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「旨味醤油らぁ麺 ¥750 +味付玉子 ¥100」@Life is beautiful らぁ麺 & Cafe'barの写真平日 晴天 11:20 待ちなし 後客3名

〝ニューオープン 探検記〟

昨晩は埼玉県 鴻巣駅近くに移転オープンした「 INDIEラーメン」のオープン初日にお邪魔した後、電車とバスを乗り継いで草加健康センターにやって来た。思い返せば台風15号が上陸した夜もここにいて、翌朝の新店めぐりではバスを乗り継いで何とか行ったのを思い出した。こちらはサウナ付き大浴場施設というだけでは収まりきらない、お風呂エンターテイメントである。他の施設が〝ふろ〟ならば、こちらは〝ぷろ〟に値する。

草加健康センターに来たのが午後7時すぎ。サウナーなら誰もが知っている名物〝爆風ロウリュ〟は終了しているはずの時間だったが、何気なく入った1セット目で不穏な空気を感じ取った。それは普段よりもサウナ内の湿度が高い点で、これは何かしらあると勘付いた。そうなれば 20時ちょうどに2セット目のピークを迎えるように時間調整をして、最上段で耐え忍んでいると赤いTシャツ姿の二人のスタッフが入ってきた。その両手にはブロワーと呼ばれる送風機を持っている。青いポリバケツの中の氷をサウナストーブにぶちまけると、いよいよ灼熱地獄のスタートだ。

予想にもしてなかった〝爆風ロウリュ〟の時がやって来たのだ。

今まで穏やかなヒーリングミュージックが流れていた静寂のサウナ内に、いきなりブロワーの轟音が鳴り響いた。その光景は、逃げ込んだ山小屋に現れたチェーンソーを振り回すジェイソンのようである。ひな壇に座った男どもは、各々の限界をジェイソンに手を上げて知らせるまで、熱波を浴びせられ続けるのだ。

本来はガマン厳禁のサウナだが、ついつい頑張ってしまうのが男って生き物である。今回も右隣りに座っていた客人の、流れ弾ならぬ〝流れ熱波〟をくらってしまい、翌朝まで右乳首がヒリヒリするという代償を受けてしまった。いつも通りに食事処へ向かい、たらふくのビールを夜が更けるまで楽しんでからベッドに横たわった。

翌朝は 8:50発の無料送迎バスに揺られて草加駅に着くと、コーヒーを飲みながら本日の作戦を立てる。最新情報ではなかったが8月に隣町でオープンしていたコチラを発見した。お店情報では最寄駅からも遠く困難な道のりではありそうだったが、レビューも少なく興味が湧いて初訪問を決意した。

開店時間に合わせて東武スカイツリーラインで二駅で、最寄りの新田駅には着いた。西口を出ると、そこにはパラダイスが広がっていた。決して〝駐輪場マニア〟ではない私でも心踊るような、駐輪場天国が壮大な景色を見せる。一体どれだけの自転車が西口周辺に集まって来ているのだろう。それはまるで自転車たちの明治神宮初詣を思わせる圧巻の光景だ。聞くとこによると、これと同じ景色が東口にもあるらしい。感覚的には世界中の自転車の8割近くが集合している感じだ。そんな駐輪場の聖地を抜けて進んで行くが歩いて 20分近くもかかってしまい、草加駅から電車に乗っている時間よりも随分と長かった。

通り沿いの向こうに、店の看板よりも先に店頭に山積みされた黄色い麺箱が見えてきてラーメン店だと分かった。定刻10分前の現着となったので行列は無かったが、入口で待つと店内から丸見えなので自販機の陰で待機した。店頭に置かれた写真付きのメニューで品定めを済ませると、定刻ちょうどに営業中の立て札が掛けられてオープンとなった。

ガラス張りの店内に入ると券売機はなく、ひとまずはカウンターに腰を下ろす。卓上メニューの中から見当をつけておいた表題を、女性スタッフさんに告げて店内観察を始める。こちらでは、お冷ではなく市販されている2リットルの冷えたペットボトルが卓上に置かれた独自のスタイルだ。それも各メーカーに配慮して麦茶から烏龍茶まで、様々な銘柄のお茶が用意されていた。私が座った席の前は麦茶だったので、氷の入ったステンレス製の保冷グラスに注いで喉を潤した。L字カウンターの他にも小上がり席が設けられた、カフェを思わす内装となっている。店内の至る所には大ファンと思われる〝ケツメイシ〟のライブグッズなどが飾られている。もちろんBGMもケツメイシだ。そんな独特の雰囲気を放つ店内を、ご夫妻だろうか二人で切り盛りされている。ポップなBGMに反して落ち着いた調理作業と、明るく丁寧な接客の中で心地良く待っていると我が杯が到着した。

