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「醤油そば ¥850+味玉 ¥100」@麺や 彩~iro~の写真平日 晴天 13:15 先客5名 後客3名

〝小江戸川越 二泊三日ラーメンめぐり〟

本日の二食目に選んだのがコチラだ。実は昨晩の「麺屋 誉」からの帰り道で店の前を通りがかった時に下調べはしておいたのだ。

その時にRDBによる川越市総合ランキング第2位に輝く人気店だという事を知った。お店情報では昼営業のみと訪問のハードルは高いが、川越滞在中ならばチャンスはあるだろうと訪問を望んでいたのだ。

そこで初訪問を決めたのだが、午前中の「田屋 本店」での一食目を食べ終えて川越駅まで戻ってくる手段が全くなく困ってしまった。田んぼの中の一本道なので流しのタクシーも走っておらず、仕方なしに一番近いと思われる南古谷駅まで30分以上かけて歩いて帰った。ヘトヘトになりながら埼京線を乗り継ぎ川越駅まで帰って来られた。いくら歩いたとはいえ、さすがに直ぐの連食とはいかず、駅前のカフェで予習をしながら時間をつぶす事にした。RDBの皆さんの写真を見るとラーメンに関しては保守派な私には受け入れられるか心配になるような派手なラーメンばかりが目立つ。しかし第2位の実績ならば、私の知らない新たな世界を見せてくれるかもと期待を胸に向かう事にした。

昨夜と同じ三番町通りを歩いて行くと5分程で昨日も見た店先の大きな看板が見えてきた。外待ちベンチには行列もなく店頭の写真付きメニューを見て最終決定を下す。筆頭には塩系がオススメされているが、マイスタンダードの醤油系のに味玉トッピングを選んだ。

入口のドア越しには店内の空席も見えるが、案内の注意書きに忠実にスタッフに声が掛けられるまで店外にて待機する。店の外観は日本家屋の三角屋根の下屋に愛知三河特産の赤い三州瓦が敷かれた和風テイスト。そんな軒下で待っているが、ちょうど調理のタイミングと重なったのだろうか中々案内がない。5分ほど待っていると中から奥さんだろう女性に案内されてようやく入店。店内の券売機で決めておいたお題を発券しカウンターに座り店内を物色する。

純和風の外観とは打って変わってモダンな洋風インテリア。女性客が多いのもうなずける店内を、ご夫婦だろうお二人で切り盛りされている。そんな女性受けしそうな店内なのだが、動物系の獣臭が漂っているのが気になる。仕込み場が独立していないので仕方なくはあるが、食べる前の気分としては良いものではない。しかし環境面は採点に考慮しないので気持ちを無にしてひたすら待つに徹する。

店内にはBGMが流れていないので、静寂の中にダクトの轟音だけが鳴り響いている。お二人のコンビネーションは抜群だがご自身のペースを守った調理工程なので、提供スピードは決して早くはないようだ。そんなペースを見守りながら待つこと着席して15分で我が杯が到着した。

その姿は白磁の切立丼の中でシンプルながらも意表を突いた表情で出迎えてくれた。ラーメンでは見慣れない具材や大判なチャーシューがそう思われる理由だろう。しかしスープからは美味そうな香りだけが立ち昇っているので、期待は高まる一方だ。

まずは非常に薄い香味油が浮かぶ紅鳶色のスープをひとくち。名古屋コーチンを謳っているのだが動物系の香りは穏やかだ。ラーメンの中よりも、やはり店内の獣臭の方が強いのが不思議で仕方ない。スープからは魚介系の中でも特に節系の香りが主導している。いざ口に含むと、その香りは地鶏由来や香味にシフトされた。地鶏特有の野性味は排除した清らかで穏やかな清湯醤油系だが、地鶏や旨味は存分に舌にアピールする。地鶏のクセを表現するのではなく旨みだけを抽出した鶏出汁に、沸騰させずに旨みを引き出した魚介出汁の旨味を重ねた派手さのないホッと落ち着くスープに仕上がっている。そんな品のあるスープに合わせるカエシもハッキリと輪郭だけは形作るが、余分な塩気は感じさせない組み合わせだ。醤油ダレの持つ酸味のキレや旨みのコクがバランスがよく配合されてある。また香味油控えてあるのも鶏油のコクでごまかしていない証しだと思う。

