レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
平日 晴天 20:30 先客2名 後客2名今夜は荻窪に宿をとった。それは明日のラーメンの為だけに。自宅からでも余裕で間に合うのだが気合を入れるには前泊が必要だと思いホテルを予約した。気合が必要というのも、昨年末にオープンしたそちらは皆さんの評価も高く、開店前からの行列が大変スゴイとのレビューが多数あるので、かなり早めの先着を目指すためには前泊もやむを得ない状況と判断した。そこで今夜は宿泊先のある荻窪駅周辺で、禁断の夜ラー候補を探してみる。この界隈は昼間には訪れた事はあるが、夜となると初心者も同然で全く地の利がない。そんな不安の中で検索を続けていると荻窪駅からは少し離れているが歩いて行けそうなこちらがヒットした。お店情報を見ると、本日は営業日のようで閉店までも時間があったので初訪問を決めた。北口から青梅街道沿いを歩いて行くと15分程で、ぼんやりと明るい立て看板に映る青い地球を見つけた。これが店名のCIQUEの所以だと初めて知った。店名が理解できたところで手作り感のあふれた外観の扉を開けて店内に入る。券売機の前に立つと迷いが生じた。醤油系を求めていたのだが、そこには濃厚白湯Wスープの文字があった。夜ラーを控えている身としては避けなければならない文字だ。予習時のRDBでは、火曜日限定の塩ラーメンとなっていたが本日もラインナップにある。しかも清湯の二文字が中年ゴコロをくすぐる。その上、試作中らしいが好物の雲呑麺までも用意されていては悩まずにはいられない。店主さんから見ても怪しいほどに迷った結果、罪悪感の少ない清湯塩系に味玉だけを追加した。券売機前での葛藤が嘘のようにすました表情でカウンターに座り店内を見回す。店内待ちのスペースを多く設けた広々としたカウンターだけの6席を店主さんひとりで切り盛りする。外観同様にアーティスティックな内装が印象的。視覚ではアート作品が目を引くが、聴覚には心地よい耳さばきのモダンジャズが響いてくる。ふと音のする方へと目をやると、SANSUI社製の格子スピーカが四台も設置してあった。となればアンプも気になるが残念ながら見つけられなかった。そうこうしているうちに着席して4分程で我が杯が到着した。あまり見かけない有田焼の白釉変形丼の中の姿は、器の個性に反して穏やかな表情で、まとまりがあるように映った。見慣れない具材もあるが女性的な繊細な要素が随所に見てとれる。まずは粒子の大きさが揃った木蘭色のスープをひとくち。レンゲですくったスープが口元に近づいてくる程に、野菜由来の甘さにも似た香りが強くなってくる。それを口に含むと鶏ベースの出汁がしっかりと基礎を作っている。強烈なガツンとした丸鶏のようなコクは無いので鶏ガラを丁寧に炊いたスープだろうか。厨房のガス台にはスープ炊き用の大型圧力鍋もあるが、これは鶏白湯を炊くための鍋だろう。こちらのスープは通常の寸胴鍋で沸騰させないようにエキスだけを鶏ガラから抽出したものに思える。そこに地味ながら煮干しの旨みや鰹節の旨みも加わり厚みを増している。香りに感じた野菜の甘みもスープに出ているが、不必要な謎の旨味成分も底上げ用ではあるが舌に感じる。カエシは塩よりも白醤油の風味が強く、塩気もしっかりと利かせてある。麺上げまで80秒の細麺は少しだけ縮れて、麺肌には全粒粉のフスマが斑点となって表れている。透明感のある麺を、七寸の短い割り箸で持ち上げると、軽やかにしなだれかかる柔らかさが伝わってくる。その麺を啜ってみると、緩やかなウェーブが口先をくすぐりながら滑り込んでくる。