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平日 晴天 13:20 先客7名 後客2名〝ニューオープン 探検記〟午前中に八王子の新店を訪ねた後、この一週間で三たび練馬駅へと向かう事にしてみた。実は開店してからコチラへは二度も訪問しているのだがオープン当初は、つけそばと油そばだけの提供のみで、マイスタンダードのラーメンの販売がなかった為に、二度とも退散した曰く付きの新店なのだ。そこで本日もダメ元で〝三度目の正直〟となるか〝二度あることは三度ある〟になるかと、不安を抱えたまま前食を終えたばかりの八王子駅を出発した。本来ならば中央線を利用して新宿経由の大江戸線で練馬駅へ向かうのが最短ルートだが、連食への時間稼ぎのために、移動時間はかかるが最安値ルートで向かう事にした。八王子駅からは八高線で拝島駅へ、そこからは西武拝島線に乗り換え小川駅まで行き、西武国分寺線へ乗り継ぎ東村山駅まで来ると、今度は西武新宿線で所沢駅を経由して最後は西武池袋線で最寄駅の練馬駅まで1時間半 かけてやって来たのだった。普段は利用機会の少ない西武線を短時間で4路線も乗り継いだ。時間は無駄にしたが運賃は節約できたので、大満足で練馬駅南口を出た。もう三度目ともなれば、さすがにナビなしでも道順を覚えている。「おいしい街」とアーチに書かれた飲食店街の、中程にある店先までは迷う事なくやって来られた。前回訪問時の先週よりも開店祝いの花は枯れて少なくなり、華やかな開店ムードはなくなっている。二回もフラれている未売だったラーメンが、今回こそはメニューアップされている事だけを願って、店頭に置かれたメニュー看板を覗き込んだ。するとそこには前回同様、まさかの〝品切れ〟となっていた。ある程度は覚悟していたので、さほど気落ちする事もなく (嘘) 気を取り直して、せめて今回は店内の様子だけでも見ようと、ガラス越しに中を覗いてみた。すると入口近くの男性客が丼を両手で持ち上げ、スープを飲んでいるような仕草が見えた。つけそばの器にしては大きく、油そばならばスープを飲む事はないだろうと不審に思い、念のため券売機を確認する為に店内に入ってみた。入口左手に設置された券売機は、ほとんどのボタンが品切れを意味する × 印になっていたが、私の望んでいたラーメンの「煮干そば」は品切れではなかった。単に店頭メニューが書き換えられてなかっただけのようだ。あまりの急な展開に取り乱しそうになったが、あくまで冷静を装って確認のためにスタッフさんに尋ねてみた。「今日は、つけそば以外もありますか?」なんとも卑怯な聞き方である。素直に「煮干そば、ありますか?」と聞けばいいものを、品切れや未売を恐れて姑息な問い方をしてしまった。すると「ありますよ」と素っ気ない返事が返ってきたが、やっとの思いで出会える事を喜んで味玉入りのボタンを押した。空いているカウンターに座り、食券を手渡してから店内観察を開始する。レンガ造り風の壁紙が貼られた奥へと細長い店内には、L字カウンターとテーブル席が設けてある。そんな店内を本日は二人体制で回しているが、不思議な事に厨房内には新店舗のような新しさや清潔感がないので居抜き物件なのだろうか。系列店には何度か行った事があるが、乱雑に置かれた什器や備品がイメージと全く違う。オシャレで清潔感のある系列店とのギャップに戸惑いながら待っていると、着席して10分で我が杯が到着した。その姿は受け皿に乗った白磁の切立丼の中で、大胆と言うよりかは丁寧さを欠いた盛り付けが悪印象を残した。それは調理工程を見ていても思ったが、食品を扱う意味を問いたくなるような仕事ぶりだった。しかしながら環境面や衛生面を評価の対象としない方針なので、目の前のラーメンだけに集中すべくレンゲを手にした。まずはスープをひとくち。