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2025年5月9日の大崎裕史の今日の一杯

東京都目黒区自由が丘

澄みそば(800円)+しおにぼしoilそば(1000円)

今年の2月頃から発売開始をした「澄みそば」。3月頃に行ってみようかと「X」をチェックしたら、店主が足を大ケガしたとのこと。しばらく休業があり、その後、頑張って店を開けてはいたが足のケガのせいでメニューを絞ったり、ケガをした身体でできるメニューを出したり、お子様の体調で臨時休業があったり、といろいろ大変そうだった。身体あってのラーメン作りなので、お大事にしてください。こまめに「X」を見ていたら「明日、澄みそば出します」という告知があったので4月の初めに行ってきた。投稿が今頃になったのは、「まだしばらく定期的には出せそうにないです」とのことだったので様子を見ていたらGWを過ぎてしまった、という次第。最近は出せてるみたいなのでそろそろ投稿します。
「澄みそば」は2年くらいの開発期間をかけてようやく完成した作品。最近のラーメン店では食材などの蘊蓄を書いて「事前情報」という調味料込みで食べるケースが増えている。こちらは食材の蘊蓄と言うよりは、“その商品の想い”が熱く語られている。これはありそうでなかった“調味料”。私ごときがレビューするよりも、この“想い”を全文載せた方が伝わるのではないか、と載せておきます。
『澄みきった汁の中に様々な天然素材の旨味や香りを抽出。煮干しをはじめとする溢れでる旨味達が手を取り合い丼の中の澄みきった汁がしなやかに伸びやかに全身を泳いでいくような一杯を目指しました。』
『澄みそばを食べたときに「ラーメンってやっぱりおいしいね〜」とお子さんから年配の皆さんのらーめん愛の入口になったり、たくさんのらーめんを食べ歩いてきた玄人の皆さんだからこそ「らーめんってこれだからいいよね〜」と出口に近い感覚だと思ってもらえたらいいなと願っております。もしも未来をタイムマシンで眺めにいくことができたら、おじいちゃんとおばあちゃんになった僕と奥さんが笑いながら皆さんに作ってる一杯って“澄みそば”なんじゃないかな〜なんて気がするんです。そんな未来への景色と想いだけでもお召しあがりいただけたら嬉しいです。』
出来上がりを待つ間に、これを読みながら「へぇ〜」と思いながら読み進め、できあがって食べてみると、ここに書かれていることを思い出しながら、「なるほど〜」と思える味わい。クリアなスープだから「澄みそば」という名前が付いているが、煮干しが効いて旨味もバッチリ。おじいちゃんやおばあちゃんに会いに何度も青森に行った際にいろいろ食べたラーメンがベースにはあるんだろうけど、津軽煮干しとはまた違ったオリジナルなラーメン。まさに他にはありそうでない「澄みそば」という味。実にいい。身体に染み入る感じで私も大好き。麺は細麺と極太麺の2種類入り。開店前から並んだので牛肉のサービスもありがたい。ネギやメンマの存在も大事。チャーシューもおいしい。
そして二杯目に「しおにぼしoilそば」を。今度は「連食ありがとうございます。」と言ってまた牛肉追加。嬉しいけど申し訳なさ過ぎるサービス。麺は細麺(伊藤の自家製パッツン麺)、太麺(丸山製麺の特注麺)、極太手打ち麺(自家製)の3種類MIX。3種類の塩とイタリア産オリーブオイルを使ってまとめあげた汁なし麺。これもうまいわ〜。他の油そばとは全然違うし、新ジャンルと言ってもいいくらい。よく考えてるし、考えつくもんだ。
次に来た時に何を食べるか、これは迷ってしまいそう。そうそう、前に来たとき(昨年秋)には1日限定メニューがあってそれを食べたんだった。「松茸」を使った4000円のラーメン。1日限定だったので書いても他の人は食べられないし、と思って書いてなかったがこれも素晴らしかった。お身体を大事にして、既存メニューはもちろん、新作や限定も楽しみにしております。

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。