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「特製 蛤そば ¥1130」@中華そば 四つ葉の写真平日 晴天 10:25 先待ち3名 後待ち8名

〝昨夜は人知れず久しぶりの川越の夜を楽しんだ〟

今回は都合上ラーメン断ちをせねばならぬ状況ゆえに、昼食は蔵の街の老舗うなぎ店で特上うな重を楽しんだ後に観光気分を味わうために人力車に乗ってみたりした。ディナーは川越駅前の老舗鉄板焼き店で車海老とステーキを堪能してから夜のネオン街に身を隠した。

昨晩は定宿のサウナ付きカプセルホテルではなく、本川越駅直結のホテルに宿泊して午前9時に目が覚めた。私にとってはラーメンの街である川越に来て、一度もラーメンを食べない事など考えられずに候補の店を探し始める。

RDBを見ていても初訪問を果たしたい店もあるが、是非にも再訪したい店がいくつもあるので困ってしまう。それほどに川越のクオリティが高いという事だが、こちらの未食メニューが気になって久しぶりの再訪を決めると、身支度を整えてチェックアウトして移動を開始する。

11時開店前の現着を目指して、ホテルの目の前のバス停から9:58発の東武バスウエスト 川02系統に乗り込んだ。前回の川越行脚の時も何度もお世話になったバスに揺られること20数分で最寄りの伊草小学校前に着くと、迷うことなく歩いて5分もせずに店先が見えてきた。平日の開店30分前でも並びが発生しているのは、超人気店の証でもある。列に続く前に決めておいた未食のお題を発券すると、無事に四番手をキープできた。葦簾の陰に置かれた外待ちイスにて待機となるが、これからの季節の行列にはありがたい待機場所を完備している。

本日は私以降の行列の伸びは穏やかで外待ちイスにも空席が目立っていたが、定刻よりも20分以上も早くオープンとなった。順番通りに入店となり右手の入口からカウンターへと案内されると直ぐに店内観察をはじめる。

着席と同時に順序よく小鍋にてスープを沸かし直している厨房からは、スタッフの経験の豊かさが織りなす手際の良さだけで食べ手の安心感と食欲を増進する。そんな店内を本日は五人体制で回している。客層もテーブル席には初夏のツーリングを楽しむライダーの団体も見られ、地元の方よりも私のような観光客の方が多く感じた。抜群の安定感のあるオペレーションを眺めていると、着席して8分で我が杯が到着した。

その姿はいつも通りの美しい翡翠色の高台丼の中で、初対面ならではの初々しさのある表情で出迎えてくれた。前回の特製ほどの立体感はなかったが、平面上の配置としてはバランスの良いレイアウトが期待感を高めてくれる。食べる前から先走り気味にレンゲを手にした。

まずは大きな粒子の香味油が浮かんだ江戸茶色のスープをひとくち。曇り空から薄い光が射し込んだように見えるスープには、透明感の中にも霞んだ濁りも見られる。それが蛤由来のコハク酸であると確信しながら口に含むと、非常に旨みの強い出汁感に包まれる。蛤が主導する魚介出汁の陰では鶏由来の動物系出汁も、しっかりと屋台骨を築いている。そのどちららもが強い主張をするのではなく、双方が譲り合うことで引き立て合っているようなバランスのスープだ。そこに加わるカエシも絶妙な輪郭を形作っている。塩分過多になりがちな貝出汁の塩気を高めではあるが過剰にならないピンポイントで仕留めてある。そんな見事な塩分濃度のスープは、点滴のようにスムーズに体内に取り込まれていく。

