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平日 晴天 15:20 先客2名以上 後客なし先週に開催した〝怒涛の味噌ウィーク〟の候補店に挙がりながらも、行く事が出来なかったのがコチラなのだ。それは自宅から歩いても行ける距離なので後回しにしてしまった点と、あまりの味噌ラーメンの連食で胃袋がラード疲れを起こしてしまったからだ。ようやく胃袋の調子も元に戻ったところで初訪問を決めた。怠惰な暮らしで目覚めると午後2時を過ぎていた。そんな時でも通し営業なのはありがたく、ゆっくりと支度をして家を出た。交通量の多い246を避けて南平台を抜けるルートで向かう。芸能人が多く住む超高級低層マンションを眺めながら坂を下ると目黒川が見えてきた。その先の青葉台一丁目交差点を越えて路地へと入るとビルの裏にたなびく茶色い幟旗が見えてきた。こんなところにといった感じのロケーションに見えるが、実は近所にはイタリアンの名店やうどんの人気店が軒を並べる隠れた穴場スポットなのだ。そんな立地に新しくオープンした店への入口は建物横の階段を上がった先の二階にある。ウッドデッキのアプローチにあるラーメン屋らしからぬ自宅のドアのような扉を開けると店が広がる。入店して券売機にてお目当てのお題に味玉を追加発券してカウンターに座る。店内を見渡すと一階と三階につながる階段が目に入った。上の三階からは賑やかな声が聞こえてくるので客席があるのだろう。階段を使っての配膳が大変だなと思っていたら、料理を上げる昇降機がちゃんとカウンター横に設置してあった。カウンターよりもテーブル席の方が多い店内を本日は四人体制で回している。雰囲気的には女子受けしそうな内装で、おじさんには居心地が良いとは言いがたい。調理工程は目の前の壁で全く見えないので音を頼りに想像してみる。すると不思議なことに〝あおり〟の音が聞こえてこない。味噌ラーメン独特の中華鍋の音やモヤシを炒める音がしないままに、着席して5分で我が杯が到着した。その姿は美濃焼の千段十草の高台丼の中で大判のチャーシューに覆い隠されていて正体が見えない。圧巻の迫力に押されそうになるが、茶色のグラデーションが美しい整った表情だ。まずは粒子の細やかなラードが浮いた丁子色の スープをひとくち。見た目にはオイル感が少なく見えるのはスープとラードが上手く乳化しているからだろうか。レンゲがスープに入る抵抗も少なくサラリとした印象だ。レンゲですくったスープからは味噌の香りが熱気と共に立ち昇っている。味噌の香りに洗脳されながらスープを口に含むと、香りはどは味噌が主張してこない。何よりも力強く感じるのは〝糀〟の香りだ。糀を感じるのは香りだけでなく、舌の上に残るザラつきも感じられる。きちんと乳化したまろやかなスープの中で糀の粒が残るのは不快ではないが不思議な食感だ。甘みを帯びたスープは甘酒のような糀の香りが特徴的。色彩は白味噌や麦味噌のように白っぽく見えるが、ウンチクでは大豆味噌となっている。その大豆味噌で、敢えて味噌玉を作らずに生味噌での調理にこだわっているようだ。たしかにスープからは焼いた味噌の香ばしさも感じられる。ベースには動物系の清湯スープが基盤を築き、魚介などの風味も足してある。かなり珍しい蔵出し味噌を堪能した後は麺をいただいてみる。麺はもちろん中太ちぢれ玉子麺。半透明の黄色い麺肌は味噌ラーメンにマッチする。麺上げまでジャスト120秒の硬めの茹で加減が箸で拾い上げただけで伝わってくる。この強面の麺を一気に啜ると、麺のウネリに伸縮性がないので唇の先で暴れ回る。結果としてカウンターにはスープが飛び散る事になる。紙エプロンが必要な麺肌だ。いざ口の中に入ってくると非常に滑らかで啜り心地が良い。啜った吸気にも糀の香りが寄り添っていて、味噌ラーメンというよりは糀ラーメンといった感じだ。ふた口目からはスープの拡散させないように啜らない方法で食べてみる。すると糀の香りは落ち着き、味噌全体の風味を感じるようになった。小麦の甘みと味噌の甘み、ラードなどの豚由来の甘みが一つになった甘さ主導の味噌ラーメンだ。それは砂糖のような角のある甘みではなく、自然なトゲのない甘みなので喉への刺激は少ない。具材は大判の豚肩ロース焼豚が圧倒的な存在感を見せる。