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「昭和のラーメン ¥850」@拉麺 時代遅れの写真土曜日 晴天 11:10 待ちなし 後客10名

〝第36回 RDBの超高性能スーパーコンピューターが算出したオススメ店は本当に私に合うのか!〟を久しぶりに開催する。

このイベントは、RDB PC版のオススメに挙がる六店舗から、その店のイチオシではなく自分の好きそうなメニューを食べて採点し超高性能スパコンとの勝敗を決めるものである。決してお店との勝負ではないのは理解していただきたい。

採点基準は90点以上付いたなら私のKO負け、80点以上ならば判定負け、70点台なら引き分けとし60点台なら判定勝ち、59点以下の点数ならば私のKO勝ちとする。

過去34戦の対戦相手は「風雲児 」「麵屋一燈 」「煮干しつけ麺宮元 」「竹末東京プレミアム 」「さんじ 」「麺処 晴」「燦燦斗」「神田 勝本」「中華そば屋 伊藤」「麺処 ほん田」「煮干中華ソバ イチカワ」「麺屋 和利道 warito」「らーめん 芝浜」「らーめん かねかつ」「狼煙〜NOROSHI〜」「ラーメン大至」「中華ソバ 伊吹」「麺処 朧月」「Bonito Noodle RAIK」「中華蕎麦 とみ田」「陽はまたのぼる」「神田とりそば なな蓮」「ソバダイニング クアトロ」「旬麺しろ八」「MENSHO」「麺小屋 てち」「らーめん 鉢ノ葦葉本店」「らぁ麺 飛鶏」「中華そば 勝本」「◯心厨房」「家系総本山 吉村家」「自家製麺 くろ松」「麺処 いち林」「miso style となみ」「AFURI 恵比寿」と名だたる有名店や人気店が並ぶが、通算対戦成績は35戦16勝10敗8分8KO勝ち1KO負け1没収試合と、スパコンのオススメに対しては勝利が先行している状況だ。

度重なる北関東遠征が事の発端となって、スパコンが無闇やたらにオススメ店を遠くのエリアに乱発してくるのだ。地方に行っては対戦し消えたかと思えば、また同じエリアのオススメ店が挙がってくる。こんなイタチごっこを繰り返している最中に、初挑戦を望んで向かったにもかかわらず、前回は花火大会で臨休の屈辱を味わったコチラへとリベンジに向かう覚悟を決めた。

そこで昨夜は久しぶりに上野のアジトである「サウナ&カプセルホテル 北欧」に前泊してから目指すとした。すでにこの施設は過去のレビューの中で幾度となく登場しているので省略するが、とても感慨深いシーンがあった事だけを書き記しておきたい。

週末の昨晩は大浴場の全ての棚が埋まってしまう程の大盛況ぶりだが、そのサウナブームの立役者とも言えるテレビドラマ「サ道」が最終回を迎えた。ドラマ内に登場する愛すべきサウナーである〝偶然さん〟ではないが、偶然にも食事処で生ビールを楽しんでいるとスタッフさんによってチャンネルが強制的に切り替えられた。そう最終回を放送するために全テレビから「サ道」が流れた。今回のサウナは西の聖地と呼ばれる九州 熊本の「湯らっくす」が取り上げられていた。実は私の知人がドラマ制作のスタッフの一人で、ロケ終了時から湯らっくすの素晴らしさを聞いていたので楽しみにしたのだ。そんな一度は訪れてみたいサウナを観ていると、ドラマの中でもホームサウナである上野のサウナが今回も登場した。しかも主人公たちが座っている食事処のテーブルと同じ席に私が座ってビールを呑んでいるのだ。こんな奇跡を味わえる事は非常に珍しくラーメン界で例えるならば、佐野氏が打った麺を山岸さんが炊いたスープに合わせて、安藤百福さんがカップ麺にするくらいに奇跡的な光景だった。

そんなレアケースを満喫した翌朝なので爽快に目覚めると、夏の臨休のリベンジの為に身支度を整えた。上野駅前のサウナを出発すると日比谷線で北千住に向かい、つくばエキスプレスにて守谷駅に着いた。さらには関東鉄道 常総線で長閑な車窓を眺めながら、上野を出発してから1時間と少しで最寄りの水海道駅に二ヶ月ぶりに戻ってきた。前回は花火大会で盛り上がっていた駅前だが、今回は茨城ゆめ国体のハンドボール開催で賑わっている。前回が印象深かったせいか不思議と道順を覚えていて、ナビなしでも歩き始めていた。