麺は基本のラーメンと同じ麺なのだろうか、麺上げまでジャスト125秒の中細ストレート麺を採用してある。かなりしなやかな麺質が持ち上げた箸先からも伝わってくるが、ハリやコシは感じられない。通常のパツっとした歯応えを想像しながら口に運ぶと、たしかに滑らかな口当たりの中にもハリのある麺肌には感じられたが弱く感じた。ひとくち目でこの食感では後半にはスープの加熱によって麺がダレる事を心配してしまった。蛤によるスープからの磯を感じる風味と小麦からの麺の甘みの重なりが、得も言われぬ一体感となってラーメンの中で主役たる活躍を見せている。それほどに大切な麺の持ち味が次第に薄れていくのは、残念ながら悲しい出来事だった。中盤からは腰抜けになってしまった麺を食べなければならない現実が襲ってきた。

昨日のラーメン断ちのおかげで特製にしたので具材陣はフルボリュームだ。センターに鎮座するチャーシューはこちらの代名詞でもある豚肩ロースのレアチャーシュー。今回分はロゼ色の発色がくすんで見えたのは部位の性質なのだろうか、圧倒的な美しさは出ていなかった。しかし下味のマリネ加減は素晴らしく安定感がある。レアと言っても法的な加熱温度と調理時間を守られた安心できるレアチャーシューとなっている。そのまま食べても良いし、スープにひと泳ぎさせてから食べるも良しのレア感の変化も楽しめる名品である。

味玉は好みとは反してサッパリタイプで残念ではあったが、卵本来の黄身の甘さが蛤の塩気と相まって豊かな旨みを生み出していた。少し冷えた提供温度だったので〝味玉愛〟は十分に感じられなかったが、スープとの相性は良かったと思う。

穂先メンマは味付けと発酵臭の残り香のバランスがとれていて、手仕事感が十分に伝わってくる。柔らか過ぎずの食感も心地よく、香りとともにアクセントになっていた。

具材と言うべきか出汁の副産物と言うべきなのか迷ってしまう蛤も添えてあった。もちろん出汁に旨みは出し切っているので具材としては旨みは少ないが、簡易的なハマグリエキスではなく生の蛤でスープをとっている証にもなっている。ひとつだけ蛤の身を食べてはみたが、想像通りに旨みは残っていなかった。

薬味の三つ葉も大きめの切り方がスープの邪魔をせずに、噛んだ時にだけ野趣ある香りを与えてくれる。これは切り方が功を奏した薬味となっていた。

レアチャーシューと同様にこちらの真骨頂と思っている海苔は、やはり寿司屋を営まれていただけに海苔選びの目利きには恐れ入る。香り高く口溶けも優しく海苔と、蛤出汁の持つ磯の風味と見事にマッチしてスープや麺をワンランク上の世界に上げてくれた。

中盤からもスープの味わいに引っ張られながら食べ進んできたが、麺の状態が劣化してきたので咀嚼の楽しみは半減していた。また低加水麺なので時間の経過につれて麺が膨らんでしまい、通常でも多く感じる麺量がさらに増して食べ切ることが辛く感じるほどだった。

こちらへは今回で三回しか訪問してないが、本日の麺ディションはベストとは思えなかった。それでもスープの美味さが際立っていたので、この採点としかならなかった一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 3件

コメント

川越の熱い夜をふたたび!
どうも〜!四つ葉さんを見たらこちらのレビューが!!
人力車デートですか!それに今回は高級Hotelまでも!力入ってますね!
蛤そばイマイチでしたか〜!絶品だと思ってましたが残念です!
確かに海苔は旨いですよね!煮玉子は...そう言われるかと思いました。
平日ならばつけそばもあったと思いますよ。しばらくぶりに訪問してみようかと思います。

虚無 Becky! | 2019年6月8日 10:27

こんにちは。川越の熱い夜は、結果的には気合が空回りしてしまった気がしないでもないですが。でもまたお邪魔する事にはなりそうです。

四つ葉さんの蛤のスープは絶品でしたよ!ただ麺の状態が私には残念だっただけでして。レビューにも書いた通りに川越はレベルが高いので店探しには困りませんが、店選びにはどこに行こうか悩んでしまいますね。

のらのら | 2019年6月8日 10:47