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「中華そば ¥750+とろり味玉 ¥100」@伊蔵八中華そばの写真平日 曇天 10:30 待ちなし 後待ち3名 後客2名

〝ニューオープン パトロール〟

本日の連食計画は過去の中でも最も交通費の少なくて済む新店めぐりを思い付いた。それはRDBの新店情報を見ていると、東急東横沿線の中でも隣駅にあたる祐天寺と学芸大学にオープンしたばかりの二店舗を見つけたのだ。

そこで開店時間の早さを考えて一軒目に選んだのがコチラで、東横線で三駅も進めば最寄りの祐天寺駅に10分もせずに着いた。しかも駅中央改札を出ると目の前には立派な店構えが現れた。まさに駅近とはこの事で〝改札0m地点〟としては田町駅にオープンした「ユキノマタユキ」に匹敵する。駅前のバスロータリーだけが昔の面影を残すが、駅ビル自体は大きく様変わりを遂げている。

開店30分も前の現着となったので向かいにあるカフェから店先の張り込みを開始する。店頭には毛筆で書かれたメニューが貼り出されてあり本日の品定めをすると、屋号にも掲げられた「唐揚げ」「手羽先」などのサイドメニューを除くとラーメンはつけ麺を含めた三種類のようだ。その中でもマイスタンダードである醤油系らしき中華そばに狙いを定めて定刻を待った。

定刻5分前には店先に戻り一番手にて待機していたが、11時を過ぎても店内に変化はなく3分ほどしてようやく看板に灯りがついた。店内にある白のれんが出てくるかと思いきや、店内に掛けられたままで入店の案内があった。入口正面に設置された券売機でお目当のお題と好物の味玉を見つけると迷わずに追加発券した。順不同での着席なので盛り場の前のカウンターに座り店内を見渡す。

さすがの資本力を誇るグループだけに内装や設えにも卒がなく、清潔感と高級感に溢れている。客席に置かれた業務用冷蔵庫には木目調のカッティングシートが貼られて店内との統一感を持たせていたりと、細部にわたるまでこだわりを見せている。そんな店内を本日は総勢五人体制で回しているが、チャーハンなどの調理技術を必要とするメニューもあるので大所帯になるのは当然だろう。そんな唐揚げを揚げる油の音や、チャーハンをあおる中華鍋の音に耳を傾けていると着席して5分もせずに我が杯が到着した。

その姿はオリジナル屋号の入った白磁の切立丼の中で意外な景色を見せてくれた。系列グループのラーメンから想像していたのは節粉を使った苦手なタイプのラーメンだったので、幾分か清らかな姿にはホッとした。盛り付けもシンプルで穏やかそうな表情に期待を寄せてレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。表層にはわずかな油膜と節粉が浮かんでいるが、手に負えないほどではなく見える。そんなスープにレンゲを沈めると、濃度の高さは感じられない軽い手応えがレンゲから伝わってくる。ウンチクでは椎茸の旨みが強いとなっているが、立ち昇るスープからは椎茸の香りは感じられなかった。いざスープを口に含むと最初の印象はスープの温度の熱さで、容易に口にするとヤケドする程に熱い。夏場でもやはりスープは熱いにこした事はなく非常にありがたい。熱さが落ち着くと鶏豚由来の動物系出汁の旨みが土台を作り、若干の節粉を含んだ魚介出汁も基礎を築く。この時点でも特筆すべき椎茸の旨み感じられずで不思議に思った。しかしながらバランスの取れたWスープに輪郭を付けるカエシは強めにハッキリと醤油感を与えてくれるが、塩分濃度としては穏やかに感じる。若者中心と言うよりは中年層も多く暮らす祐天寺という場所柄などを考慮しての塩梅なのだろうか。この塩気ならば軟弱な私の舌にも許容範囲内で助かった。

スープには旨味の底上げも感じながら麺に取り掛かってみる。麺上げまでジャスト35秒の中細ストレート麺を箸で持ち上げてみると、低加水らしいハリとコシが箸先に感じられる。すでにスープの醤油色素を吸って褐色に変色した麺肌を眺めながら一気にすすり上げてみると、ややゴワつきもあるが低加水麺ならではの軽妙な口当たりが訪れた。更には切刃のエッジが口当たりのキレの良さを加速させる。その心地よい口当たりと共に現れたのが、ようやく干し椎茸の香りと旨みだった。麺をすすり込んだ吸気の中には明らかな乾物由来の太陽の香りと、グアニル酸の旨みを感じた。たしかに大量の干し椎茸を使っている事が分かる風味だ。初見での茹で加減は硬めな印象を受けるが、スープが高温なので一口ごとに麺の表情は変わり続けている。この麺ならば後半でも急速にダレるような事はなさそうなので、ひとまず具材を楽しむ事にした。

具材のチャーシューは豚バラの煮豚型を常温に戻して添えてある。赤身と脂身のバランスの良い部位だったので、両者の特徴を楽しめた。厚切りなので赤身の噛み応えも十分で、豚肉本来の旨みも感じられる。脂身はとても柔らかく仕込まれてあり、とろけるような質感と甘みが特徴的だ。この赤身の歯応えと脂身の食感のギャップが作る一体感は素晴らしかった。

追加した味玉は残念ながら独自の〝味玉論〟とは外れていたが、メニューボタンにも「とろり味玉」と書かれては、スープに流れ出してしまった黄身に文句を言うわけにもいかないだろう。あと半日くらい熟成すれば黄身が完全にゲル化しそうな程に浸透してはいたが、そうすると塩気は適正を越えてしまいそうな高めギリギリでもあった。提供前にしっかりと温め直してあっただけに、私には黄身の柔らかさが残念な味玉となった。

薬味は青ネギの小口切りが基本でも大量に添えてある。高級ブランド葱には思えない歯触りだったが丁寧に手切りされて、きちんと水にさらして辛味や刺激を抜いてある良葱だった。麺のポソポソとした食感と青ネギのザクッとした食感のコントラストがアクセント役として十分に本領を発揮していた。

具材は味玉を追加しなければチャーシューと薬味だけのシンプルな構成だが、卓上には〝味付けキクラゲ〟と〝激辛ニラ〟なる無料トッピングも用意されているので物足りなさは感じない。しかし味を大きく変えてしまいそうなトッピングでもあるので、今回は利用せずに食べ進めた。

中盤から麺に戻ると、私にとっての麺ディションのピークを迎えていた。初見のパサついた食感がなくなり、スープを含んで丸みを帯びた麺質から感じられるグルテンの弾力に箸のスピードが上がった。本日最大に麺自体の小麦の甘みを感じながら完食を迎えていた。それでもスープには不必要な旨味成分も感じ続けていたので飲む事なくレンゲを置いた。

それでも系列グループの中では穏やかなラーメンと思えた。駅ビル内なので雨でも傘を必要とせず、通し営業となれば使い勝手の良い店が出来たと思う。今回は食べなかった唐揚げや手羽先をツマミに生ビールなんて日も遠からずやってくる予感がする一杯となりました。

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