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「中華そば ¥730」@中華そば 笑歩の写真平日 晴天 13:45 待ちなし 先客7名 後客6名

我慢しきれず再訪してしまった。一ヶ月くらい前の初訪問で受けた衝撃が忘れられず再訪を熱望していたが新規開発もしなくてはならず我慢に我慢を重ねていたがいよいよ限界が来てしまった。アクセスは乗換なしで良いのだが最寄り駅から少し離れているのが難点だ。

綱島駅に降りバスで向かう手段もあるが敢えて歩いて向かう。駅前の賑わいから少し離れると住宅街の中を進む。すると突然に時代を間違えたかのような街並みが現れる。古くからの木材店や老舗の精肉店、その間の雑居ビルの3階には卓球センターの窓看板の文字と古き良き時代を感じる。その一角に少しだけ洒落た佇まいのこちらがある。

お向かいのラーメン店の店頭には一人だが外待ち客がいるが偶然にもこちらはひと席だけ空席がありすぐに入店。予め決めておいたタイトルを発券し案内を待ってカウンターに着席。前回は味玉を追加し大満足だったので今回は特製にする事も考えだが夜の会食が早いため初期値のラーメンだけにした。

店内は煮干しだけでない香味に溢れ胃袋と脳までも刺激する。清潔感があり無垢な店内は若夫婦が営むこともあり高価な内装ではなく平米の単価は抑えられているがデザイン性も良くご夫妻のセンスが伝わってくる。

ワンロット2杯の提供なのでタイミングがずれるとしばらく待つ事となる。今回は着席は早かったがカウンターでの待機時間は15分ほどかかった。待ちに待った恋い焦がれた我が杯が目の前に到着した。撮影用に海苔をピックアップしてからパシャリ。

私だけかも知れないが絶対の安心感のあるタコ唐草模様の高台丼の中の姿は今っぽい内装の店内とは反して周囲の哀愁ある昭和っぽさと同じ顔立ちだ。

まずは柿茶色のスープをひとくち。前回よりも穏やかで優しい煮干し香が鼻に抜けていく。表立つ香りは魚介が担当して骨格となるスープは鷄や豚などの動物系が土台を作る。それをキレのある醤油ダレが全体を引き締める。そのカエシも旨味を甘みでごまかすことのない正統派。醤油の酸味を活かしたカエシは飽きることがない。

修行先と比較しては失礼だが比べてしまうのが人の性と言うものでつい比べてしまう。修行先のスープよりも繊細で雑味がない理由が今回わかった。それは独特の追い煮干しの方法だった。大羽いりこをそのままスープにくぐらせるのではなく細かく砕いた乾物類を出汁袋に詰めてからスープをくぐらせる事で余分な銀皮や節粉のザラつきを移さない様にひと手間かけてあった。この追い煮干しはどちらにしろ煮干しの使用回数によって香味に若干のムラが出るのが欠点だと思うが、今回は少なめの煮干し香だったのが私には合っていたのかも。

麺は唯一無二の自家製麺で胚芽色の全粒粉中細ストレート麺でとにかく美味い。スープの第一印象は煮干し香と書いたが実はそれと同じくらいに麺の小麦の香りが立ち上っていたのだ。スープをまとわずとも甘くうまい麺にスープの塩気が加わり喉元を過ぎて胃袋に収まっていく幸福感。更には喉ごしと共に特有の歯応えも兼ね備えている奇跡の麺だ。麺を麺で例えるのはおかしな話だが、その麺はロングパスタのフェデリーニのような食感だ。私の中ではもはやパスタを超えている。茹で加減も絶妙で前回に感じたかんすい臭も全く無かった。

初期値設定なので具材はシンプルながらボリュームは満点。焼豚は部位の違う二種類でしっかりとした赤身の旨味と漬けダレの芳醇さを楽しめる豚ロース焼豚と、とろりと解ける脂身と赤身の旨味がダブルで味わえる豚バラ焼豚。どちらからも丁寧な下処理がうかがえる。

長めの中太メンマも柔らかすぎずコリッとした歯切れをキッカケに縦の繊維が解けていく。発酵臭も残っていてフェイクなメンマとは桁違いの香りと味わい。

薬味の白ねぎも修行先よりも繊細で丁寧に仕事がしてありネギの甘みと辛味と食感の全てが詰まっている。大判の海苔も磯の香り高く歯応えがあるが口溶けも良い質の良さ。海苔は海苔屋が作るものだがこの海苔を選ぶあたりのセンスが内装のセンスと同じく素晴らしい。

スープ、麺、具材のひとつひとつに感じるのは静と動、陰と陽の相反するものが共存しているという事ではないだろうか。

修行先と比べてしまったが私にはこちらの方がもはや好みだった。味に関しては老舗の風格すら感じるが、そこに甘んじる事なく進化を続けているご夫妻の姿が神々しくすら見えた。採点には考慮してないがお二人の接客や細やかな心配りにも感動して席を後にした。

店の外に出ると辺りのノスタルジーと相まってほっこりとした気持ちになれた。〝笑歩〟と言う店名の由来にあるようにご夫妻の想いが私だけでなく、たくさんの方に伝わっていますよと教えてあげたくなる一杯でした。

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