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「雲丹三種盛り鯛らーめん ¥2500+焼き海苔 ¥200」@麺屋 ま石の写真平日 晴天 13:10 先客6名 後客なし

〝ハイソでセレブなリッチ麺めぐり〟

今週は、やけっぱちで非日常的な一週間を過ごしている。六本木の裏通りで偶然に見つけてしまった高級ラーメンをキッカケに、遊び心が騒ぎだして高額設定のラーメン巡りをしている。これは「ハレとケ」で言うなれば「ハレ」のラーメンで、日常ではない儀式や祭り事を意味している。

連日の二千円オーバーのラーメンが登場する中、本日の一杯に選んだのがコチラだ。某グルメサイトから見つけ出した店なのだがRDBにも登録されていた。お店情報を見ると、我が人生で史上二番目となりそうな高額ラーメンを見つけた。私の趣向とは違ってはいそうだが「虎穴に入らずんば虎子を得ず」と自身を奮い立たせて初訪問を決めた。

こんな風に店探しをしているうちに正午を過ぎてしまった。いくら高級と言えども銀座セレブには日常のラーメンかも知れず、混雑を避けるために昼時を外して家を出た。銀座線にて午後1時ちょうどに銀座駅に着いた。そこからは高級ブティックが立ち並ぶブランド通りを歩いていると路地裏に佇む店先を見つけた。

店頭にあるメニューを見ている若い先客がいたが、高額設定に驚いたようで立ち去ってしまった。私は腹をくくって今週は過ごしているので、躊躇なく店に入るとカウンターに座りメニューを見る。すでに心は決まっていたが、トッピングを品定めする。本来は好物の味玉といきたいところだが、メインを雲丹にしているので相性を考えて普段は追加する事のない海苔を選んだ。これで総額、2,700円となった。

注文を終えカウンターから店内を見回すと、タイトなコの字のカウンターだけの店内を凛々しい白衣姿の男性陣お二人で切り盛りしている。白木のカウンターが高級感を演出しているが、寿司屋というよりは高級おでん屋のような店構えである。ほぼ満席の客層は意外にも若い方が多く全員が日本人だったので驚いた。まだ海外版ガイドブックに侵略されてないようだ。

店内の壁には無数の加工会社の箱ウニのフタが飾られてある。その中には私のイチオシである浜中町の「小川のうに」の箱フタもあった。小さな期待を胸に待っていると、厨房の冷蔵庫から三種類の箱ウニが取り出された。残念ながらその中に「小川商店」の雲丹はなかった。

しかし、いずれの箱ウニも粒の揃った上質そうなウニばかりに見える。やがて盛り付けが始まると着席して4分で我が杯が到着した。その姿は白磁の多用丼の中で、かつて見たことのない景色を映している。別皿で基本のメンマと鶏チャーシューと、追加の焼き海苔が盛られてあるが、団体写真用に海苔だけを口縁に立てかけて記念撮影をした。

海苔が湿気るのを防ぐために再び別皿に戻すと、まずは蜂蜜色のスープをひとくち。鼻先には微かな振り柚子の柑橘系の香りが先行してくる。出来るだけ雲丹ペーストのサークルを壊さないようにレンゲですくい上げると、一気に魚介風味に様変わりした。たまらず口に含むと真鯛の旨みが身体中に染み渡っていく。巷にあふれる安価な養殖鯛の脂質の臭みをごまかす為に、鯛のアラを焼いている店が多い中で、余分なことをせずに真っ向勝負する姿が自信の表れとなって出ている。カエシの塩ダレも雲丹の塩気を計算して最初は低めに設定してあるようだ。