駅前からはラルフローレンのロゴを思わせる衣料品店「ロコレディ」の前を通り、今や見る事のなくなった半鐘櫓がランドマークとなっている駅通り商店街を進んで行くと、大きな橋の袂に出てきた。そこから見た前回の景色は、店のオープンを知らせる信号機は見事に赤だった。今回も同じく赤信号だったが、まだ11時半の開店時間前だったので店先まで行ってみた。前回よりも手前の空き地が広がったように思いながら、木の壁に囲まれた要塞のような入口に着いた。

前回同様に入口は閉ざされていたが、今回は壁の向こうから昭和演歌の音が聴こえてくる。という事は、準備中のサインだろうと勝手に決め込んで壁の前で待機してみる。しかしながら本日は残暑どころか、真夏が戻ってきたような暑さで、軒先のない店先で待つのは老いた身体を蝕むようだ。真夏ならば、美意識高い系おじさんの本領を発揮するはずの日傘を、本日は持参していなかった。なので仕方なく直射日光を全身に浴びながらオープンを待っていると、予想外に定刻よりも3分早く店主さんが出てきた。「やってるよ」と書かれた立て札を掛けられたのを見て、ようやく営業日なのだと確信した。

一番手で店内に入った瞬間に、あまりにも壮大なロケーションに目を奪われてしまった。そこには納涼花火会場そのままの桟敷席が設けてあり、開放感だけで言えばラーメン店 No. 1 ロケーションなのは間違いない絶景に驚いた。券売機の有無すらも分からないままにカウンターに座ると、店主さんからは何一つ案内がないので危機管理能力をフル稼働させた。

店名や店構えからも店主さんの思いが込もってのは承知していたので、なるだけ迷惑がないように慎重に相手の出方を見る。卓上にはメニューがなく、しばし緊張感のある時間が過ぎるが店主さんは注文を聞いてこない。そこに常連客と思しき方が現れて、さっそうとカウンター上部の壁を見て注文をされた。実はメニューが頭上にあったのだ。それに気づいても慌てたそぶりも見せず淡々と注文を告げた。すると店主さんの返答はなく耳に届いたのかすらも分からなかったが、これが店主さんのスタイルなのだと飲み込んで店内を眺めてみる。

店名の「時代遅れ」が意味するように、店内には懐かしい電電公社時代の黒電話や鉄製の扇風機が活躍している。それに習って調理場内の厨房機器も最新鋭の機材が置かれているわけではないが、全ての厨房機器に店主さんのこだわりが見えた。複数の麺上げをする際に便利なテボの茹で麺機ではなく、大鍋を茹で釜として使われている。その横には常に差し湯が出来るよう専用の角鍋には、お湯がプールされている。麺の保管にも店主さんのこだわりが見られ、専用の引出し式保冷庫内でしっかりと温度管理されている。店の裏手にはチャンバー式冷蔵庫まで設置されていたりと、まるで大人のラーメン基地のような機能的な設備となっている。

カウンターの他にも小上がりや納涼席まである広い店内を、ご主人お一人で切り盛りしているので、お冷はセルフとなっている。さらには割り箸までも一ヶ所に置かれているので、お冷と共に箸を一膳用意しておく。そんな食べ手の準備が整ったと同時に、着席して5分で我が杯が到着した。

その姿は胴が朱赤で口縁にはカラフルな雷紋柄の描かれた切立丼の中で、昭和らしい哀愁のある景色を見せている。この器は八王子の人気店「ほっこり中華そば もつけ」でも使われているが、ノスタルジーを思わせるラーメンとの相性はピッタリだ。作り手の丁寧な思いが詰まった盛り付けが、食べ手の食欲をかき立ててくれる。もはやスパコンとの対決など忘れてしまいレンゲを手にしていた。

