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「味玉煮干しそば ¥900」@中華そば TORICOの写真平日 雨天 14:25 先客4名 後客なし

〝ニューオープン 探検記〟

本日の荻窪拠点の新店めぐりも、小雨の中を無事に一食目を食べ終えてアジトである荻窪駅近くのホテルに戻ってきた。15時チェックアウトの利点を活かして、大浴場で汗を流しながら胃袋の空き容量の回復を促す作戦だ。

誰もいない大浴場で真っ昼間から贅沢な時間を過ごすと館内のバーに寄って、生ビールとはいかないがコーヒーを飲みながら連食先の下調べをしておく。RDBのお店情報によるとオープンして20日ほど経っているようで、店名には見覚えがあるのを思い出した。それは数ヶ月前に下井草にオープンしたラーメン店と冠は違ったが店名の〝TORICO〟は全く同じなのだ。何らかの関係があるのではと確認の意味も含めて初訪問を試みた。

前食から2時間半もすると胃袋にも余裕が出てきたので、まだ小雨のやまない空を憎みながらホテルをチェックアウトした。午前中に利用した北口バス停とは反対の南口から出発するバスに乗るために、少し分かりづらい荻窪電話局バス停に向かった。駅の出口から離れているので迷いながらも関東バス 荻58系統 北野行きに乗車すると30分で最寄りの千歳烏山駅バス停に着いたが、やはりバスの縦軸へのアクセスの利便性の良さを実感する

そこからは歩いて千歳烏山駅をまたぐように南口の方へ進んで行くと、赤レンガ調の飲食ビルの一階に白提灯と白暖簾が掛かったコチラを見つけた。白提灯には屋号の他に「煮干し」と大きく書かれているので、店のイチオシは煮干し系と思いながら真新しい暖簾をくぐった。

店内に入ると入口右手に設置された券売機から本日のお題を品定めするが、左上段を飾るのは予想していた煮干し系ではなく醤油系の特製中華そばとなっている。いつもならばマイスタンダードの醤油系を選ぶのだが何故か提灯の煮干しの文字が気になったのと、煮干しのボタンには淡麗との説明書きがあるのを見てボタン設定では三番手に当たる表題のボタンを押した。もちろん今回は忘れる事なく味玉も追加発券して、カウンターに腰を下ろして店内を見渡してみる。

アンティーク調の白木がオシャレに映る今風の店内を、本日は若い男性お二人で回している。カウンターと二人掛けの小さなテーブルが設けられたこじんまりとした店内たが、しっかりと中待ちイスも置かれている。本日の客層は近くの学校の高校生男女四人組が部活帰りのようで、つけ麺を楽しそうに食べている。そんな若者たちの姿をうらやましく思いながら待っていると、着席して7分で我が杯が到着した。

その姿は白磁の切立丼の中で〝またおま〟と〝不信感〟が入り混じった表情をしているので、思っていたものと全く違って見えた。最初に思ったのはオーダーミスではないかと思ってしまう程に、煮干し系を注文したはずが巷で流行りの〝鶏と水系〟に見えてしまった。さらには鮮明に個性を主張する具材がピンク色のナルトで、見た目のインパクト狙いだけならば必要のないナルトをティッシュに包んで回避させた。この時点で下井草の同店名のラーメン店とは無関係だろうと思えるくらいにビジュアル的には大きく違っていた。見た目は鶏と水系だが鼻先に届く香りは煮干しなので、オーダーミスではないと確信してレンゲを手にした。

まずは赤錆色のスープをひとくち。券売機の説明通りに淡麗のに文字がフィットする液面には、わずかな煮干し由来の水泡とマーブル模様の香味油が浮かんで見える。煮干し系の中でも透明感のあるスープにレンゲを沈めると、レンゲを持つ指先に係る抵抗が少なくスープが注がれてきた。

来店前は屋号の〝TORICO〟から鶏出汁のラーメンを予想して来たが店頭の提灯に書かれた煮干しの文字に惑わされ、目の前に現れたラーメンの姿に再び鶏と水系を思わされた。しかし実際の香りとしては煮干し系を認めざるを得ない現実が待っているという、二転三転する事実をようやく飲み込んでからスープを口に含んだ。唇に伝わったきたのはスープの熱さは別にして、最初に味覚として感じたのは〝旨み〟ではなく〝苦み〟だった。それはスープからと言うよりは香味油から感じられた苦みのように思われ、低温抽出された煮干オイルだろうか。しかし苦みと言っても不必要なエグ味は含んでおらず、キレの良い苦みだった。カウンターの後ろには産地の異なる煮干しの箱が積まれてあり、卓上のウンチクには〝動物系不使用〟となっているので煮干しを軸とした魚介オンリーなスープと思われる。広島産や長崎産を中心にした煮干しの仕入れルートの中に、長崎県の小佐々産のアジ干しの箱も見られた。煮干し一辺倒な味わいに思えないのはサッパリとしたアジ干しや、干し椎茸などの旨みも含まれているからだろう。そこに合わせるカエシも煮干しの塩分を考慮して、塩気が強く出過ぎないように計算されていると思った。アニマルオフでも深みのあるスープに麺の受け入れ態勢が整ったところでレンゲを箸に持ち替えた。

