レビューやランキングで探す、日本全国ラーメン情報
平日 晴天 10:05 先客5名 後客1名〝ニューオープン 探検記〟横浜での新店情報を見つけて昨晩は、綱島にオープンした「家系 麺場寺井 」を初訪問した後に東急東横線にて、みなとみらい駅までやって来た。というのも、昨日は三店舗の新店めぐりを終えたが、その内の二食が不得手な家系タイプだったので胃袋が悲鳴をあげていたのだ。その疲れを少しでも癒そうと思い、みなとみらいの大型温泉施設を訪れた。実は小田原の系列店には何度かお世話になっているのだが、こちらへは初めての訪問となる。平日の夕方6時の受付段階で、すでに混み合っていて人気の高さを物語っている。客層は男女共用施設だけあって若者カップルや、女子会らしい団体も多く見られる。あとは余生を楽しむ老夫婦が半数を占め、私クラスの中年層は数人しか確認できなかった。ひとまずは大浴場へと向かってみたが、小田原の施設の倍以上はある大きな規模に驚いた。横浜湾岸を眺められる露天風呂も壮観だが、なんと言っても圧巻だったのはサウナ室の広さである。広さというよりは高さと表現した方が正しいような、五段飾りのひな壇が目の前に高くそびえ立っている。都内では三段もあれば十分に大きいサウナ室であるが、それを遥かに上回る五段目の最上段に座ってみる。分子レベルの話になるが空気の重さの軽い熱気は、重さのある冷気よりも上昇しようとするので、物理上サウナの最上段が最も高温になるのだ。そんな雛飾りでいうならば、お内裏さまのポジションである最上段に座ってはみたが、現実のサウナ内は最下部の五人囃子はおろか三人官女も初老の男性が陣取っている。極め付けは麗しき、お雛さまが座っているはずの最上段の隣り席にもオジサンが座っていた。混浴ではないので当然ではあるが、頑張って最上段に上がった甲斐のない光景を眺めるしかなかった。そんな現実を突きつけられながらも大浴場を満喫した後は、お決まりの食事処へと足を運んでみた。こちらの系列店のオススメすべき点は、各地で思考を凝らした食事メニューがある事だ。例えば小田原なら地魚の刺身や蒲鉾だったり、この日の横浜では本マグロの刺身が特別メニューとして登場していた。スタッフさんの話を聞けば、週末にマグロの解体ショーが行われたらしい。翌日に私が注文したマグロの赤身は悪く言えば残りものだが、値段に見合わない質の良さに驚いてしまった。もしかしたら程よく味の乗った本日のマグロの方が、赤身の旨さが詰まっていたのかもと思えるような味わいだった。このままではマグロレビューになりそうなので、興奮を押し殺してラーメンの話に戻してみる。RDBの新店情報で見つけたコチラは早朝6時からの営業とは知ってはいたが、食事処での深酒が響いてしまい、午前10時半過ぎにチェックアウトして店を目指した。そこからは新たなビルの建設が続き変わりゆく、みなとみらいを抜けて歴史のある建造物が残る馬車道エリアまで 20分程で歩いて行くと、ビル風に揺れる「営業中」と書かれた赤い幟旗が遠くに見えてきた。近寄ってみると、重厚な一枚板の看板には屋号が筆文字で書かれている。そんな高級感のある店先には、いくつもの疑問点が浮かんできた。それは「焼鳥 だるま」と書かれた看板を隠していたり、備長炭使用の立て札があったりと焼き鳥店の間借り営業を思わせる。しかしながら店頭には賞品サンプルの蝋細工が陳列されていたりと、間借りにしては本格的な部分が見られる。そんな店頭に置かれた商品サンプルの中から見当を付けて店内に入ると、これまた間借り営業としては珍しく小型の券売機が設置されていた。券売機の筆頭には流行りの昆布水つけ麺が鎮座していたが、あくまでマイスタンダードの醤油系を望んでハイエンドモデルの特製ボタンを発券してカウンターに腰を下ろした。そこから店内観察を始めると薄暗い照明の店内には、炭の香りが漂っているので焼き鳥屋なのは間違いないが、間借りなのか二毛作なのかは定かではない。どちらにしても驚いたのは、調理場内には専門店仕様のスープ炊き用の大型ガス台や、茹で麺機が置かれてあったので、本格的な厨房設備が準備されていた事だ。炭火焼用の焼き台は木の板で囲われていて、本来の役割とは違った形の作業台として機能している。