見た目の肉質からはパサつきが心配になるほど乾いて見えるが、いざ噛んでみるとパサつき感など全くなく、むしろシットリとしている。完全に熱が通った筋繊維を柔らかく仕上げているのも、糀の力なのだろうか。糀漬けならではの繊維質の分解作業が行われているのが納得できる柔らかさだ。またその食感を活かすための厚切りにも技が利いている。味付けもスープに寄せてあり、一体感を生んでいる。追加した味玉にも糀を用いてあるが、焼豚ほどの利点は感じられない。たしかに柔らかく仕上がっているとは思うが味の浸み込みが薄いので、柔らかめの半熟たまごを食べているような印象しか残らない。メンマ代わりの山くらげは良い仕事をしている。乾燥メンマのような発酵臭こそないが、ゴリっと言うほどに引き締まって食感が楽しい。味の面では特筆する点はないがアクセント役としては最高のパフォーマンスだ。薬味は白ねぎを細かい笹切りで添えてある。彩りとして葉先の青い部分も混ぜてある。それとおろし生姜がたっぷりと焼豚の上に盛られていた。食べ始めは、どちらも持ち味を発揮せずに隠れている。しかし終盤にかけての自己主張の強さには驚かされた。私の中での味噌ラーメンに求めるのは正直言って食べ始めではなく、ラストの部分なのだ。丼の中には噛み切って短くなった麺や、ほぐし肉のようになった焼豚、クタクタになったモヤシや山くらげなどの具材と、白ねぎや生姜の薬味が渾身一体となって沈んでいる。この混ぜそばのような〝ごちゃ混ぜ感〟が醍醐味なのだ。この時の白ねぎの食感やおろし生姜の辛味を感じると味噌ラーメンの佳境を迎える。スープは飲み干せなかったが、満足でレンゲを置いた。この時には感じなかったのだが、ニンニクを使っているからだろうか食後6時間経っても後味の悪さが残っていた。味噌ラーメンを食べるとこの後味の悪さだけが苦手で仕方ない。やはり体質的に毎日食べるラーメンとはいかなそうだ。この界隈には私が好きな醤油系の名店があるので味噌系の登場はありがたい。これであと塩系があれば文句なしのエリアなのだが山手通り沿いには、なんとか流塩らーめんが二軒もあるので塩系が進出してくる事はないだろうかと、余計な妄想を繰り広げてしまった一杯でした。
先週に開催した〝怒涛の味噌ウィーク〟の候補店に挙がりながらも、行く事が出来なかったのがコチラなのだ。
それは自宅から歩いても行ける距離なので後回しにしてしまった点と、あまりの味噌ラーメンの連食で胃袋がラード疲れを起こしてしまったからだ。ようやく胃袋の調子も元に戻ったところで初訪問を決めた。
怠惰な暮らしで目覚めると午後2時を過ぎていた。そんな時でも通し営業なのはありがたく、ゆっくりと支度をして家を出た。交通量の多い246を避けて南平台を抜けるルートで向かう。芸能人が多く住む超高級低層マンションを眺めながら坂を下ると目黒川が見えてきた。その先の青葉台一丁目交差点を越えて路地へと入るとビルの裏にたなびく茶色い幟旗が見えてきた。
こんなところにといった感じのロケーションに見えるが、実は近所にはイタリアンの名店やうどんの人気店が軒を並べる隠れた穴場スポットなのだ。そんな立地に新しくオープンした店への入口は建物横の階段を上がった先の二階にある。ウッドデッキのアプローチにあるラーメン屋らしからぬ自宅のドアのような扉を開けると店が広がる。入店して券売機にてお目当てのお題に味玉を追加発券してカウンターに座る。
店内を見渡すと一階と三階につながる階段が目に入った。上の三階からは賑やかな声が聞こえてくるので客席があるのだろう。階段を使っての配膳が大変だなと思っていたら、料理を上げる昇降機がちゃんとカウンター横に設置してあった。カウンターよりもテーブル席の方が多い店内を本日は四人体制で回している。雰囲気的には女子受けしそうな内装で、おじさんには居心地が良いとは言いがたい。調理工程は目の前の壁で全く見えないので音を頼りに想像してみる。すると不思議なことに〝あおり〟の音が聞こえてこない。味噌ラーメン独特の中華鍋の音やモヤシを炒める音がしないままに、着席して5分で我が杯が到着した。
その姿は美濃焼の千段十草の高台丼の中で大判のチャーシューに覆い隠されていて正体が見えない。圧巻の迫力に押されそうになるが、茶色のグラデーションが美しい整った表情だ。