スープの色調が見えないくらいに、表層には厚手の油膜や豚背脂が浮かんでいる。そんな荒々しい大海原にレンゲを沈めると、ゆらゆらと大きく波を打った。その波のリズムに合わせて上がって来たのは、控えめにも思える煮干しの香りだ。見た目のヤンチャな印象とは違ったアプローチに驚きながらスープを口に含んでみると、軽やかな苦味を持った魚介出汁が口の中で花開いた。飲み干したレンゲの中を見ると、背脂を含んだ油膜がレンゲをコーティングして鈍い輝きを放っている。スープ自体に粘着性や濃度はないが、重たさを感じるのは香味油のせいだろうか。そんなインパクトのあるスープに合わせたカエシにも、塩っぱさというパンチが効いている。油分の甘みに隠れた不要な旨味も初動から強く感じたので、早々にスープは諦めてレンゲを箸に持ち替えた。麺上げまで 300秒のロングスパンで茹でられた麺を持ち上げると、黄色みを帯びた強太麺が現れた。箸先にかかる重みには、威圧感がある程の力強さを見せつけている。実は麺上げ作業の最中で、麺の仕上がりが心配になるような出来事があったのだ。円筒型のテボで引き上げられた麺を、すぐに盛り付けずに茹で麺機の上に30秒以上も放置されていたのだ。それはスープを小鍋で沸かし直すタイミングが合わなかったのが原因だった。そんなタイムロスで麺ディションが心配だったが、見た目や箸先の感覚では問題なさそうなので、ひとまずは安心して麺を楽しむ事にした。系列店と同じ木製のオリジナル麺箱を見れば、自ずと自家製麺への期待は高まるが実際には違うようだ。ひとくちで収まるように配慮された、切り出し20センチの麺を一気にすすり上げた。するとストレートな形状ながらも、麺の折り返し跡が唇を刺激しながら飛び込んできた。実際に食べてみても先程のタイムロスは影響がなかったと思える口当たりで、ノビやダレなど微塵も感じさせない。むしろ、まだ硬さが残っているような麺質だ。噛めばモッチリと奥歯に吸い付くような弾力をみせ、適度な歯切れの良さが楽しめる。噛みつぶした断面からは小麦の甘みが溢れてくるが、その甘みでは太刀打ち出来ないくらいにスープが強い。これをバランスが良いと思う人もいるだろうが、私には強すぎる塩分濃度で残念だ。具材のチャーシューは豚モモ肉で仕込まれていて、盛り付け直前に炙っていたのが印象的だ。昔ながらの七輪で、じっくりと塊肉の表面を炙ってからスライスされたチャーシューだ。よって香ばしさが食欲をそそり赤身肉ならではの食べ応えはあるが、舌触りにはパサつきを感じる。肉の旨みも飛んでいるように思うのは、肉汁が抜け落ちているからだろう。せっかくの拘りだが、炙りすぎたチャーシューは本来の持ち味を失っていた。追加した味玉は固茹でに近い下茹で加減で、ネットリとした黄身の舌触りを楽しむタイプではなかった。しかし卵本来の質が良く提供温度も常温まで戻っていたので、ゆで卵としては楽しめた。しかし味玉としての評価は残念ながら個人的には低くなった。厚みや幅が不揃いな板メンマは、その形状を利用してランダムな食感がアクセント役を務める。薄味仕立てなので強気なスープの中では箸休めとなって、口の中の疲れを緩和してくれた。海苔は提供時から器の口縁に張り付いており、剥がすのに苦労するほどだった。ようやく剥がした海苔に食感はなく、香りも乏しく存在感をアピールできていない。薬味には、白ネギの芯と青ネギの葉先や玉ねぎまでもが添えてあり、いずれにも手仕事感が出ていた。切り損じて蛇腹になった青ネギも、ご愛嬌といったところだ。それぞれの薬味が辛味や甘味、彩りといった各所で持ち味を見せていた。序盤から可能な限りスープを麺に絡めないようにして食べ進めたが、麺を平らげる前に味覚の方が白旗を上げてしまった。麺の印象が良かっただけに残念に思いながら箸とレンゲを置いてしまった。こちらのオープンが話題となって3週間が経ってしまったが、お目当てのラーメンに出会えた事だけは嬉しく思いながら店を後にした一杯でした。