客席のL字カウンターの背後には個室仕様の扉を外されたテーブル席もあり、明らかにラーメン店ではない店構えとなっている。そんなシックで落ち着きのある店内を、本日は作務衣姿のお二人で回している。まだオープンして間もないせいか、間借り営業での導線の悪さからだろうか分からないが、オペレーションの流れが悪い。チャーシューは切りたて、ワンタンは包みたてと要所に強いこだわりは持っているが作業が間に合っていない。随時ぎこちない補助役の作業を心配しながら眺めていると着席して15分以上もかかって、ようやく我が杯が到達した。その姿は高級感のある木製のお盆の上に置かれた白磁の切立丼の中で、とても特製とは思えない貧相な表情をしていた。それには訳があって心配されたオペレーション不足のせいで、基本で入っているはずのワンタンが間に合わず、後から別皿で提供するとの知らせがあった。更に味玉に関しては盛り付けを忘れられていて、私の方から催促したくらいだ。今回の写真は全ての具材の到着を待ってからオリジナルの盛り付けを独自でしたもので、特製の初期設定とは異なるものとなっている。ワンタンと味玉が到着するまでの、1分ほどのロスタイムを残念に思いながら木製お玉を手にした。まずは深みのある鳶色のスープをひとくち。こちらは和食の世界観を意識してだろうか陶器のレンゲではなく、味噌ラーメン店ではよく見かける木製のお玉を採用されている。熱々の味噌ラーメンだと、スープの熱が唇に触れる温度を緩和する作用があるが飲みづらさは否めない。今回もスープを飲むには適さない、お玉を薄っすらと香味油が浮かんだ液面に沈めてみた。すると破れた油膜の隙間を縫って、キリッとした醤油の香りが先陣を切って上がってきた。超有名な醤油蔵の醤油でカエシを仕込まれているようで、第一印象としては出汁よりもカエシが利いた香りである。いざスープを口に含んでみると、贅沢な食材を使用して仕込まれたスープの割には出汁の旨みも控えめだ。個性的な「軍鶏ロック」がウンチクには書かれてあったので濃厚な旨みを想像していたが、さっぱりと仕上げた丸鶏主体の出汁となっている。これも全てはカエシの醤油感を際立たせる設計図なのかも知れないが、旨みに深みや広がりは感じられず物足りなさを思ってしまった。余分な鶏油のコクなどで、ごまかしてない点は良かったと思いながらレンゲを箸に持ち替えた。麺の事を記す前に伝えておきたい事があるのだ。本日の二人体制はスープ張りと麺上げと盛り付けを担当する方と、具材の準備や配膳などのホール業務をする方の分業制を行なっていた。しかしお二人のタイミングが噛み合わず、麺上げされても具材が間に合っておらず、茹で上がった麺をシンクに捨てる光景も見られた。もちろん伸びたような麺を客に提供するような店ではないのは讃め称えるべきだが、もう少しオペレーションの連携を見直した方が、最高の状態のラーメンを全ての客に提供できるのではないだろうか。今回もワンタンなどを待つタイムロスでベストの状態ではない事を承知して麺を持ち上げてみた。麺上げまでジャスト60秒の茹で時間からも繊細さが期待される麺だけに、盛り付けの不手際が心配される。箸先には全粒粉のフスマの色合いが濃く現れた麺肌が見られるが、ハリやコシの強さは全く感じない。そんな中細ストレート麺を一気にすすり上げると、すでに麺肌には溶け出したグルテンが必要以上の粘りを発している。麺同士が癒着する程ではないが、口当たりの悪さに直結するような粘りを持っている。本来は滑らかさがウリと思われる麺質だが、今回は持ち味を発揮していなかった。軟弱な麺を噛みつぶすと、さすがは高級内麦を原料とした外注麺だけに、品のある小麦の香りと甘みが花を咲かせる。是非とも最高の麺ディションで味わってみたいと思える麺だっただけに、モヤモヤが募ってしまった。具材のチャーシューは特製ならではの豪華ラインナップで、部位や切り方の異なる三種類が盛り付けてある。低温調理で仕込まれた鶏ムネ肉から食べてみると、しっかりと食感が楽しめるように小ぶりながらも肉厚を持たせてスライスされてある。歯応えがありながらも、しっとりとした舌触りが心地良く下味も肉の中心にまで浸み込んでいた。