着席から5分で登場したラーメンは、木製の角盆に乗せられたオシャレな白磁切立丼の中に収められている。その姿には今っぽい要素も見られ、カフェ風の店内や器のシルエットともマッチしている。一見すると〝またおま〟にも見えなくない表情だが、見た目の穏やかさに安心しながらレンゲを手にした。

まずはスープをひとくち。目視では確認できなかったが、確かな香ばしさを感じるのは焦がしネギからだろう。表層には多くの具材陣が並んでいるので、落とし込む場所に狙いを定めてレンゲを沈めた。すると品の良い鰹節の香りが湯気と共に立ち昇ってきて、鼻腔を通じて脳に魚介出汁をインプットする。すでに脳内がシーワールドと化した所でスープを口に含んでみると、濁りの中に多少のザラつきを感じる口当たりで忍び込んできた。それに伴った魚介の旨味が圧倒的に口の中に広がり、焦がしネギが風味にアクセントを加える安心感のある味わいだ。動物系の旨みを感じないので魚介出汁だけなのかもしれないが、それにしては複雑で奥深い重なりがあるので不思議だ。合わせるカエシも、出汁の風味を壊すことなく寄り添う感じで見事に調和している。かなりの好印象のままに麺に取り掛かってみる。

箸袋にまで店名が入ったエコ箸に持ち替えて、麺上げまでジャスト60秒の麺をスープの中から引き上げてみる。箸先には 24センチ程に切り出しされた中細ストレート麺が現れた。見るからに全粒粉のフスマを散りばめられた麺は、箸を持つ指先に重さを感じさせない軽やかさだ。そんな加水率の低さを思いながら一気にすすり上げると、やや弱めのハリが唇を通過した。それと同時に飛び込んできた存在感のある小麦の香りは、全粒粉ならではの香味なのだろう。他でも見た目に全粒粉配合だと分かる麺もあるが、これほどまでに強く小麦の香りを感じられる麺は多くはない。いや、もしかしたら過去の中でもトップランクに値する小麦感だ。噛めば強い弾力性がある訳ではないが、きっちりと咀嚼に応じてくれる歯切れの良さが楽しめる。初見では失礼ながらも〝またおま〟などと思ってしまったが、良くありそうな組み合わせの中にオリジナルをアピールする要素がいくつも含まれている。そんなスープと麺を味わうと、おのずと具材陣にも期待が高まり味わう事にした。

具材のチャーシューには、部位の異なる二枚が盛り付けてある。上に盛り付けてある豚バラ肉の煮豚の方から食べてみると、提供直前に炙りの一仕事が施されている。口にする前から香ばしさが食欲をそそり、大判の厚切りなので歯応えも良い。赤身よりも脂身の多い部位だったが、とろけるような柔らか仕上げではないのが助かった。やはり豚バラでも肉々しい食感の方が好みである。一方の豚肩ロースは、より強い噛み応えで赤身の旨みを引き出している。

追加した味玉は写真からも分かるように半切りで盛り付けてあるが、黄身が流れ出す限界点ギリギリで耐え忍んでいる。熟成度は高くはないが、しっかりと漬けダレが黄身にも浸透して程よく水分が抜けている。よって卵本来の旨みが凝縮して半熟ゆで卵とは別物となり、味玉を名乗る資格を得ている。追加して良かったと思える味玉だった。

メンマには流行りの穂先メンマが採用されていて、発酵食品ならではの香りを残した下処理となっている。その発酵臭を活かすために薄味仕立てとなっており、過剰な演出をするでもなく軽やかな食感と共に名脇役を演じている。

薬味の白ネギは、アンチ白髪ねぎ派の私でも香りの良さに驚いた。高級和食料理店の繊細さはないが、敢えて香りを引き立たせる粗めの切り方が狙いだろうか。それでいて辛みは適度にさらしてあるので刺激は弱く、穏やかなスープや麺の邪魔をしない。

序盤から箸の勢いは止まる事なく完食完飲していたが、最後の最後に黒コショウのようなスパイスの辛味で幕を閉じた。全体的に平和なラーメンだったので、最後のひとくちの強い印象が残ってしまった一杯でした。

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