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「味玉中華そば  ¥880」@白河手打中華そば  一番いちばんの写真平日 晴天 13:30 店内満席 外待ち1名 中待ち2名

本日は午前中に食べた二駅となりの相模原駅の清湯ラーメンからの連食となる。前回の町田行脚で見事に臨時休業でフラれた相手がこちらなのだ。相模原では連食の予定など無かったのだが帰りに町田駅での乗換の際にふと思い出し訪問を決めたのだ。

しかし前食から30分しか経っておらずロートルな胃袋に問いかけてみるが快い返事は返ってこない。それならばと天気にも恵まれた町田界隈を散策しながら胃袋の消化を手助けする。

二時間ほど駅周辺をぶらぶらしていると軟弱な胃袋に収納スペースが出来た。これで気力も体力も整ったところで目的地のこちらを目指す。前回で道順は把握しているので迷わずに店頭まで来られた。本日は茶色の暖簾がかかってあり並びの列も見えた。臨時休業を免れて安堵して列に続いた。

店先にも芳醇なスープの香りが漂う。店内の客層も都心の繁華街と違い落ち着いている。高齢者施設の充実した町田ならではだろうか将来の永住を考えてしまった。10分で中待ちを経てカウンターへ。すでに券売機で目的のお題は購入済みで着席と同時にカウンター上に食券を置いた。

店内はご夫妻の二人体制で厨房と客席共にゆったりと設計されている。厨房の奥には製麺室があり旧型の小野式製麺機 1型が置かれていてご主人が数ロット毎に製麺機で麺を切りに行っている。

もう一つの特徴は低い配置のガス台で小鍋でのスープの沸かし直しを担当する小柄な奥様への配慮だろうか。細かいながら大きな夫婦愛を感じた。ご主人が麺茹でから仕上げまでの工程を行うが、その最中にワンタンを包む作業をしていた。まさかのツーオーダーでのワンタン包みとは。追加してない事を悔やんだが仕方ないので次回の楽しみに残しておこう。

ミスチョイスを悔やんでいると着席して7分程で我が杯が到着した。白磁の反高台丼の中の姿は白河ラーメンの系譜を持つに恥じない姿。たたみかける圧倒感が眠っていた野性を揺り起こす。

まずは錆色のスープをひとくち。鶏ガラや豚ゲンコツのような動物系出汁の旨みを感じる前に少しだけ顔を見せたのが醤油の酸味だった。出汁や香味油の隙を縫って現れたのは生醤油ならではのフレッシュな酸味。それは直ぐに油分でかき消されたが存在は確認できた。醤油を前に打ち出したスープだが動物系出汁の旨みが覆い被さっているので初動ではバランス良く感じる。

次に切り立ての麺をいただく。実は私のロットの際に具材の焼豚が準備されておらず盛り付けの最中に麺がスープの中に残されたまま2分近くも焼豚待ちで放置されていたのだ。なので麺の体調を気づかいながら箸で持ち上げると心配なんてどこ吹く風と元気な様子が箸からも伝わってきた。箸の感覚通りにコシのある麺は力強くも伸びやかに手もみによる麺のひねりを活かして口の中を所せましと跳ね回る。まるで床運動の白井健三のようだ。

具材はスープのベースと同じ鶏肉と豚肉のミックスダブルス。皮目にかすかな薫香のついた鶏ムネチャーシューは厚みを持たせてカットしてあるがしっとりした食感が楽しめる。一方の豚肉の焼豚だが二枚添えられていていずれも外見や食感が違う。豚バラにはない赤身の旨さと豚肩ロースにはない脂身の甘味を持っていた。手間がかかるので敬遠されがちな豚ウデ肉なのかと思うくらい特異な焼豚だった。味は東北っぽい醤油を立たせた味付けで炒飯に入れても美味そうだった。

追加の味玉は強めのスープの中でも存在をアピールするようにしっかり目の下味だが黄身の甘さが塩気を中和して程よい仕上がり。

メンマは細くて薄手のタイプで麺に寄り添う相性は良いが食感としての存在感は今ひとつ。正直、いつ食べたのかも思い出せないほど。

薬味はラーメンとしては珍しくネギ類がなく青みに小松菜が添えてあるが出来れば焼豚と白ネギを一緒に食べてみたいと思った。海苔は平均的な品質で香りが秀でてる訳でもなく口溶けが良い訳でもないがあると嬉しい存在だ。中華丼のうずらの卵みたいに。

終盤になっても麺の強さは持続したままに食べ進めたが、スープの動物系油脂は麺に絡み胃袋に収まり液面からは消えてしまった。油分のコクを失ったスープは醤油ダレの独壇場と化し強い塩分の支配下となる。こうなるともはやリング上には私と塩分しか居ない闘いとなったが、この強い塩分に勝てる術はなくスープを残してゆっくりと箸とレンゲを置いた。

それでも私にとって不自然な旨味は感じず本日の秋空のように清々しく店を後にした。

関東圏のラーメンを食べていると冒険心に火がつき北上したくなるが、北へ向かうほど保存食の文化が色濃く残り塩分過多に悩まされるのも事実だ。今や手軽に東京近郊で地方のラーメンを楽しめる時代だが文化や生活環境が違う場所で本質を見極められるはずがないと思った。

都内では欲することのない味噌煮込みうどんやさつま揚げも現地に行けば、その土地の風土により自然と受け入れられる。そう思った時に白河ラーメンを語る前に行かなければならない店がある事を気付かされた一杯でした。

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