あと二つはどちらも豚肩ロースのレアチャーシューだが、切り方を変えて盛り付けてある。電動スライサーで切り立てに拘った薄切りチャーシューは慌ててスライスされたのか、クズ肉のように見栄えの悪い仕上がりとなっている。盛り付け直前に包丁でカットされた厚切りの方は、肉質が締まっていて硬さすら感じてしまった。味つけが良かっただけに、拘りの切り立てが裏目に出てしまった。提供のタイミングこそ遅れてしまったが、包みたてのワンタンは素晴らしい出来栄えで、ワンタン皮と餡のバランスも優れていた。鶏ひき肉と海老を叩いて合わせた餡は、双方の良い所が活かされていた。鶏ひき肉のコクのある旨みと海老の香りと食感が相まって、喉越しの良いワンタン皮に包まれ持ち味を発揮していた。ワンタンの仕上がりの良さに比べて、入れ忘れられていた味玉は残念な出来だった。本来は温め直されて盛り付けられているのかも知れないが、私の催促に慌てて別皿で提供されたので冷たいままだった。漬けダレの浸透や熟成度は低いが卵本来の質が非常に良いので、半熟ゆで卵としては満点だが、味玉としては物寂しさが残る。こちらでも銀座の人気店のようにナルトを縦切りして結んだ、ビジュアル重視の具材として添えてあったが初見の段階で除外しておいた。青み役には坦々麺のように青梗菜が長く添えてあったり、薬味にも九条ねぎの笹切りや細かく刻まれた赤玉ねぎが入っている。バラエティに富んだ薬味陣で、いずれも見た目の美しさをアピールする色合いであるはずが、盛り付けに繊細さや丁寧さがないので決して美しくは見えない。今回はイレギュラーだらけのラーメンだったので本来の完璧な姿ではないと思われるが、目の前のラーメンに対する評価は個人的には残念な結果となってしまった。つけ麺が主体の店のようだが流行りの要素を取り入れ過ぎて、一つ一つのクオリティが追いついていないように感じる。それがラーメンの中にも現れていて、やりたい事が大渋滞を起こしているようだ。そこには店主さんの思いが詰まっているとは感じるので、オペレーションが整ってくれば見た目の美しさや具材のクオリティも上がってくると思える一杯でした。
〝ニューオープン 探検記〟
横浜での新店情報を見つけて昨晩は、綱島にオープンした「家系 麺場寺井 」を初訪問した後に東急東横線にて、みなとみらい駅までやって来た。
というのも、昨日は三店舗の新店めぐりを終えたが、その内の二食が不得手な家系タイプだったので胃袋が悲鳴をあげていたのだ。その疲れを少しでも癒そうと思い、みなとみらいの大型温泉施設を訪れた。実は小田原の系列店には何度かお世話になっているのだが、こちらへは初めての訪問となる。平日の夕方6時の受付段階で、すでに混み合っていて人気の高さを物語っている。客層は男女共用施設だけあって若者カップルや、女子会らしい団体も多く見られる。あとは余生を楽しむ老夫婦が半数を占め、私クラスの中年層は数人しか確認できなかった。
ひとまずは大浴場へと向かってみたが、小田原の施設の倍以上はある大きな規模に驚いた。横浜湾岸を眺められる露天風呂も壮観だが、なんと言っても圧巻だったのはサウナ室の広さである。広さというよりは高さと表現した方が正しいような、五段飾りのひな壇が目の前に高くそびえ立っている。都内では三段もあれば十分に大きいサウナ室であるが、それを遥かに上回る五段目の最上段に座ってみる。分子レベルの話になるが空気の重さの軽い熱気は、重さのある冷気よりも上昇しようとするので、物理上サウナの最上段が最も高温になるのだ。
そんな雛飾りでいうならば、お内裏さまのポジションである最上段に座ってはみたが、現実のサウナ内は最下部の五人囃子はおろか三人官女も初老の男性が陣取っている。極め付けは麗しき、お雛さまが座っているはずの最上段の隣り席にもオジサンが座っていた。混浴ではないので当然ではあるが、頑張って最上段に上がった甲斐のない光景を眺めるしかなかった。