〝ニューオープン 探検記〟
午前中に八王子の新店を訪ねた後、この一週間で三たび練馬駅へと向かう事にしてみた。
実は開店してからコチラへは二度も訪問しているのだがオープン当初は、つけそばと油そばだけの提供のみで、マイスタンダードのラーメンの販売がなかった為に、二度とも退散した曰く付きの新店なのだ。そこで本日もダメ元で〝三度目の正直〟となるか〝二度あることは三度ある〟になるかと、不安を抱えたまま前食を終えたばかりの八王子駅を出発した。
本来ならば中央線を利用して新宿経由の大江戸線で練馬駅へ向かうのが最短ルートだが、連食への時間稼ぎのために、移動時間はかかるが最安値ルートで向かう事にした。八王子駅からは八高線で拝島駅へ、そこからは西武拝島線に乗り換え小川駅まで行き、西武国分寺線へ乗り継ぎ東村山駅まで来ると、今度は西武新宿線で所沢駅を経由して最後は西武池袋線で最寄駅の練馬駅まで1時間半 かけてやって来たのだった。普段は利用機会の少ない西武線を短時間で4路線も乗り継いだ。時間は無駄にしたが運賃は節約できたので、大満足で練馬駅南口を出た。
もう三度目ともなれば、さすがにナビなしでも道順を覚えている。「おいしい街」とアーチに書かれた飲食店街の、中程にある店先までは迷う事なくやって来られた。前回訪問時の先週よりも開店祝いの花は枯れて少なくなり、華やかな開店ムードはなくなっている。二回もフラれている未売だったラーメンが、今回こそはメニューアップされている事だけを願って、店頭に置かれたメニュー看板を覗き込んだ。するとそこには前回同様、まさかの〝品切れ〟となっていた。
ある程度は覚悟していたので、さほど気落ちする事もなく (嘘) 気を取り直して、せめて今回は店内の様子だけでも見ようと、ガラス越しに中を覗いてみた。すると入口近くの男性客が丼を両手で持ち上げ、スープを飲んでいるような仕草が見えた。つけそばの器にしては大きく、油そばならばスープを飲む事はないだろうと不審に思い、念のため券売機を確認する為に店内に入ってみた。
入口左手に設置された券売機は、ほとんどのボタンが品切れを意味する × 印になっていたが、私の望んでいたラーメンの「煮干そば」は品切れではなかった。単に店頭メニューが書き換えられてなかっただけのようだ。あまりの急な展開に取り乱しそうになったが、あくまで冷静を装って確認のためにスタッフさんに尋ねてみた。
「今日は、つけそば以外もありますか?」
なんとも卑怯な聞き方である。素直に「煮干そば、ありますか?」と聞けばいいものを、品切れや未売を恐れて姑息な問い方をしてしまった。すると「ありますよ」と素っ気ない返事が返ってきたが、やっとの思いで出会える事を喜んで味玉入りのボタンを押した。
空いているカウンターに座り、食券を手渡してから店内観察を開始する。レンガ造り風の壁紙が貼られた奥へと細長い店内には、L字カウンターとテーブル席が設けてある。そんな店内を本日は二人体制で回しているが、不思議な事に厨房内には新店舗のような新しさや清潔感がないので居抜き物件なのだろうか。系列店には何度か行った事があるが、乱雑に置かれた什器や備品がイメージと全く違う。オシャレで清潔感のある系列店とのギャップに戸惑いながら待っていると、着席して10分で我が杯が到着した。
その姿は受け皿に乗った白磁の切立丼の中で、大胆と言うよりかは丁寧さを欠いた盛り付けが悪印象を残した。それは調理工程を見ていても思ったが、食品を扱う意味を問いたくなるような仕事ぶりだった。しかしながら環境面や衛生面を評価の対象としない方針なので、目の前のラーメンだけに集中すべくレンゲを手にした。