まずは粒子の細やかなラードが浮いた丁子色の スープをひとくち。見た目にはオイル感が少なく見えるのはスープとラードが上手く乳化しているからだろうか。レンゲがスープに入る抵抗も少なくサラリとした印象だ。レンゲですくったスープからは味噌の香りが熱気と共に立ち昇っている。味噌の香りに洗脳されながらスープを口に含むと、香りはどは味噌が主張してこない。何よりも力強く感じるのは〝糀〟の香りだ。糀を感じるのは香りだけでなく、舌の上に残るザラつきも感じられる。きちんと乳化したまろやかなスープの中で糀の粒が残るのは不快ではないが不思議な食感だ。甘みを帯びたスープは甘酒のような糀の香りが特徴的。色彩は白味噌や麦味噌のように白っぽく見えるが、ウンチクでは大豆味噌となっている。その大豆味噌で、敢えて味噌玉を作らずに生味噌での調理にこだわっているようだ。たしかにスープからは焼いた味噌の香ばしさも感じられる。ベースには動物系の清湯スープが基盤を築き、魚介などの風味も足してある。かなり珍しい蔵出し味噌を堪能した後は麺をいただいてみる。
麺はもちろん中太ちぢれ玉子麺。半透明の黄色い麺肌は味噌ラーメンにマッチする。麺上げまでジャスト120秒の硬めの茹で加減が箸で拾い上げただけで伝わってくる。この強面の麺を一気に啜ると、麺のウネリに伸縮性がないので唇の先で暴れ回る。結果としてカウンターにはスープが飛び散る事になる。紙エプロンが必要な麺肌だ。いざ口の中に入ってくると非常に滑らかで啜り心地が良い。啜った吸気にも糀の香りが寄り添っていて、味噌ラーメンというよりは糀ラーメンといった感じだ。ふた口目からはスープの拡散させないように啜らない方法で食べてみる。すると糀の香りは落ち着き、味噌全体の風味を感じるようになった。小麦の甘みと味噌の甘み、ラードなどの豚由来の甘みが一つになった甘さ主導の味噌ラーメンだ。それは砂糖のような角のある甘みではなく、自然なトゲのない甘みなので喉への刺激は少ない。
具材は大判の豚肩ロース焼豚が圧倒的な存在感を見せる。見た目の肉質からはパサつきが心配になるほど乾いて見えるが、いざ噛んでみるとパサつき感など全くなく、むしろシットリとしている。完全に熱が通った筋繊維を柔らかく仕上げているのも、糀の力なのだろうか。糀漬けならではの繊維質の分解作業が行われているのが納得できる柔らかさだ。またその食感を活かすための厚切りにも技が利いている。味付けもスープに寄せてあり、一体感を生んでいる。
追加した味玉にも糀を用いてあるが、焼豚ほどの利点は感じられない。たしかに柔らかく仕上がっているとは思うが味の浸み込みが薄いので、柔らかめの半熟たまごを食べているような印象しか残らない。
メンマ代わりの山くらげは良い仕事をしている。乾燥メンマのような発酵臭こそないが、ゴリっと言うほどに引き締まって食感が楽しい。味の面では特筆する点はないがアクセント役としては最高のパフォーマンスだ。
薬味は白ねぎを細かい笹切りで添えてある。彩りとして葉先の青い部分も混ぜてある。それとおろし生姜がたっぷりと焼豚の上に盛られていた。食べ始めは、どちらも持ち味を発揮せずに隠れている。しかし終盤にかけての自己主張の強さには驚かされた。
私の中での味噌ラーメンに求めるのは正直言って食べ始めではなく、ラストの部分なのだ。丼の中には噛み切って短くなった麺や、ほぐし肉のようになった焼豚、クタクタになったモヤシや山くらげなどの具材と、白ねぎや生姜の薬味が渾身一体となって沈んでいる。この混ぜそばのような〝ごちゃ混ぜ感〟が醍醐味なのだ。この時の白ねぎの食感やおろし生姜の辛味を感じると味噌ラーメンの佳境を迎える。
スープは飲み干せなかったが、満足でレンゲを置いた。この時には感じなかったのだが、ニンニクを使っているからだろうか食後6時間経っても後味の悪さが残っていた。味噌ラーメンを食べるとこの後味の悪さだけが苦手で仕方ない。やはり体質的に毎日食べるラーメンとはいかなそうだ。
この界隈には私が好きな醤油系の名店があるので味噌系の登場はありがたい。これであと塩系があれば文句なしのエリアなのだが山手通り沿いには、なんとか流塩らーめんが二軒もあるので塩系が進出してくる事はないだろうかと、余計な妄想を繰り広げてしまった一杯でした。