スープの強気な塩気や旨味にも負けないくらいに小麦の香りが鼻の奥へと抜ける。この啜り心地の良さがファンを魅了しているのだろう。具材は豚肩ロースの煮豚型でホロホロと崩れるような食感が特徴的。赤身本来の旨みは抜け出しているので煮汁の旨さで食べるタイプの焼豚で好みとは違っていた。味付けも食感も出過ぎることなく麺に寄り添っているので脇役的な存在に思えた。追加した白味玉は醤油味の黒味玉との二択でも迷ったが、清湯塩系に合いそうな塩味を選んだので、しょうがないと思うが、これまた好みとはかけ離れた味玉だった。塩味の浸透が効いているので玉子全体の甘みを引き出してはいたのは事実だが、半熟すぎる下茹でから噛むと黄身が流れ出してしまい、せっかくのクリアなスープを汚してしまった。次回は熟成の進んだ醤油味の味玉を食べてみたいと思った。メンマは麺との相性を考えられた細切りメンマで高品質完全発酵の乾燥メンマ。小気味好い歯応えと発酵臭がアクセントとなり麺との食べ合わせが面白い。単体でもよし、麺と食べてもよしのナイスメンマ。ラーメンには珍しい具材としてのお麩もスープをたっぷりと含んだ時に食べてみると不思議と合っていると思えた。薬味は丁寧な仕事が見える白ねぎの小口切りが添えてあるが、辛味が活きてスープに香りを与えて、麺との絡みも良く細切りの良さが発揮されている。青みのほうれん草も少しの苦味を主張しながらアクセントを付ける。十字10切の海苔は香りが乏しく質が高いとは言いがたい海苔だった。スープの不自然な旨味が舌に残り飲み干すことは出来なかったが、麺との具材は完食していた。全ての具材たちが麺に寄り添うような設計図には感心する点が多かった。今回は私には強すぎる旨味が邪魔をしてレンゲを置いたが、研究熱心でラーメン愛にあふれたご主人の渾身のラーメンである事は十分に感じた一杯でした。
今夜は荻窪に宿をとった。それは明日のラーメンの為だけに。自宅からでも余裕で間に合うのだが気合を入れるには前泊が必要だと思いホテルを予約した。
気合が必要というのも、昨年末にオープンしたそちらは皆さんの評価も高く、開店前からの行列が大変スゴイとのレビューが多数あるので、かなり早めの先着を目指すためには前泊もやむを得ない状況と判断した。
そこで今夜は宿泊先のある荻窪駅周辺で、禁断の夜ラー候補を探してみる。この界隈は昼間には訪れた事はあるが、夜となると初心者も同然で全く地の利がない。そんな不安の中で検索を続けていると荻窪駅からは少し離れているが歩いて行けそうなこちらがヒットした。お店情報を見ると、本日は営業日のようで閉店までも時間があったので初訪問を決めた。
北口から青梅街道沿いを歩いて行くと15分程で、ぼんやりと明るい立て看板に映る青い地球を見つけた。これが店名のCIQUEの所以だと初めて知った。店名が理解できたところで手作り感のあふれた外観の扉を開けて店内に入る。
券売機の前に立つと迷いが生じた。醤油系を求めていたのだが、そこには濃厚白湯Wスープの文字があった。夜ラーを控えている身としては避けなければならない文字だ。予習時のRDBでは、火曜日限定の塩ラーメンとなっていたが本日もラインナップにある。しかも清湯の二文字が中年ゴコロをくすぐる。その上、試作中らしいが好物の雲呑麺までも用意されていては悩まずにはいられない。店主さんから見ても怪しいほどに迷った結果、罪悪感の少ない清湯塩系に味玉だけを追加した。
