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平日 晴天 13:50 先客1名 後客1名〝蒲田行進曲 後編〟です。初上陸の蒲田を記念して連食のために行進しながら向かったのがこちらの店だ。午前中の前食は初蒲田で初家系と私にとっては派手な登場シーンを披露したのだが、味覚と脳は化学兵器の影響を受け機能が低下してしまった。そんな時にRDBの検索ワードに〝無化調〟を入れて蒲田駅近辺を捜索してみると先月オープンのこちらがヒットした。駅からは距離もあるが腹ごなしを兼ねて歩いて向かった。もちろんBGMは蒲田行進曲だ。駅からバス通りを進み、味のあるアーケード商店街を寄り道をしながら歩くこと30分くらいで突如として近代的な空間が現れた。それはアーケードと言う名のタイムトンネルを抜け出たような時空が歪められた錯覚に陥る。その空間の脇にたなびく真っ白な暖簾のこちらを見つけた。時間が遅いせいか客入りは少なくすんなり入店し券売機の前へ。絞り込まれたメニュー構成が勝負師の片鱗を見せ期待値が上がる。貝出汁耐性が乏しい私は迷う事なく基本の醤油系と味玉を発券しカウンターに腰を下ろす。真新しい店内を見渡すとワンオペ営業で簡素化された最新調理器とは縁遠い調理場が潔く好感が持てる。この時点でシンプルな正統派ラーメンを期待した。着席後すぐに始まった調理も派手さはないが堅実な動きで進み5分ほどで目の前に我が杯が到着した。大好きなタコ唐草の反高台丼の中の姿を覗き込もうとした時に真っ先に感じたのは今までのラーメンには感じた事のない香りだ。その正体は紛れもない魚醤の香りで隠し味どころではなく前面に押し出されている。ナンプラーなどの類は好きなのだが日本の醤油ラーメンから立ち昇る量としては計り間違いを疑ってしまった。臭いもの代表のくさやも好きなのだが、ひとくち口に入れるまでの勇気は毎回必要である。それにも似た勇気を振り絞って恐る恐る黒鳶色のスープをひとくち。やはり何とも言えない生臭さが味覚となって襲いかかる。魚醤に付随する塩気も徒党を組んで追い討ちをかける。液面に浮かんでいる煮干しの銀皮の風味はかき消され魚介系出汁の旨みを探し出すのにひと苦労する。魚介オンリーのスープには余計な脂分や非天然由来の旨味成分は感じないが魚醤のクセがすごい。ふたくち目以降は慣れてくるかと思ったがそうはいかず苦しめられる事になる。スープはひとまず断念して麺をいただく。茹で時間55秒で麺上げされた中細ストレート麺はハリとコシを残した低加水麺の持ち味を発揮させる茹で加減。ひとくち啜るとワシャワシャとした食感が持ち味だが、麺に染み付いた魚醤の香りが麺をすするたびに鼻腔を攻撃してくる。秋田のしょっつる鍋やバンコクのトムヤムクンを食べても最初のインパクトはあるが次第にクセが旨みに変わるものだが、今回のラーメンではクセがクセのままであり続ける。具材は低温調理の焼豚が二種類。鶏ムネ肉は厚切りながらの肉厚としっとりした食感が良く下味のソミュール液のスパイスも冴え万全の仕上がりのはずだが、スープの酸味の高さにつられて酸っぱい鶏肉を食べている感覚になってしまう。それでは美味しいものを美味しいと脳が判断できなくなる。一方の豚肩ロースの焼豚も厚切りだがスジが硬く残ってしまう上に噛み切ろうとする咀嚼の回数に比例してスープの生臭さが現れてくる。事実上、本来の焼豚の味は判断できなかった。追加した味玉だけはスープに毒されず素直な卵本来の味を感じるが、言い返せば味玉としては不完全とも言える。正直、ゆでたまごと何の変わりもなく思えた。沖縄料理のスクガラス豆腐を思わせる一匹の小羽いりこが添えてあり旨味も香りも残っているので出汁ガラではないようだがビジュアルの面白さだけで存在感はそれほど無い。薬味は青みとして水菜が添えてあり、それに隠れて三つ葉やミョウガのようなものが見てとれたが食べ進めているうちに味わう事なく消えてしまっていた。中盤からも魚醤のパワーは衰えを見せず主張をし続ける。さすがに独特の香りには慣れ始めたが、一辺倒な味にも飽き始めた。もしかしたらカエシの分量の手違いかもしれないが、せっかくの魚介の風味と旨味が溢れる出汁が届いて来なかったのは非常に残念だった。非天然由来の旨味成分に頼らない個性を魚醤に託したのであれば独自性としての表現ではあると思うが、タイトルの「出汁薫る醤油そば」を名乗るよりは「魚醤薫る醤油そば」の方がしっくりくると思う一杯でした。
