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「中華そば(焼豚増量)」@カドヤ食堂 本店の写真かねてからの「課題麺」であったこの店の「中華そば」。とはいえ、大阪市内に用事があるときでさえ、ラーメン及びつけ麺のためだけに別途交通費を払うのはなるべく避けたいこと、そしてこの店が長蛇の列を作っていることが多いことの2つの重なり、なかなか足が向きませんでした。しかし今回は開店時間直前に到着しそうなメドが立ったため、2度目の訪問&念願の中華そば初食へ。
到着したのは開店時間の5分前。おおっ。4人しか並んでいない。


注文したのは中華そば(焼豚増量)。
中華そば700円は良いとして、焼豚増量が480円というのは驚きです。
白金豚(はっきんとん)恐るべし。

10分ほどでラーメンが到着。

スープ。

まず香りが特徴的。香ばしさと甘さを兼備した、しかし一歩間違えれば「臭さ」ともなりそうなもの。
醤油ダレや動物系出汁、昆布、節の香りが絶妙に合わさっており、それでいて個々の判別ができてしまいます。

そしてテイストは、一言で言えば「この上なく融和された淡く深い甘み」を有す。
リードするのは小豆島産の醤油が用いられたタレ、豚骨にバックアップされた淡海地鶏のガラ、昆布。
それらよりも一歩引いてはいるものの、いぶし銀的に利いているのが煮干しや節類等の
魚介系といったところでしょうか。
また本来なら「鶏ガラが」とか「煮干しが」などとスープという全体性から一時的に部分を
切り離して語りたくなりますが、このスープは全ての部分が融和して初めて出るテイストだと
感じられるため、私にはそれが難しいように思われます。
たとえば淡海地鶏の旨みだけに意識を向けようとしても、豚骨や魚介類、醤油ダレが
溶け合ってしまった箇所があるためにそれが出来ない。
厳選されているという全ての食材が「淡く深い甘み」という「旋律」に向けて、限りなく近い
「音色」にチューンされているイメージです。
私のようなラーメンを作った経験を有さない素人にも、このテイストを具現化することの
並々ならぬ難しさが窺い知れます(素人だからこそ難しそうに見えるだけなのではない。多分…)。
店主には絶対音感ならぬ「絶対味覚」が備わっているのか。
「音叉」のようなものが埋め込まれているのでしょうか。
とにかくこの融和性は凄い。

麺。

カネジン食品の縮れ細麺です。
小麦というよりは卵とわずかなカンスイを意識させられるようなテイストであり、別段歯応えが
良いタイプではありません。
しかしこの麺もまた、「昔ながらの」「懐かしい」というこの店のラーメンのイメージに準じた
重要なファクターであり、そういう意味で近年の洗練された麺よりも相性が良いのかもしれません。
その軽さや啜る際の不規則感は、なかなか楽しいものがあります。

具。

白金豚チャーシューが5枚に穂先メンマ、ネギ、海苔、ナルトです。
チャーシューは赤身の硬さと白身の柔らかな、双方から出る異なるテイストが絶妙です。
いつまでも噛んでいたくなる。
また、途中で偶然チャーシューにネギがサンドされた状態で食してしまったのですが、
ネギのみずみずしさがチャーシューの旨みと相まって、これまた美味い。

さて、ここまでは中華そばを褒めちぎりましたが、他の人とは共有できるかどうか定かではない
極めて個人的な不満もまた2つ抱きました。
どちらもスープに関してです。
まず1つは、コントラストの「不在」。
この上なく収斂(融和)されたスープであるため、当然ですが、趣を異にする音色(テイスト)が
存在しないと感じられました。
コントラストとなる存在が無いため、「単調」とは思いませんでしたが、やや「同一的に過ぎる」
きらいがあるかもしれません。
まあこれは「この上なく収斂(融和)すること」と表裏一体ですから、仕方の無いことなのかもしれませんが。
もう1つは香り。
醤油(というか、大豆)と昆布が合わさった香りを感じ取ってしまったこと。
煮豆と煮昆布の組み合わせはおろか、昆布出汁が強く利いた味噌汁さえも幼少時代から
苦手としている私は、あれを「臭い」と感じてしまう。
これはスープに対してというよりは、私自身への不満ですね。
とにかくこの2つが、90点超に採点できなかった他ならぬ理由です。


「中華そば(焼豚増量)」。
誰でも気軽に食せる大衆性とそのイメージに相反する店主の極めてハイレベルな技量が
光る一杯でした。
未食の方には過剰な期待を抱くことなく(あるいは私のこのレビューなど信じずに)、
一度は食して頂きたいですね。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 3件

コメント

こんにちは昼飯専門です。毎度です。

>まず1つは、コントラストの「不在」。
この上なく収斂(融和)されたスープであるため、当然ですが、趣を異にする音色(テイスト)が
存在しないと感じられました。
〜Yes!Yes!!と同感ですね。確かに素晴らしい「音色」の様な出汁のですが、
 其々の出汁が絡み合って「旨味」を増幅させるかの如くですが、確かに素晴らしく纏めの良い
 スープ・・・。凡等なら敢えて言う程の物でも無い部分と言えるでしょうか。
 決して力強いとは言えない「麺」にもその一端はあるかも知れないですよね。
 しかし・・・その同調した音色が店主さんの狙う「カドヤテイスト」なのか・・・・?

昼飯専門 | 2008年12月1日 16:48

昼飯専門さん コメントと投票をありがとうございます。

>しかし・・・その同調した音色が店主さんの狙う「カドヤテイスト」なのか・・・・?

好みなんでしょうね〜。

しかしこういっては失礼に当たるかもしれませんが、そのイカつい風貌からは決して
想像がつかないテイストであることは確かかも。



poly-hetero | 2008年12月1日 23:50