麺は中細ストレート麺で麺上げまでは40秒と早茹でタイプ。箸先からは早茹でならではのハリの強さを感じるが、果たして実際はどうなのだろうかと楽しみに口へと運んでみる。唇を通り過ぎる麺肌の感覚は、まだグルテンが溶け出していないので滑らかではないが切刃のエッジを感じられて心地よい。そんな強情そうな麺を噛んでみると、意外にも麺の中芯部には密度の濃いグルテンが詰まっていてモッチリと奥歯を跳ね返そうとする。そこから噛み切れるまでの歯茎への圧力もまた心地よい。得意でない低加水タイプの麺のはずが豊かな食感のおかげで印象がすごく良くなった。中盤からの更なる麺変わりに期待しながら具材に取り掛かる。

具材のセンターは、何と言っても大判で鎮座する豚肩ロースのレアチャーシューだ。美しく発色したロゼ色からは只ならぬ色気が溢れ出している。しかし巷のレアチャーシューには見た目ばかりの偽物レアチャーシューが蔓延っているので安心は出来ない。用心しながら食べてみると見た目の色彩と違って、きちんと調理温度と加熱時間が守られているので豚肉のタンパク質がしっかりと熱変化している。ゆえにレアではあるが半ナマではなく低温調理を熟知した本物のレアチャーシューだ。もちろん下味のソミュール液の浸透も素晴らしく、噛みしめるたびに赤身本来の旨みと下味の旨さが同時に押し寄せる。かなり厚切りでの提供だが、しっかりとした加熱とスジ切りの下処理の良さによって口に残るような部分は一つもなかった。生っぽさを押し出した勘違いチャーシューとは別格の美味しさだった。特製にしなかった事を悔やむくらいなチャーシューだった。

追加した味玉も見事な仕上がりを見せる。下茹での半熟加減、ゲル化した黄身の熟成度、全体に穏やかに広がると漬けダレの風味の全てが一体となって旨みを発揮している。これは先ほどのチャーシューにも言える事だが、もはやラーメンの具材の一部ではなく、ひとつの料理として完成している。味玉の風味としては醤油香と塩気は最低限にして、鰹だしや煮切り酒や味醂の香りと旨みを浸み込ませてある。味玉でもあるが、出汁玉とも言える逸品だ。

メンマ代わりのレンコンはインパクトのある見た目重視の配役かと思っていたが、食べてみると安易な先入観はすぐに覆された。薄い醤油の香りで味付けされたレンコンの食感が麺との相性がとても良く、パツンとした麺の中で、ザクッとしたレンコンがアクセントを付けると食感はより豊かになり箸が加速する。

さらには薬味の食感も拍車をかけるので一気に箸が進んでしまった。薬味の玉ねぎスライスのシャキッとした食感と軽やかな辛味がテンポを与える。本来は手抜きに思える青みの水菜なのだが、短めに切られた長さが余計な食感を生まないので、先ほどの麺とレンコンと玉ねぎスライスの食感の中に新たにサクッとしたパーカッションの如く流れに加わってきた。つまりはパツン、ザクッ、シャキッ、サクッと異なる食感を同時に楽しめる歓喜の世界の中で至福の時を味わえた。こうなると少しだけ添えられた青ネギの存在は申し訳ないが覚えていない。

前食から二時間での連食だったが夢中で完食していた。スープの中のまとめ役的な旨味が最終的には必要なかったので飲み干すことは避けたが素晴らしいラーメンに出会えた。

振り返ってみると麺に始まり具材のどれもが食感の細部まで計算されたラーメンだと感心してしまった。もし、純天然100%の素材で限定ラーメンを作られる事があったら、是非に食べてみたいと心から思える一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

難しい麺屋です!技量さえあれば客は来るものだと勘違いしている。
”空席も見えるが....店外にて待機する”寒空に震えながら...、
全てに「上から目線」がわかった時、再訪はなくなりました。
過去に何度も通い、技量の高さやお客を満足させる喜びに満ちていましたが、
人気商品を削り2種類だけの提供になりました。
客の声を聞かない!...勝手にやれば良いんじゃないですか!

昭和のBecky! | 2019年4月3日 01:30

そんな過去があったんですね。上から目線は確かに感じられますね。ご主人は手先が器用でも気持ちが不器用なんだなとは私も思ってました。地元愛に溢れるBecky!さんだからこその意見だと思います。嫌な店へのコメントありがとうございます。

のらのら | 2019年4月3日 05:37