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「特製煮干しそば ¥1050」@中華そば 四つ葉の写真平日 晴天 10:30 先待ち3名 後待ち10名

〝小江戸川越 二泊三日ラーメンめぐり〟番外編

気が付けば朝8時のホテルのモーニングコールで目が覚めた。起こされた瞬間は自分がどこにいるのか分からないくらいに寝ぼけていた。

起き抜けの冴えない脳の記憶をふりしぼって思い出してみると、昨夜は一週間ぶりの川越の夜を楽しんだのだった。内容は大声で言えたもんではないので伏せておこう。ラーメンの為にではないが、ホテルを予約して向かった郊外の寿司屋のネタが抜群に良かった。失礼だが、川越であんなに美味い寿司を食べられるとは正直思っていなかったので驚いた。

思わぬ美味い寿司と握り手の大将との出会いに酒も進んでしまい川越駅前のバーに戻ってからも、その勢いは止まらず気が付けば午前2時を過ぎていた。川越の夜に後ろ髪を引かれながらホテルに戻りベッドに入ると、次に気が付いた時にはすでに朝だったのだ。

そもそもチェックアウト時間の2時間も前にアルコールの抜けきらない身体を無理矢理に起こしたのは、こちらへの再訪のためだった。前回の初訪問時に解せなかった事を確認するために本日は再訪したいと決めていたのだ。

コーヒーを飲みながら、ゆっくりと目を覚ましルート検索をはじめる。前回はタクシーで出向き、食事中も駐車場でタクシーを待たすというアラブの石油王のような贅沢をしたのだ。しかし今回は川越駅からのバスルートがあるのを確認したので庶民らしく、もはや通勤バス並みに利用している東武バスウエスト 川越02系統にて開店30分前の現着を狙って午前10時前にホテルをチェックアウトした。

バスに揺られること20分で最寄りの伊草学校前に着くと、そこからは歩いて数分で約10ヶ月ぶりとなる店先が見えてきた。すでに駐車場には多くの車もあるが、外待ちベンチには三名しか座っておらず食券を先買いして四番手でオープンを待つとする。

しばらくして女性スタッフさんが食券を回収しに来ると、定刻よりも10分も早くオープンとなった。前回は寿司屋の面影が残る左側のカウンター席だったが、今回は厨房サイドのカウンターに案内された。厨房のダクトには数々の受賞歴を示すシールが貼られてあり人気の高さを誇示している。本日の客層は駐車場の車のナンバーからも埼玉県外の方が多いようだ。そんな店内を五人体制で回している中、第1ロットにて我が杯が到着した。

その姿は高級感のある胴が翡翠色の高台丼の中で大胆かつ繊細な姿を見せつける。それは見事なまでの立体感を作り出している具材の盛り付け方が思わせるのだろう。J系のマシマシを知らない私にとっては「RAMEN GOTTSU」「神名備」と並ぶ標高を見せる。

まずは少し霞んだ赤銅色のスープをひとくち。表層のふちには煮干し特有の水泡が浮かんでいるが、煮干しをつぶさないタイプのスープだ。レンゲにかかる抵抗もなくサラリとすくい上げられる。いざ口に含むと透明感の中にも香りと旨みが凝縮した煮干しエキスの高いスープだ。派手さのない昆布の旨みにも支えられているのでシンプルではあるが土台はしっかりと感じられる。カエシも煮干しの香味を優先させた加え方で、醤油の香りを立たせない構成だ。液面の香味油もスープに潤いを与える程度に抑えられていて、しつこさがなく軽やかに喉を過ぎていく。煮干し油だけでなくスープ自体が旨みを持ったスープだ。

麺は中細ストレート麺で麺上げまでは85秒ジャスト。やや太めに見えるのは切刃の角が張って丸みを帯びているせいだろうか。持ち上げた箸先からは密度の高さを感じる麺を口に運ぶと、スープをほとんど絡めずに口の中に入ってくる。しかしそれが麺だけの旨みを感じられるので、小麦の甘みと香りが存分に花開く瞬間を味わえる。その小麦の香りが満ちた口内にスープを送り込んでやると、さらにスープの香りと塩気が加わり新たな麺の世界観を生んでくれる。密度の濃いグルテンのモッチリとした食感が拍車をかけるので、幾度もその動作が繰り返される事となった。