まずはスープをひとくち。スープの色調が見えないくらいに、表層には厚手の油膜や豚背脂が浮かんでいる。そんな荒々しい大海原にレンゲを沈めると、ゆらゆらと大きく波を打った。その波のリズムに合わせて上がって来たのは、控えめにも思える煮干しの香りだ。見た目のヤンチャな印象とは違ったアプローチに驚きながらスープを口に含んでみると、軽やかな苦味を持った魚介出汁が口の中で花開いた。飲み干したレンゲの中を見ると、背脂を含んだ油膜がレンゲをコーティングして鈍い輝きを放っている。スープ自体に粘着性や濃度はないが、重たさを感じるのは香味油のせいだろうか。そんなインパクトのあるスープに合わせたカエシにも、塩っぱさというパンチが効いている。油分の甘みに隠れた不要な旨味も初動から強く感じたので、早々にスープは諦めてレンゲを箸に持ち替えた。
麺上げまで 300秒のロングスパンで茹でられた麺を持ち上げると、黄色みを帯びた強太麺が現れた。箸先にかかる重みには、威圧感がある程の力強さを見せつけている。実は麺上げ作業の最中で、麺の仕上がりが心配になるような出来事があったのだ。円筒型のテボで引き上げられた麺を、すぐに盛り付けずに茹で麺機の上に30秒以上も放置されていたのだ。それはスープを小鍋で沸かし直すタイミングが合わなかったのが原因だった。そんなタイムロスで麺ディションが心配だったが、見た目や箸先の感覚では問題なさそうなので、ひとまずは安心して麺を楽しむ事にした。系列店と同じ木製のオリジナル麺箱を見れば、自ずと自家製麺への期待は高まるが実際には違うようだ。ひとくちで収まるように配慮された、切り出し20センチの麺を一気にすすり上げた。するとストレートな形状ながらも、麺の折り返し跡が唇を刺激しながら飛び込んできた。実際に食べてみても先程のタイムロスは影響がなかったと思える口当たりで、ノビやダレなど微塵も感じさせない。むしろ、まだ硬さが残っているような麺質だ。噛めばモッチリと奥歯に吸い付くような弾力をみせ、適度な歯切れの良さが楽しめる。噛みつぶした断面からは小麦の甘みが溢れてくるが、その甘みでは太刀打ち出来ないくらいにスープが強い。これをバランスが良いと思う人もいるだろうが、私には強すぎる塩分濃度で残念だ。
具材のチャーシューは豚モモ肉で仕込まれていて、盛り付け直前に炙っていたのが印象的だ。昔ながらの七輪で、じっくりと塊肉の表面を炙ってからスライスされたチャーシューだ。よって香ばしさが食欲をそそり赤身肉ならではの食べ応えはあるが、舌触りにはパサつきを感じる。肉の旨みも飛んでいるように思うのは、肉汁が抜け落ちているからだろう。せっかくの拘りだが、炙りすぎたチャーシューは本来の持ち味を失っていた。
追加した味玉は固茹でに近い下茹で加減で、ネットリとした黄身の舌触りを楽しむタイプではなかった。しかし卵本来の質が良く提供温度も常温まで戻っていたので、ゆで卵としては楽しめた。しかし味玉としての評価は残念ながら個人的には低くなった。
厚みや幅が不揃いな板メンマは、その形状を利用してランダムな食感がアクセント役を務める。薄味仕立てなので強気なスープの中では箸休めとなって、口の中の疲れを緩和してくれた。
海苔は提供時から器の口縁に張り付いており、剥がすのに苦労するほどだった。ようやく剥がした海苔に食感はなく、香りも乏しく存在感をアピールできていない。
薬味には、白ネギの芯と青ネギの葉先や玉ねぎまでもが添えてあり、いずれにも手仕事感が出ていた。切り損じて蛇腹になった青ネギも、ご愛嬌といったところだ。それぞれの薬味が辛味や甘味、彩りといった各所で持ち味を見せていた。
序盤から可能な限りスープを麺に絡めないようにして食べ進めたが、麺を平らげる前に味覚の方が白旗を上げてしまった。麺の印象が良かっただけに残念に思いながら箸とレンゲを置いてしまった。
こちらのオープンが話題となって3週間が経ってしまったが、お目当てのラーメンに出会えた事だけは嬉しく思いながら店を後にした一杯でした。