麺を食べる前に確認しておきたい事があった。それは三種の雲丹の味比べだ。まずは色素の薄い白っぽいムラサキウニから。優しい甘みが広がる中で苦味もクセもなく、優等生的な生雲丹。次いで赤みの濃いエゾバフンウニを食べてみると、濃厚な旨みとビターな甘みが磯の香りと伴って瞬時に先ほどのムラサキウニの香りを包み込む。ここまでは満点の出来だったが、もう一種類の少し黒ずんだバフンウニだと思われる雲丹のミョウバン臭が全てをかき消してしまった。箱ウニの欠点が出てしまったが、単体で食べなければスープにまではミョウバン臭は移ってないので麺に取りかかる。

ミョウバン臭のせいで口の中が寂れた水族館のようになった所に麺を送り込んでみる。麺上げまでジャスト40秒のストレート細麺が使われている。スープに負けない透明感を持つ麺肌は和食の煮麺の要素を取り入れた柔らかな仕上がりだ。麺自体は弱々しくも感じるが出汁を引き立てる具材としては持ち味を発揮している。出汁を楽しむための寄り添い方も有りなのかなと思える麺だ。啜り上げるたびに、鯛と雲丹の旨みが伝わってくる。日本のリストランテで定番となった雲丹のパスタよりも乳製品やオイルを使っていないので、ダイレクトに双方の旨みを味わえると思う。食べる前のイメージとは随分と好印象に変わった。

海苔をトッピングしたのには理由があって、メニューには焼き海苔(有明産こんとび)と明記されていた。私も何度か頂いた事のあるお中元の海苔の詰め合わせの中に〝こんとび〟が入っているのを楽しみにしているのだ。自宅での楽しみ方は炊きたてのご飯を巻いて食べるだけなのだが、熱々のご飯の湯気には溶けないのに、口に入れると溶けてなくなる感覚の虜になっているのだ。そこで失礼ながら海苔を明かりに透かしてみると〝こんとび〟ならではの青のりが浮かび上がってきた。密度の揃ってない粗悪な海苔の場合もあるので、念には念を入れて口にしてみる。まずは焼き海苔ならではのパキッとした食感で出迎えると、口の中のわずかな水分だけでサラリと溶けていく。消え去る際の磯の香りの強さは〝こんとび〟ならではの野性味にあふれた風味を残す。これでないと雲丹の旨みには負けてしまうだろうと思った。今まで食べた海苔の中で、寿司屋を入れてもトップクラスに値する素晴らしい海苔だ。

それに比べると別皿のメンマとチャーシューは希望するタイプとは違っていた。国産メンマと書かれた極太メンマは、発酵させてないのでメンマと呼んで良いのかも疑問だ。それはタケノコの水煮を大きく短冊に切ったもので、私の中のメンマとは随分とズレていた。チャーシューは鶏ムネ肉のレアチャーシューだが、冷たさばかりが口に残る。下味のソミュール液も浸透してないので、味気ない食感が後を引く。

薬味の白ネギは丁寧なさらしネギなので、スープに過剰な香りや辛味を付けずに爽やかな歯ざわりだけを与えてくれる。

中盤からも麺には物足りなさを感じながら食べ続けたが、鯛出汁の旨みと雲丹の甘みに引っ張られて完食していた。最後にレンゲを使ってスープを飲み干そうとすると、時々あのミョウバン臭いバフンウニが転がり込んでくる。せっかくのシーワールドを壊してしまうような苦味が残念で仕方なかった。

もし三種の雲丹のじゃなくてムラサキウニとエゾバフンウニの二種類ならば、更に採点は良くなっていたと思う一杯でした。

投稿(更新) | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

たいへんですね〜!なんとなく銀座線から自殺する前の雰囲気を感じますよ。
川越なら4〜5杯は楽しめる値段!池袋なら3〜4杯はレビュー書けたでしょう!
この写真どことなく『寒くても熱かった川越の夜』...連想しませんか?

虚無 Becky! | 2019年4月9日 23:25

もしニュースが流れたら私と思ってください。でもJRや東京メトロは賠償金が発生するので、請求されない西○線にします。でも最後に川越の夜をもう一度楽しみたかった...

のらのら | 2019年4月10日 13:04