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「味玉醤油そば ¥870」@中華そば 二階堂の写真平日 晴天 13:00 先客8名 後客4名

現在は神田小川町にて国産小麦アンテナショップでの一食目を終えて交差点近くのカフェで連食先の作戦を練っている最中だ。午後の所用のため神田近辺が望ましくRDBに向き合う。

大学やオフィスが立ち並ぶこの界隈は若者から中年を越え高齢者にまで対応できる、様々なジャンルのラーメン店が存在している。そんな中で候補の店を絞り込めない時に私にとっては有効的な方法で検索してみる。

〝初訪問〟〝無化調〟〝清湯醤油系〟の三大ワードに当てはまる店となると格段に少なくなってくる。そんな絞られた候補の中に挙がってきたのがこちらだった。お店情報を見るとレビュー件数の割にレビューユーザー数が少ない。という事はリピート率が高いという事でもあり、初訪問への期待が高まる。

一食目の消化を促すために神保町にて古書めぐりを二時間ほどしていると連食スペースが空いてきたのを機に少し離れているが、さらに腹を減らすために歩いて向かった。靖国通りから専大通りを進むと、ビルに囲まれた時代に取り残されたような一帯が出現する。その一角に見過ごしてしまいそうな昔ながらの赤のれんが掛かるこちらがあった。

行列はないが店内をガラス越しに見ると満席のようだ。だが食券先買い制の貼り紙があるのでひとまずは店内の券売機の前へ。季節限定メニューも並んでいるが、初志貫徹で醤油系に味玉だけを追加して発券した。店外にもどって待機しようとしたタイミングで二人客が食事を終えて席を立った。運良く寒い思いをせずにすんなり着席できた。しかしこの後には外待ちまで出来ていたのでラッキーだった。決して広くないカウンターの後ろの通路に中待ちさせてくれるなどゲストファーストな店の姿勢も素晴らしく心も温まる。

夜はバー営業をしていそうな店内をカウンターから眺めてみる。女性ひとりでも入りやすそうな洒落た店内を三人体制で回している。それを表すように本日の客層は、これぞまさに老若男女と言った顔ぶれだ。平日の昼時なので子供こそいないが、近所の若いOLさんや高役職と思われるダンディな紳士までと幅広い。平日のオフィス街に不似合いな客人は私くらいだった。

着席後の二巡目のロットにて10分程で我が杯が到着した。受け皿の上の赤巻き反高台丼の中の姿はシンプルだが息を呑むほどに美しく凛としている。気高きその表情からは食べずとも美味いのが溢れているようだ。

まずは願いどおりに清く澄んだスープをひとくち。丸鶏特有の黄色みを帯びた鶏油がまぶしく輝くスープをレンゲですくうと、フワッと醤油が香る。丸鶏主体のスープにありがちな強い個性や鶏油のコクは抑えてある。液面を覆っている油分を感じることなく鶏出汁の旨みが主役を務めている。その背後には昆布や干し椎茸のような凝縮した旨みが見え隠れする。カエシも香りは醤油感が出ているが塩分としては控えてあるので、喉を刺すような刺激もなく舌の上を転がる。もちろん無化調ならではの無駄な旨味もなく自然な甘みが優しく響く。

続いて麺をいただく。今回は基本のストレート細麺にしたのだが、手揉み平打ち麺に変更も可能とあるので手揉みブームが押し寄せている私には苦渋の選択だった。今回の麺は少し太めの中細ストレート麺で麺上げまでは60秒ほど。箸先からも軽めの麺質が伝わってくる。やや低めの加水率と思われる麺を口に運ぶと、粗めの麺肌がスープを持ち上げて一緒に飛び込んでくる。口に入ると硬めの茹で加減が麺のハリを強調し口内を暴れまわる。わんぱく坊主な麺を奥歯で押し潰すとモッサリとした今まであまり経験のない食べ応えで自己表現する。これ以上ワサワサしていると粉っぽくなりそうだが、しっかりとグルテンを生み出しているので粘りもあって歯切れも良い独自のオリジナリティがある。自家製麺ではないようだがクセのない個性を表現している麺に気が付けば夢中になっていた。

具材は見事なロゼカラーを発色する豚肩ロースのレアチャーシュー。それほど大ぶりではないが存在感は十分ある。スープが熱く熱変化しやすいので食べるタイミングには注意が必要だ。早めの段階で食べてみたが低温調理が好ましく思っていない私でも旨いと思える焼豚だった。下味の浸み込みの良さと抜群の温度管理による生っぽさを全く感じない仕上がりは見た目以上に見事だと思った。下処理のスジ切りも良く、スジが口に残ることなく食べ終えた。

追加した味玉はネットリとした黄身がギリギリで流れ出さない熟成度は出ていた。硬くなりがちな白身の部分も柔らかく仕上がっており調理技術の高さが出ている。全体のバランスを考えての薄味なのだとは思うが少し物足りなさも感じてしまったのも本音だ。

極太メンマは優等生的な存在で、硬めの食感と適度な味付けは、この店を代表するようなメンマではなかった。前食のメンマにも感じたが、最近よく口にするこのタイプのメンマの一定の出来映えからは業務用メンマに思えてしまう。ただ、こちらのメンマはそれよりも薄い味付けに感じたので一仕事が足されてあるのかもしれない。

薬味は刻み白ねぎがレアチャーシューの下で加熱から守るように盛られていた。細かな気づかいだが、その白ねぎのおかげで随分と加熱の進行が遅れていると思う。風味以外でも脇役に徹する存在はこのラーメンには欠かせないだろう。

青み担当の三つ葉は葉先に近い部分だけを長めに添えてあった。この長さにも作り手のこだわりが受け取れた。最近流行りの鶏清湯スープの薬味としては無くてはならない存在になりつつある三つ葉だが、大抵の場合は葉先の部分はそのまま彩りとして添えてある。残った香りの強い茎の部分は細かく刻んで、より香りを出しているのでラーメン全体に影響を与えすぎて脇役が出しゃばり過ぎる場合が多い。スープを飲むたびに押し寄せる三つ葉の香りは邪魔になりがちだ。しかしこちらの添え方ならば三つ葉を噛んだ瞬間だけは香草ならではのアクセントを付けてくれるが、後には残らず消えていく。最後にスープを飲み干す際も、出汁の旨みだけを確かめながら終焉を迎えることが出来る。

今回もそのように満足のままに全てを平らげた。二時間半は空けたとしても連食だったが箸は止まることがなかった。私の狭い趣向の中では的中率の低い店探しなのだが、今回は美味しいと思えるラーメンに出会えた。隣客が食べていたイリコそばの手揉み麺も旨そうで、あのスープならばニボ耐性の弱い私にも食べられそうな気がした。普段はあまり来る事のない九段下だが近いうちに再訪するであろうと確信した一杯でした。

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