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「必道そば ¥750+サービス味玉」@麺屋 必道の写真平日 晴天 17:20 待ちなし 後待ち10名

クリスマスムードが溢れる渋谷の街を背に本日も平成最後の歳末総決算として

〝今年の店は今年のうちに〟

と言うことで今年オープンした店で未訪問店を誰もが忙しいと言われる師走の年内にどれだけ多く廻れるかを実行中である。課題店も含め候補の店は山ほどある。そんな中で都会のクリスマスの喧騒から離れたくて自宅から遠く移動手段も少ないこちらへの初訪問に挑戦しようと決めた。

今年の11月2日オープンのこちらへのアクセスは困難を極めそうだが、もうひとつの大きな目的と合わせて遂行しようと腹をくくり午後2時半にお泊まりセットをバッグに詰めて家を出た。ひとまずは銀座線で上野駅に向かった。

夜の部の開店前の現着の為にはJR常磐線 上野駅 15:30発【特急 ときわ 67号 勝田行】に乗車すれば間に合いそうだ。難解なダンジョンのような上野駅構内を進み無事に目的の電車に乗れた。土浦駅まで所要時間44分の車内で恒例の缶ビールを開けひとまず落ち着く。移動中にメニューの予習もしたかったが、土浦駅からのルートを調べるのに必死でそれどころではなく駅に着いた。ようやく第一関門は突破した気になった。

この先はバスで30分以上かけての移動だがバスの本数が少なく乗り遅れたら取り返しのつかない事になってしまうので知らない駅のバス停を必死で探す。想像していたのは八王子などのビッグターミナルだったが土浦駅西口のバスターミナルは初心者にも優しい大きさでスムーズに目的地行きの関東バス 土浦駅 16:35発【筑波山口行】に乗ることが出来た。これで第二関門もクリアした。

バスに揺られながら43のバス停を通過して最寄りの北条内町バス停に着いた。もうすでに辺りは真っ暗でナビだけが頼りだ。街灯ひとつない道をナビを信じて進むと暗いながらも稲刈り後の藁の香りが新鮮な気分にしてくれる。普段は感じられない自然を浴びながらさらに進むと大きな通り沿いに大きな看板を見つけた。遠くからも店内には明かりがついているのが分かり臨休などの最悪の事態は無さそうだ。

開店前の現着一番乗りで店頭の外待ちベンチで開店を待つ。定刻の少し前に店内の照明が明るくなった。中の様子をうかがうと店内はまるで龍宮城のような艶やかな装いで乙姫様でも居そうな雰囲気だ。

定刻になり真っ白な暖簾が掛かりオープン。すると中から本当に乙姫様が現れた。それはホール担当の女性スタッフだが玉手箱まで手渡してくれた。その玉手箱と言うのは開店前に並んだ先頭三名までに渡されるサービスチケットなのだ。そのチケットには味玉か大盛りが無料と記してあった。先に券売機で基本と思われるお題だけを発券し好物の味玉はサービスでいただこうと思い浮島のようなコの字のカウンターに座る。

乙姫様に食券とチケットを手渡し味玉をお願いすると快い返事が返ってきた。テーブル席が多い広い店内を三人体制で回している。開店と同時にテーブル席は満席となり乙姫様のオーダーを通す声が活気をみせる。少し冷え込むカウンターで待つこと5分で我が杯が到着した。その姿は胴が朱色の口縁には雷紋のクラシカルな切立丼の中で懐かしい表情で迎えてくれる。昔ながらのではあるが古臭さは感じない時代を超えた新たなスタイルだ。

まずはスープをひとくち。鶏ガラベースに魚介を合わせたスープに香味油として使われているのはラードのような動物系の香りがする。オーソドックスな中華そばと思われるが、尖った不自然な旨味は微かに感じるだけで過度ではない。カエシの塩分も控えてあり飲みやすく仕上げてある。醤油ダレにコクを求めずにキレのある酸味を上手く引き出しているのが飲みやすい理由かと。

店先に置かれた小麦粉の袋から自家製麺と思われる中太ストレート麺は必食の価値あり。切り刃の角を感じながらも高めの加水率でパンパンに膨れ上がった麺肌は今にもはち切れそうだ。箸で持ち上げてもハリとコシの強さが伝わってくる。これだけで麺の食感は想像できたが実際に口に運ぶと想像の遥か上を超えてきた。シルクのような口当たりと低反発マットレスのような歯応えで喉ごしはベルベットのように上品だ。しかもどれもが特級品の最高ランクなのが驚く。この麺を食べた時点で〝昔ながらの〟なんて言葉は不必要となった。

具材は部位も製法も違う焼豚が二枚。先に脂身の少ない豚肩ロースを食べてみると釜焼き製法ならではの薫香が品良く香る。故意に付けた香りとは違うナチュラル感がある。厚めにカットされても肉質は柔らかいが赤身の繊維質の良い所は残してある。もう一枚は得意ではない豚バラの煮豚型だが、これまた必食の焼豚だ。最近は脂身をトロトロにすれば良しとされる風潮があるが、こちらは違った。とろけるでは無く噛みしめる脂身を実現している。かと言って硬い訳ではなく噛むたびに少しずつ溶けていく感覚なのだ。あまり他にない食感なので表しきれないが間違いなく旨い焼豚だ。脂身ばかり褒めているが赤身の良さがあればこそのコンビネーションだ。豚バラ肉は両者を活かしてこそプロの仕事と言うものだ。

メンマはコンセプトを外さないように穂先メンマや極太は用いず王道の細メンマで勝負する。しっかりした胡麻油が香る味付けも忠実に再現してある。微かに感じる唐辛子の辛味と歯切れの良い食感をアクセントに脇役として大活躍をみせる。

薬味もトラディショナルを守り白い茎の部分を合わせた太めの青ねぎを刻み、茹でたほうれん草で青みを与え、海苔からは磯の風味を。そしてナルトからは不自然な旨味を。残念だったのは薬味の質の悪さが目立ったこと。青ねぎは良かったが、ほうれん草は業務用で海苔は香りも無く口溶けも悪い劣化品。ナルトは食べなければ良いのでコメントなし。

最後にはスープもメンマからの辛味や色んな副産物によって少し険しい表情になってきたので飲み干せずにレンゲを置いて龍宮城を後にした。

帰りのバスの時刻だけはちゃんと調べておいたので余裕を持ってバス停に向かったがサービスの玉手箱を開けたせいで時が経っていないかと心配をしながら歩いていく途中にも先ほどの麺と豚バラ焼豚の旨さを思い出していた。

なかなか遠い場所なので再訪までは時間がかかるかも知れないが機会があればまた食べてみたいラーメンだった。これでひとつの目的のは完了したが出発時に考えたもうひとつの計画を遂行する為に自宅には戻らず宿敵の松戸駅に向かう事にした一杯でした。

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