具材のチャーシューはコチラのシンボルでもあるスカーフのように巻かれたレアチャーシューが五重の層になって盛り付けられている。豚肩ロースのロゼ色を最大限に引き出した美しさは圧倒的な印象を与える。スープの加熱を防ぐために生まれた盛り付け方だろうが、最下部以外のチャーシューはいつまでもレア感を保っている。ペントハウスのような最上部の一枚を食べてみると、口当たりの冷たさが気にはなるが仕方ない事だろう。ひんやりと入ってきたチャーシューも口内の温度で脂質が溶けると滑らかな口当たりに変化する。決して強過ぎない下味が滑らかな口溶けをアピールするので、残念な部分をより強調してしまっていた。それはスジ切りの悪さで、豚肩ロースのリブの部分とかぶりの部分をつなぐスジが口の中で噛み切れずにいつまでも残ってしまった。私の場合はリブ芯の部分はレアで楽しみ、それ以外のリブ巻きやかぶりの部分はスープで加熱してから食べた方が食べやすかった。

味玉も黄身が冷たく旨みを100%引き出されてはいなかった。スープに寄り添った薄味仕上げはバランスを考えての仕込みだと思うが、好みの熟成感はなく残念だった。

穂先メンマは麻竹の発酵臭も残っていて食感も柔らか過ぎず、下処理の良さが表れている。シンプルな構成のラーメンの中で香りや食感のアクセントを付けてくれる素晴らしい存在感の穂先メンマだった。

薬味はありがちな玉ねぎは一切使わず三つ葉だけが添えてある。これでもか的な三つ葉の使い方が多い最近では珍しく控えめに添えてあるのが好印象。スープに香りを移すことはなく、噛んだ時にだけ爽やかな清涼感を与えてくれる名脇役を好演する。

十字9切の大判な海苔は口溶けよりも力強い食感をアピールする厚手のタイプだ。やはり寿司も提供されているだけあって、海苔の選び方にもこだわりが見られた。巻き物などに用いられる目の詰まった厚海苔ならではの食感が噛みしめるたびに磯の香りを溢れさす。他のラーメン店では出会うことのない高級海苔だった。

前回は基本の「四つ葉そば」を食べて不自然な旨味と甘味を感じて疑問に思い採点が低くなってしまったが、今回はそれほど強く感じることはなかった。ただ、まとめ役としては入っているだろうと感じてスープは飲み干せなかった。

先週の川越めぐりに端を発して以来、ますますこの界隈のラーメンの魅力に引き込まれてしまった。わずかながら川越の夜の魔力のせいもあるのは否めないが、川越を拠点としたエリア拡大を継続的に行う事となりそうな一杯でした。

※今回の番外編を含めた川越行脚で、たくさんの川越情報を教えてくださった Becky! さん、本当にありがとうございました。

投稿 | コメント (4) | このお店へのレビュー: 3件

コメント

番外編もあったのですかwこれは凄いボリュームになりましたね。
地元でも全部回るには1日一杯でもたぶん2週間近くかかるであろうと思われます。
”郊外の寿司屋”はどこなんですか?気になりますね。
こちら言われるように甘みは以前感じたことがありましたが、最近はないような気がします。
個人的には蛤そばやつけ麺が大好物でした。低温加熱処理のチャーシューはこの店から始まったような気がします。麺は村上朝日製で、こちらの醤油も松本醤油(初雁)だったと思います。
川越行脚お疲れ様でした。こちらもすっかり楽しませていただきました。邪な気持ちで来られる時にはお声かけてくださいね。ありがとうございました。

虚無 Becky! | 2019年4月4日 16:10

寂しいながらも、ひとまずはこれで完結です。先日 Becky!さんのレビューを読み返すと正直な意見が反映されてて、コマーシャリズムがないのでレビューとして信用できる内容だと感じました。それを読んでRDBの人気ランキングよりも信憑性があるなと。まだまだ未訪のラーメン店もたくさんあるので、これからも参考にさせていただきますね。

ちなみに寿司屋はタクシーで行ったので場所は分からないのですが「華寿司」さんて店です。大将がおひとりで握っているので予約は必須ですが、ネタの良さはピカイチでした。

のらのら | 2019年4月4日 18:43

「華寿司」ですか?的場ですよ!Taxiでも20分?もしや...早速の同伴でしたか!
また遊びに来てください!お疲れさまでした!

虚無 Becky! | 2019年4月4日 20:28

正解です。でも10日以上も前の話です。
またお邪魔するときはぜひぜひ!

のらのら | 2019年4月4日 21:34