そんな現実を突きつけられながらも大浴場を満喫した後は、お決まりの食事処へと足を運んでみた。こちらの系列店のオススメすべき点は、各地で思考を凝らした食事メニューがある事だ。例えば小田原なら地魚の刺身や蒲鉾だったり、この日の横浜では本マグロの刺身が特別メニューとして登場していた。スタッフさんの話を聞けば、週末にマグロの解体ショーが行われたらしい。翌日に私が注文したマグロの赤身は悪く言えば残りものだが、値段に見合わない質の良さに驚いてしまった。もしかしたら程よく味の乗った本日のマグロの方が、赤身の旨さが詰まっていたのかもと思えるような味わいだった。
このままではマグロレビューになりそうなので、興奮を押し殺してラーメンの話に戻してみる。
RDBの新店情報で見つけたコチラは早朝6時からの営業とは知ってはいたが、食事処での深酒が響いてしまい、午前10時半過ぎにチェックアウトして店を目指した。そこからは新たなビルの建設が続き変わりゆく、みなとみらいを抜けて歴史のある建造物が残る馬車道エリアまで 20分程で歩いて行くと、ビル風に揺れる「営業中」と書かれた赤い幟旗が遠くに見えてきた。近寄ってみると、重厚な一枚板の看板には屋号が筆文字で書かれている。そんな高級感のある店先には、いくつもの疑問点が浮かんできた。
それは「焼鳥 だるま」と書かれた看板を隠していたり、備長炭使用の立て札があったりと焼き鳥店の間借り営業を思わせる。しかしながら店頭には賞品サンプルの蝋細工が陳列されていたりと、間借りにしては本格的な部分が見られる。そんな店頭に置かれた商品サンプルの中から見当を付けて店内に入ると、これまた間借り営業としては珍しく小型の券売機が設置されていた。券売機の筆頭には流行りの昆布水つけ麺が鎮座していたが、あくまでマイスタンダードの醤油系を望んでハイエンドモデルの特製ボタンを発券してカウンターに腰を下ろした。
そこから店内観察を始めると薄暗い照明の店内には、炭の香りが漂っているので焼き鳥屋なのは間違いないが、間借りなのか二毛作なのかは定かではない。どちらにしても驚いたのは、調理場内には専門店仕様のスープ炊き用の大型ガス台や、茹で麺機が置かれてあったので、本格的な厨房設備が準備されていた事だ。炭火焼用の焼き台は木の板で囲われていて、本来の役割とは違った形の作業台として機能している。客席のL字カウンターの背後には個室仕様の扉を外されたテーブル席もあり、明らかにラーメン店ではない店構えとなっている。そんなシックで落ち着きのある店内を、本日は作務衣姿のお二人で回している。まだオープンして間もないせいか、間借り営業での導線の悪さからだろうか分からないが、オペレーションの流れが悪い。チャーシューは切りたて、ワンタンは包みたてと要所に強いこだわりは持っているが作業が間に合っていない。随時ぎこちない補助役の作業を心配しながら眺めていると着席して15分以上もかかって、ようやく我が杯が到達した。
その姿は高級感のある木製のお盆の上に置かれた白磁の切立丼の中で、とても特製とは思えない貧相な表情をしていた。それには訳があって心配されたオペレーション不足のせいで、基本で入っているはずのワンタンが間に合わず、後から別皿で提供するとの知らせがあった。更に味玉に関しては盛り付けを忘れられていて、私の方から催促したくらいだ。今回の写真は全ての具材の到着を待ってからオリジナルの盛り付けを独自でしたもので、特製の初期設定とは異なるものとなっている。ワンタンと味玉が到着するまでの、1分ほどのロスタイムを残念に思いながら木製お玉を手にした。
まずは深みのある鳶色のスープをひとくち。こちらは和食の世界観を意識してだろうか陶器のレンゲではなく、味噌ラーメン店ではよく見かける木製のお玉を採用されている。熱々の味噌ラーメンだと、スープの熱が唇に触れる温度を緩和する作用があるが飲みづらさは否めない。今回もスープを飲むには適さない、お玉を薄っすらと香味油が浮かんだ液面に沈めてみた。すると破れた油膜の隙間を縫って、キリッとした醤油の香りが先陣を切って上がってきた。超有名な醤油蔵の醤油でカエシを仕込まれているようで、第一印象としては出汁よりもカエシが利いた香りである。いざスープを口に含んでみると、贅沢な食材を使用して仕込まれたスープの割には出汁の旨みも控えめだ。個性的な「軍鶏ロック」がウンチクには書かれてあったので濃厚な旨みを想像していたが、さっぱりと仕上げた丸鶏主体の出汁となっている。これも全てはカエシの醤油感を際立たせる設計図なのかも知れないが、旨みに深みや広がりは感じられず物足りなさを思ってしまった。余分な鶏油のコクなどで、ごまかしてない点は良かったと思いながらレンゲを箸に持ち替えた。