券売機前での葛藤が嘘のようにすました表情でカウンターに座り店内を見回す。店内待ちのスペースを多く設けた広々としたカウンターだけの6席を店主さんひとりで切り盛りする。外観同様にアーティスティックな内装が印象的。視覚ではアート作品が目を引くが、聴覚には心地よい耳さばきのモダンジャズが響いてくる。ふと音のする方へと目をやると、SANSUI社製の格子スピーカが四台も設置してあった。となればアンプも気になるが残念ながら見つけられなかった。
そうこうしているうちに着席して4分程で我が杯が到着した。あまり見かけない有田焼の白釉変形丼の中の姿は、器の個性に反して穏やかな表情で、まとまりがあるように映った。見慣れない具材もあるが女性的な繊細な要素が随所に見てとれる。
まずは粒子の大きさが揃った木蘭色のスープをひとくち。レンゲですくったスープが口元に近づいてくる程に、野菜由来の甘さにも似た香りが強くなってくる。それを口に含むと鶏ベースの出汁がしっかりと基礎を作っている。強烈なガツンとした丸鶏のようなコクは無いので鶏ガラを丁寧に炊いたスープだろうか。厨房のガス台にはスープ炊き用の大型圧力鍋もあるが、これは鶏白湯を炊くための鍋だろう。こちらのスープは通常の寸胴鍋で沸騰させないようにエキスだけを鶏ガラから抽出したものに思える。そこに地味ながら煮干しの旨みや鰹節の旨みも加わり厚みを増している。香りに感じた野菜の甘みもスープに出ているが、不必要な謎の旨味成分も底上げ用ではあるが舌に感じる。カエシは塩よりも白醤油の風味が強く、塩気もしっかりと利かせてある。
麺上げまで80秒の細麺は少しだけ縮れて、麺肌には全粒粉のフスマが斑点となって表れている。透明感のある麺を、七寸の短い割り箸で持ち上げると、軽やかにしなだれかかる柔らかさが伝わってくる。その麺を啜ってみると、緩やかなウェーブが口先をくすぐりながら滑り込んでくる。スープの強気な塩気や旨味にも負けないくらいに小麦の香りが鼻の奥へと抜ける。この啜り心地の良さがファンを魅了しているのだろう。
具材は豚肩ロースの煮豚型でホロホロと崩れるような食感が特徴的。赤身本来の旨みは抜け出しているので煮汁の旨さで食べるタイプの焼豚で好みとは違っていた。味付けも食感も出過ぎることなく麺に寄り添っているので脇役的な存在に思えた。
追加した白味玉は醤油味の黒味玉との二択でも迷ったが、清湯塩系に合いそうな塩味を選んだので、しょうがないと思うが、これまた好みとはかけ離れた味玉だった。塩味の浸透が効いているので玉子全体の甘みを引き出してはいたのは事実だが、半熟すぎる下茹でから噛むと黄身が流れ出してしまい、せっかくのクリアなスープを汚してしまった。次回は熟成の進んだ醤油味の味玉を食べてみたいと思った。
メンマは麺との相性を考えられた細切りメンマで高品質完全発酵の乾燥メンマ。小気味好い歯応えと発酵臭がアクセントとなり麺との食べ合わせが面白い。単体でもよし、麺と食べてもよしのナイスメンマ。ラーメンには珍しい具材としてのお麩もスープをたっぷりと含んだ時に食べてみると不思議と合っていると思えた。
薬味は丁寧な仕事が見える白ねぎの小口切りが添えてあるが、辛味が活きてスープに香りを与えて、麺との絡みも良く細切りの良さが発揮されている。青みのほうれん草も少しの苦味を主張しながらアクセントを付ける。十字10切の海苔は香りが乏しく質が高いとは言いがたい海苔だった。
スープの不自然な旨味が舌に残り飲み干すことは出来なかったが、麺との具材は完食していた。全ての具材たちが麺に寄り添うような設計図には感心する点が多かった。今回は私には強すぎる旨味が邪魔をしてレンゲを置いたが、研究熱心でラーメン愛にあふれたご主人の渾身のラーメンである事は十分に感じた一杯でした。