まずはスープをひとくち。調理工程の仕上げで注がれた大量の鶏油が、液面を分厚く覆い隠して神々しく輝いている。そこには油膜の粒子すら見えないくらいに厚手な鶏油に、ともすれば油っぽさを感じてしまいそうな表層にレンゲを沈めてみる。一見すると食品サンプルの蝋細工のように見える無表情な姿が、レンゲが触れた事によって動きが生まれ、豊かな表情を見せ始めた。油膜の隙間からは、鶏油とは異なる鶏由来の香りが立ち昇ってきた。下層部の鶏出汁と思われるコクのある香りと、カエシのキレがある醤油香が相まって鼻先をくすぐった。スープが注がれたレンゲの中には、否応がなしに多めの油分も含まれている。多少のオイル感を覚悟しながらレンゲを唇に当ててみると、思いのほか重たさを感じない。むしろサラリとして感じるのは鶏油を注入前に専用の小鍋で熱していたからだろうか。それを証拠に薬味の青ネギに鶏油を掛けた時に、ジュッと音を立てて煙が上がっていたのだ。そんな細かな仕事ぶりが生み出した、コクは与えるが油っぽさは加えないスープをじっくりと味わった。先頭に立つのは甘みを打ち出した旨みで、昔ながらではあるが不要な旨味も含まれている。そんな旨味に負けないようにカエシも強めに利かせてあるので、見た目以上に派手な印象を受ける。刺激的な味わいを口に残したまま、レンゲを箸に持ち替えた。

タイマーなどはセットされていなかったが、ジャスト120秒と神業でも見ているかのように麺上げされたのは中細ストレート麺だった。見事な平ザルさばきで整えられた美しい麺線から持ち上げると、黄色みのある麺肌にも鶏油がコーティングされ眩しいくらいに光り輝いている。割り箸の角でも捕らえづらい程の油膜が光沢を放つ麺を何とか捕らえた。なだらかながらも切刃のエッジが鋭く残るシャープな形状の麺を一気にすすり上げると、滑らかさと強いハリを持ち合わせた相反する口当たりで滑り込んできた。〝静と動〟〝柔と剛〟が同居した麺を噛みしめれば、適度な反発力を生んだ歯切れの良さも加わってくる。キレの良い歯応えから、にじみ出てくるような小麦の香りと甘みが好印象だ。スープには懐かさしさを感じたが、麺は今風とも思える麺を目利きされていた。口先から喉元まで潤いを感じさせながら胃袋へと落ちて行く快楽は、自然と箸のスピードを加速させた。

具材のチャーシューには豚バラの煮豚が、厚切りで三枚も盛り付けてある。盛り付け直前の切りたての拘りや、正確な同心円に巻かれた丁寧な仕事ぶりが見てとれる。また高温に熱された鶏油をかけられてあるので、適度な香ばしさが生まれている。今回は苦手な脂身が大半を占める部位だったが、少ない赤身ながらも肉厚にカットされていたので歯応えは十分だ。しっかりと食べ応えのある赤身のパサつきを、サポートするように脂身が潤いを与えてくれる。今回ばかりは、苦手な脂身の献身的な補助役を認めざるを得ないバランスの良さだった。

細メンマには唐辛子の辛味を利かせた味わいが、特別なアクセントとなって主張してくる。今回は終盤にメンマを食べたので被害は少なかったが、前半だと味覚を支配するくらいの強い辛味を感じた。ビールのつまみとしては最適そうだが、ラーメンの中では刺激が強いすぎた。

今回もナルトは初めから除外しておいたので口にする事はなかった。

中盤からも順調に食べ進んできたが、スープは飲み干さずにレンゲを置いてしまった。後会計方式なので店主さんの調理のタイミングを見計らって支払いを済ませて席を立った。その頃にはテラス席を含め、多くの客で席が埋まっていた。お一人で切り盛りする店主さんのマイペースぶりは変わらずで、独特の空気感が支配している。ラーメンだけでなく、そんな特異なオーラを感じたくて通いたくなるのが分かる気がした。

今回のスパコンとの対戦は 70点台だったので引き分けで幕を閉じた。これで通算対戦成績は36戦16勝10敗9分8KO勝ち1KO負け1没収試合となり、わずかだが勝ち星がリードしている。まだまだ北関東エリアにオススメ店が挙がっているので、もうひと勝負を今回の遠征でしてみると決意を固めた一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 1件

コメント

「サ道」初めて動画みましたよ。今どきのサウナは食事もあったり設備最高ですね。
2ヶ月ぶりのこちらリベンジはたせましたね!あの広い店内を親父さん1人でやってるなんて信じられません。今月行けるかなと思いながらワクワクしています。

虚無 Becky! | 2019年10月8日 11:49

最近は〝ラ〟よりも〝サ〟に重きを置いて動いてしまってます。ワンオペ店主さんの配膳は大変でしょうが、これからの季節はオープンな桟敷席でのラーメンは格別でしょうね。超独特な雰囲気でしたが、不思議と嫌な感じはしませんでした。ベキさんも次回こそはフラれないように願ってます。あの計画もそろそろですねw

のらのら | 2019年10月9日 00:08