〝蒲田行進曲 後編〟です。
初上陸の蒲田を記念して連食のために行進しながら向かったのがこちらの店だ。午前中の前食は初蒲田で初家系と私にとっては派手な登場シーンを披露したのだが、味覚と脳は化学兵器の影響を受け機能が低下してしまった。
そんな時にRDBの検索ワードに〝無化調〟を入れて蒲田駅近辺を捜索してみると先月オープンのこちらがヒットした。駅からは距離もあるが腹ごなしを兼ねて歩いて向かった。もちろんBGMは蒲田行進曲だ。
駅からバス通りを進み、味のあるアーケード商店街を寄り道をしながら歩くこと30分くらいで突如として近代的な空間が現れた。それはアーケードと言う名のタイムトンネルを抜け出たような時空が歪められた錯覚に陥る。その空間の脇にたなびく真っ白な暖簾のこちらを見つけた。時間が遅いせいか客入りは少なくすんなり入店し券売機の前へ。
絞り込まれたメニュー構成が勝負師の片鱗を見せ期待値が上がる。貝出汁耐性が乏しい私は迷う事なく基本の醤油系と味玉を発券しカウンターに腰を下ろす。真新しい店内を見渡すとワンオペ営業で簡素化された最新調理器とは縁遠い調理場が潔く好感が持てる。この時点でシンプルな正統派ラーメンを期待した。
着席後すぐに始まった調理も派手さはないが堅実な動きで進み5分ほどで目の前に我が杯が到着した。大好きなタコ唐草の反高台丼の中の姿を覗き込もうとした時に真っ先に感じたのは今までのラーメンには感じた事のない香りだ。その正体は紛れもない魚醤の香りで隠し味どころではなく前面に押し出されている。ナンプラーなどの類は好きなのだが日本の醤油ラーメンから立ち昇る量としては計り間違いを疑ってしまった。
臭いもの代表のくさやも好きなのだが、ひとくち口に入れるまでの勇気は毎回必要である。それにも似た勇気を振り絞って恐る恐る黒鳶色のスープをひとくち。やはり何とも言えない生臭さが味覚となって襲いかかる。魚醤に付随する塩気も徒党を組んで追い討ちをかける。液面に浮かんでいる煮干しの銀皮の風味はかき消され魚介系出汁の旨みを探し出すのにひと苦労する。魚介オンリーのスープには余計な脂分や非天然由来の旨味成分は感じないが魚醤のクセがすごい。ふたくち目以降は慣れてくるかと思ったがそうはいかず苦しめられる事になる。
スープはひとまず断念して麺をいただく。茹で時間55秒で麺上げされた中細ストレート麺はハリとコシを残した低加水麺の持ち味を発揮させる茹で加減。ひとくち啜るとワシャワシャとした食感が持ち味だが、麺に染み付いた魚醤の香りが麺をすするたびに鼻腔を攻撃してくる。秋田のしょっつる鍋やバンコクのトムヤムクンを食べても最初のインパクトはあるが次第にクセが旨みに変わるものだが、今回のラーメンではクセがクセのままであり続ける。
具材は低温調理の焼豚が二種類。鶏ムネ肉は厚切りながらの肉厚としっとりした食感が良く下味のソミュール液のスパイスも冴え万全の仕上がりのはずだが、スープの酸味の高さにつられて酸っぱい鶏肉を食べている感覚になってしまう。それでは美味しいものを美味しいと脳が判断できなくなる。一方の豚肩ロースの焼豚も厚切りだがスジが硬く残ってしまう上に噛み切ろうとする咀嚼の回数に比例してスープの生臭さが現れてくる。事実上、本来の焼豚の味は判断できなかった。
追加した味玉だけはスープに毒されず素直な卵本来の味を感じるが、言い返せば味玉としては不完全とも言える。正直、ゆでたまごと何の変わりもなく思えた。
沖縄料理のスクガラス豆腐を思わせる一匹の小羽いりこが添えてあり旨味も香りも残っているので出汁ガラではないようだがビジュアルの面白さだけで存在感はそれほど無い。
薬味は青みとして水菜が添えてあり、それに隠れて三つ葉やミョウガのようなものが見てとれたが食べ進めているうちに味わう事なく消えてしまっていた。
中盤からも魚醤のパワーは衰えを見せず主張をし続ける。さすがに独特の香りには慣れ始めたが、一辺倒な味にも飽き始めた。もしかしたらカエシの分量の手違いかもしれないが、せっかくの魚介の風味と旨味が溢れる出汁が届いて来なかったのは非常に残念だった。非天然由来の旨味成分に頼らない個性を魚醤に託したのであれば独自性としての表現ではあると思うが、タイトルの「出汁薫る醤油そば」を名乗るよりは「魚醤薫る醤油そば」の方がしっくりくると思う一杯でした。