麺上げまで実質45秒と思われる麺を引き上げてみると、店内に積まれたお馴染みの黄色い製麺所だと分かる中細ストレート麺が現れた。切刃のエッジが立った麺肌は黄色みの中に全粒粉のフスマが見え、スープの中でも独特の色彩を放っている。箸先には低加水の軽やかな感覚が伝わってきて凛としたハリを感じる麺質となっているが、多少のパサつきが懸念されるタイプの麺にも思えた。そんな身軽い麺を一気にすすり込むと軽快な口当たりではあるが粉々しい感覚はなくパサついた印象も残さずに、切刃のシャープさだけを感じさせながら滑り込んできた。ハリはあるが決して硬茹でとは違う、初動にアジャストさせた茹で加減となっている。かと言って麺がすぐにダレそうではない芯の強さも持っており、中盤以降の麺質の変化が楽しみに思える良い印象から始まった。微かにだけ感じる麺肌の凹凸がスープを持ち上げてくるのでスープとの一体感もあり、すすり上げる度に煮干しの軽やかな苦味も寄り添ってくる。適度な弾力を生んだ麺を噛みつぶせば、小麦の甘みとスープの塩気が二重奏を織り成しながら喉の奥へと消えていく。

具材のチャーシューは豚肩ロースの低温調理が薄切りながら大判で二枚も盛り付けられていて、レアチャーシューらしい美しいロゼ色を発している。今や全国区となった低温調理のチャーシューで一番心配なのは、調理温度や加熱時間が足りずに半ナマ状態で提供される事だ。そんな心配をしながら口に含んでみると、見た目には脂身とスジが多く入っていたが硬さはなく薄切りの効果が出ている。下味のソミュール液の浸透も適度で旨みも乗っているが、食べ応えとしては物足りなさを感じてしまった。こればかりは薄切りチャーシューに求めてはいけないだろうが、硬さはないが歯応えは楽しめれば申し分ないと勝手気ままなワガママを思ってしまった。

しかし追加した味玉には新たな発見があり驚かされた。それは今までは黄身にばかりフィーチャーしてしまっていたが、今回は白身に注目してしまう味玉に出会った。アンバーカラーなパッと見には白身に移った醤油の色素の濃さからは醤油感を押し出した味玉かと思ったが、食べてみると出汁の含みが目を見張る。漬けダレには醤油よりも昆布出汁が効いており、塩気よりも旨みの方が優っている。それでいて白身本来の持つ旨みも残してある仕上がりには、他では味わえない美味しさを知った。もちろん黄身のゲル化も適度でネットリとした甘みが出ているが、やはり主役は黄身ではなく白身だと初めて思った味玉だった。

今やレアチャーシューとのコンビ化が定番となった穂先メンマも優しい味付けと軽い食感で脇役に徹しているが、柔らかすぎるとも感じるくらいに下処理がされていた。穂先が柔らかなのは良いが、茎の部分にはもう少し歯応えがあった方が歯切れの良さを生んでくれると思った。

薬味の玉ねぎアッシェは切り口がみずみずしくて果物のような潤いがあり、甘みと辛みの両面を持ち合わせた味わいがアクセントとなってくれた。また適度な歯触りや食感も心地よく、ここでも煮干し系との相性の良さを十分に発揮していた。それに反して青み役の三つ葉は葉先の部分だけを添えてあるが、かなりの分量なのでスープに香りが移り過ぎてサポート以上に邪魔をしているように感じてしまった。

中盤からもスープと麺の一体感は増してきて、少しばかり肥えた麺質がグルテンの弾力を増していた。この頃には初見で感じた麺肌の凹凸も膨れて丸みのある滑らかな口当たりに変化していた。もともとニボ耐性の弱い私にでも受け入れらるスープと相性抜群の麺との組み合わせに感謝しながら平らげて箸とレンゲを置いた。

同じ麺を使用しているか分からないが、次回は基本の醤油系も食べてみたいと思いながら店を後にした。後客こそ来なかったが、遠くから足を運ぶと言うよりは地元に根付いた店になりそうな気がした一杯でした。

投稿(更新) | コメント (4) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

煮干の味も千差万別で本来の出汁の旨味に回る煮干ラーメンがあったことを最近しりました。
カタクチイワシだけでなく、平子や白口煮干しなどで味の表情が違ってくるようです。
ニボラーはインパクトを求めがちですが、こういうセメントではない半濁清湯は好きなタイプです。

昭和のBecky! | 2019年8月30日 13:44

どうしたんですか、真面目なコメントなんかくれちゃって。全くイジられないと気味が悪いじゃないですかw
少しの誤植や書き違えではレビューを更新する事はないのですが、今回もスープの色をベキさんにイジられないとように後回しにして書き忘れていたので書き足して更新しましたよ。それでイジられずに済んだのかもw
私も〝よしかわ〟で食べた煮干しでイメージが変わったのを思い出しました。確かに煮干しと言っても、ひとくくりには出来ませんよね。

のらのら | 2019年8月30日 14:56

最初に「色」で検索かけたらヒットしなかったのでやめたんです。
赤錆色とはあまり食品の色に相応しくないです。
今回は、これだ!『ピンク色の必要のないナルトをティッシュに包んだ』
昔、付き合っていた彼女が家に遊びに来てトイレを使い、次に入った瞬間トイレットペーパーが三角形に折られてホテルのようになってたのがショックでした。デリヘ◯じゃあるまいし遊んでるな...。
いやいやナルトをティッシュに包むなての!!

昭和のBecky! | 2019年8月30日 19:27

そう言われると卑猥な文面に見えてきますね。さすがはベキさん、私の上を行く妄想っぷりですねw今回もしてやられました。

のらのら | 2019年8月31日 14:11