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「中華そば  ¥850+味玉 ¥100」@麺匠 三はしの写真平日 曇天 14:00 先客3名 後客3名

〝ニューオープン 探検記〟

中央前橋駅にオープンした「上州麺処 石川商店」にて新店参りを終えてから、往路と同じくバスルートで前橋駅を経由して両毛線で高崎駅まで戻ってきた。都内へと帰る新幹線を待つ間にコーヒーを飲みながら思い付いたのが、こちらへの連食計画だった。

RDBの新店情報で見つけたこちらは今月の初旬に都内の四谷から移転してきた店のようだが、恥ずかしながら移転前には訪れた事が無いばかりか名前さえも耳にした事が無かった。お店情報を見ると、もりそばが主軸となっているようだがメニューには中華そばも存在しているので不安はあるが初訪問を決めたのだった。

急遽決めた訪問なので少し先を急ぐ必要があり、たった一駅ではあるが上越新幹線を利用する事にした。高崎 12:38発 とき318号にて25分で大宮駅に着くと、高崎線に乗り換えて赤羽駅へ、そこからは京浜東北線で川口駅までやって来た。東口バス停からは国際興業バス 川07系統 サンタピア行きに乗車すると15分ほどで最寄りの八幡木中学校入口バス停に、前食の中央前橋駅から6路線を股にかけて3時間近くでようやくたどり着いた。

最後のバスの車内から川口駅近くにも「AFURI」がオープンしたのかと思って看板をよく見てみたら、個人住宅ローンを扱う「ARUHI」だった。バス停を降りると、目と鼻の先には開店祝いの花で埋め尽くされた店が見えてきた。黒い三角屋根の立派な一軒家で、移転前の四谷では考えられない程の贅沢な店構えとなっている。店先に暖簾は出ていないが「営業中」と木彫りされたオブジェと、製麺所の立て看板が立っていたので昼の部に間に合ったようだ。

店内に入ると正面の券売機から決めておいたお題のボタンを探してみるがオススメである、もりそばに追いやられるように下の方に設定されていた。追加で味玉のボタンも押して、木製のベンチタイプのカウンター席に座り店内を見渡してみる。

客席にはテーブル席でなく小上がりの座敷があり、小さなお子さま連れにはありがたい造りとなっている。L字カウンターの中が調理場となっているが、奥にも広いスペースがありそうなので仕込み場になっているのだろうか。とにかくゆったりとした広い間取り店主さんの夢と願いが詰まっているようだ。そんな店主さんは屋号の入った黒いポロシャツユニフォームで淡々と調理をこなしていて、明るいホールスタッフさんは地元客とのやり取りにも親しみやすさがある。調理場内は無機質なステンレスが鈍く光りを放ち、客席は木の温もりを感じさせてくれる。本日はそんな店内をお二人で切り盛りされていて調理に専念する店主さんの無骨さと接客担当の明るいスタッフさんとの組み合わせが、無機質な調理場と有機質な客席とリンクしているようで面白い。そんな都心では味わえない凛としていながらも和やかな雰囲気の中で待っていると、着席して8分で我が杯が到着した。

その姿は黒釉薬の八角丼の中で、黒い器に相対する暖かな色合いの景色を見せている。つけ麺タイプがイチオシの店のラーメンとしては、表層に節粉が浮いていない清らかな表情に思えた。今回こそは持論である〝つけ麺推し店のラーメンは不味い〟が払拭されるかもと期待を寄せて黒いレンゲを手にした。

まずは丁子色のスープをひとくち。器の中では大きな具材が液面を占領しているので、レンゲを沈める場所が限られている。そんな中から少ないエリアを見つけてレンゲをそっと忍ばせると、ゆっくりと濃度を感じさせながらレンゲの中にスープが注がれてきた。すでに動物系由来の香りが立ち昇ってきて、野菜由来のトロみのような粘度も感じられる。いざスープを口に含むと、メラミン製のレンゲを介してでも唇を焼くような熱さが伝わってくる。スープの粘着質が更に熱さを感じやすくさせていて、味覚が作用せずに飲み込んでしまった。ふたくち目こそは良く冷ましてから味わってみると、豚骨や鶏ガラと思われる土台の後ろには乾物由来の旨みも感じる。また野菜の甘みと香味油の甘みが味わいの先頭を切ってくるが、その甘みに隠れた塩分の強さもかなり感じた。口当たりはオイリーであるが喉越しはサラリとして、馴染みやすいだけに味の濃さが中年男子には堪えるスープだ。

麺上げまでジャスト220秒の平打ち麺を持ち上げると透明感と黄色みを併せ持った北海道の麺を思わせるが、調理場に積まれた麺箱を見ると北海道ではなく関東の製麺所で作られた麺だった。その箸先には重みが掛かってくるので加水率は高そうで、麺肌に玉取りの後が波状に残っているのでストレート麺とは違った表情を見せる。麺肌に浮かんだ切刃のエッジを楽しむように麺を一気にすすり上げると、期待通りのシャープな口当たりの上に非常に滑らかなすすり心地の良さが訪れた。適度に溶け始めた麺肌のグルテンと香味油が潤滑油となって、麺の滑り込むスピードに拍車をかける。しなやかな口当たりで勢いよく飛び込んできた麺を噛みつぶすと、もっちりと奥歯を押し返しながらも歯切れの良さも持ち合わせた素晴らしい麺を楽しんだ。店主さんの麺選びの目利きの良さを思わずにはいられなかった。

具材のチャーシューには豚肩ロースの煮豚型が大判ではあるが、かなりの薄切りで盛り付けてある。最初の見た目のインパクトのままに食べてみると、味の方は印象はそれ程でもなかった。スープが強気な設定なので敢えて控えめな味付けにされているのかもしれないが、豚肉本来の旨みも煮汁に奪われてしまったようで物足りなさだけが残ってしまう。また柔らか仕上げなので食べ応えもなく、赤身肉のポテンシャルは鳴りを潜めていた。

メンマは中サイズの板メンマで仕込まれていて、適度な硬さを残した食感が途中途中でアクセントになってくれた。

追加した味玉は半カットされて入っているが、残念ながら普通の半熟ゆで卵がほんのり色づいた程度の出来栄えだった。これらの具材陣の薄味はスープの塩分に配慮された味付けなのだろうか、箸休め的な食べ方とすれば丁度良いのかもしれない。しかし単体で食べると味気なさの方が強く感じてしまう。

器の色に同化して見えづらいが十字4切と大判の海苔が口縁に添えてあるが、とても硬く口溶けの悪さが舌に残る。香りはあるので品質が悪い訳ではなく、最旬期を過ぎて収穫された春先の海苔かと思われる。巻き寿司などには最適だがラーメンの中には向いていない気がする海苔と思った。

薬味の白ネギの小口切りは少なめに添えてあったので持ち味を味わえないままに消えていた。

序盤からスープ自体は諦めて食べ進めたが、麺だけは十分に楽しんで平らげていた。やはり、もりそばが主軸なだけあってスープの塩分設定は高かったようで残念だ。

食べ終える直前に地元の広報誌か何かの取材の申し入れの電話がかかっていたので、何かしらの媒体に出るとなれば行列は必至だと思うのでオープン直後に初訪問を果たして良かったと思う一杯でした。

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