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「中華そば」@中華そば マルナカの写真 風邪で1日寝込み、フラフラと目覚めてみれば、なんとも清々しいお天気(7日)。そろそろ仕事のペースが上がり、土曜に休めるのもあとわずか、病み上がりの体を引きずって、どうしても行きたかった宿題店・飯田橋「マルナカ」へ。
 神楽坂から少し外れた、低層の高級マンションが居並ぶ、都心の閑静な住宅外にお店はあります。午後の陽だまりの中で揺れる白暖簾には、赤く「○(マル)」に「中」。店内はL字カウンターのみで、土曜13時半頃で4割ほどの客入りです。厨房はご主人一人で切り盛りし、他に接客の女性店員が1名。注文は「中華そば」(550円)。
 この店はお昼も禁煙ではなく、近所の出版社の方と思しきお客さんがスパスパやりながら打ち合わせ中。煙は入口方向に流れるようですので、紫煙が苦手の方は店奥の席をお勧めします。漂う煙とシャドーボクシングしているうちに、丼は約5分で到着。
 フワリと鶏が匂い立ち、透き通った醤油色のスープ表面で、油滴がキラキラと光る、なんとも華麗な丼姿。では、スープを一口……しっかりと血抜きした鶏ガラに、タマネギ、キャベツ、リンゴなどを合わせて5時間ほど煮込むというこのスープ、なんともふくよかな鶏の旨みに、非常にクリアで透き通るようなキレがあり、控え目な醤油カエシでこれらの味をクッキリと際立たせるような、味の構成。スープを飲みこんだ後に、フワッと鼻腔に充満する鶏の香りがタマリません。いやぁ……実に風味豊かな、極上の逸品。
 こういうタイプのスープなら、麺は細縮れと思いきや、かなり太めの中太弱縮れを使用。モチッとした噛みごたえで、派手な味わいではありませんが、素朴な甘みがこのスープに実に合う。そして、何と言っても特筆は、このツルリとしたノド越し。スープと麺が口の中で味を十分に膨らませ、スゥ~~ッと喉の奥に消えて、フワッと残す、鶏の「余韻」。繰り返すたび、脳幹を痺れさすような快感で、箸のピッチが上がります。
 具材は、チャーシュー、メンマ、海苔にネギ。細切りのメンマは、薄味ながらシャキシャキとした食感で、これがモチッとした麺によく合います。チャーシューはモモ肉使用で、同じく薄味ながらミッシリとした強い歯応え、これも麺の食感とよいコントラストを出しており、これら食感に見る緻密な構成は、「熟達」の域を越え、「芸術」の世界に入っていますな……海苔の風味も豊か。
 ―――まさに、ご主人の「中華そば」に対する「美学」そのものを体現した一杯。豊かな鶏の風味、透き通るようなキレ、素朴な甘みのモチッとした麺が、ツルリと喉奥に消え、フワリと漂う鶏の「余韻」。この繰り返しが生み出す味と食感の「リズム」が、「メトロノーム」のように客の脳裏に刻み込まれ、空になった丼を見ては、溜息とともに再訪を誓う。まるで、閑静な住宅街に佇む「古時計」のように、永遠の時を刻み続けるこのお店。大いに感銘を受けた一杯でした。

投稿 | コメント (2) | このお店へのレビュー: 2件

コメント

どうもです~。

コチラは、個人的に「隠れた名店」と思っております(笑)。
だた、コチラ方面は日曜日にチョイチョイ行くことがあるだけなので、随分とご無沙汰しております。
しかも以前はあまり何も考えず食べていたので・・・詳細はあまり憶えてないんですよ(汗)。
このレビューを読んでいると、失われた記憶が戻ってくるような感じがします!
完全に取り戻す為にもそろそろ伺わなければなりませんね。

王 二郎 | 2009年3月16日 15:01

こんにちは。

こちらは以前から噂は耳にしていたのですが、レビューを拝見して名店であると確信が持てました。
……ここだけの話、milesさんのレビューの大ファンなんです(笑)

ちょっと忙しく投票とコメントに時差が生じてしまいましたが、大変参考になりました、ありがとうございます。

E.T.O | 2009年3月21日 12:45