麺の事を記す前に伝えておきたい事があるのだ。本日の二人体制はスープ張りと麺上げと盛り付けを担当する方と、具材の準備や配膳などのホール業務をする方の分業制を行なっていた。しかしお二人のタイミングが噛み合わず、麺上げされても具材が間に合っておらず、茹で上がった麺をシンクに捨てる光景も見られた。もちろん伸びたような麺を客に提供するような店ではないのは讃め称えるべきだが、もう少しオペレーションの連携を見直した方が、最高の状態のラーメンを全ての客に提供できるのではないだろうか。今回もワンタンなどを待つタイムロスでベストの状態ではない事を承知して麺を持ち上げてみた。
麺上げまでジャスト60秒の茹で時間からも繊細さが期待される麺だけに、盛り付けの不手際が心配される。箸先には全粒粉のフスマの色合いが濃く現れた麺肌が見られるが、ハリやコシの強さは全く感じない。そんな中細ストレート麺を一気にすすり上げると、すでに麺肌には溶け出したグルテンが必要以上の粘りを発している。麺同士が癒着する程ではないが、口当たりの悪さに直結するような粘りを持っている。本来は滑らかさがウリと思われる麺質だが、今回は持ち味を発揮していなかった。軟弱な麺を噛みつぶすと、さすがは高級内麦を原料とした外注麺だけに、品のある小麦の香りと甘みが花を咲かせる。是非とも最高の麺ディションで味わってみたいと思える麺だっただけに、モヤモヤが募ってしまった。
具材のチャーシューは特製ならではの豪華ラインナップで、部位や切り方の異なる三種類が盛り付けてある。低温調理で仕込まれた鶏ムネ肉から食べてみると、しっかりと食感が楽しめるように小ぶりながらも肉厚を持たせてスライスされてある。歯応えがありながらも、しっとりとした舌触りが心地良く下味も肉の中心にまで浸み込んでいた。あと二つはどちらも豚肩ロースのレアチャーシューだが、切り方を変えて盛り付けてある。電動スライサーで切り立てに拘った薄切りチャーシューは慌ててスライスされたのか、クズ肉のように見栄えの悪い仕上がりとなっている。盛り付け直前に包丁でカットされた厚切りの方は、肉質が締まっていて硬さすら感じてしまった。味つけが良かっただけに、拘りの切り立てが裏目に出てしまった。
提供のタイミングこそ遅れてしまったが、包みたてのワンタンは素晴らしい出来栄えで、ワンタン皮と餡のバランスも優れていた。鶏ひき肉と海老を叩いて合わせた餡は、双方の良い所が活かされていた。鶏ひき肉のコクのある旨みと海老の香りと食感が相まって、喉越しの良いワンタン皮に包まれ持ち味を発揮していた。
ワンタンの仕上がりの良さに比べて、入れ忘れられていた味玉は残念な出来だった。本来は温め直されて盛り付けられているのかも知れないが、私の催促に慌てて別皿で提供されたので冷たいままだった。漬けダレの浸透や熟成度は低いが卵本来の質が非常に良いので、半熟ゆで卵としては満点だが、味玉としては物寂しさが残る。
こちらでも銀座の人気店のようにナルトを縦切りして結んだ、ビジュアル重視の具材として添えてあったが初見の段階で除外しておいた。
青み役には坦々麺のように青梗菜が長く添えてあったり、薬味にも九条ねぎの笹切りや細かく刻まれた赤玉ねぎが入っている。バラエティに富んだ薬味陣で、いずれも見た目の美しさをアピールする色合いであるはずが、盛り付けに繊細さや丁寧さがないので決して美しくは見えない。
今回はイレギュラーだらけのラーメンだったので本来の完璧な姿ではないと思われるが、目の前のラーメンに対する評価は個人的には残念な結果となってしまった。
つけ麺が主体の店のようだが流行りの要素を取り入れ過ぎて、一つ一つのクオリティが追いついていないように感じる。それがラーメンの中にも現れていて、やりたい事が大渋滞を起こしているようだ。そこには店主さんの思いが詰まっているとは感じるので、オペレーションが整ってくれば見た目の美しさや具材のクオリティも上がってくると思える一杯でした。