近の「支那そばや」の限定は素晴らしい。

今回はW主役と言っていいと思うが「鯛」と「麺」がポイント。
山形県庄内沖であがった真鯛と小鯛の焼き干しで丁寧に出汁を取ったスープ。
麺は北海道産の「新麦」(春よ恋)をブレンドしたもの。
麺とスープの丼にはほうれん草と角切りのねぎのみ。このネギもいい仕事をしている。
錫製の別皿(すずがみ)には、鯛のあぶり、昆布の佃煮、ゆず大根、銀杏、むかご、にんじんの素揚げが付いてくる。味変的要素ではないので途中で加えるというよりは箸休めであろう。

通常、ラーメンを食べる際に私の場合、まずはスープを2−3口飲み、それから麺に移る。しかし、今回は4−5口飲んでもなかなか麺に行かなかった。「うわぁ〜うまい〜」という感動に浸ってレンゲが止まらなかったのだ。
そして麺。これも素晴らしい。「鯛」とW主役を張れるくらいだから秀逸である。

私は人より多くラーメンを食べているが実は「そのラーメンの80%」くらいしか堪能できていないのではないかと思うことがある。その理由はせっかちだから。待ってるお客様に早く席を譲りたい、という気持ちと麺を伸ばしたくない、という気持ちもあり、さっさと食べ終えることにしている。しかし、「ラーメンは変化のある食べ物」である。「一杯の丼」で完結(今回のように別皿だったり、つけ麺の場合もあるが)しているが、時間の経過とともに味が変化していく、面白い食べ物である。
スープは温度変化によって味わいが変わってくる。麺も時間が経つにつれてスープを吸って味や食感が変わる。そして今回は「ゆっくり食べてみよう」と思った。じっくり味わいたいのと麺とスープのコラボ(Wキャストの饗宴)を楽しみたかったから。

別皿のトッピングなどでうまく時間を取りながら食べ、いつもよりもゆっくりたっぷりと楽しんだ。予想通りに味も変化し、スープも麺も後半でもおいしく楽しめた。特に鯛のスープを吸った麺がいい。そして最後は3個目のゆず大根で口内をさっぱりとさせて終了。実に満足のいくひとときだった。

お店データ

支那そばや 新横浜ラーメン博物館店

支那そばや 新横浜ラーメン博物館店

神奈川県横浜市港北区新横浜2-14-21 新横浜ラーメン博物館B1F(新横浜)

このお店の他の一杯

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。