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「よくある豚骨魚介」とか、「どこにでもある豚骨魚介」とか、そんな言葉をよく聞きますが、個人的には、残念ながらそんな一杯に出会ったことがありません。それなりに食べ歩いてきたつもりですが……どの豚骨魚介にも、お店独自の工夫があって、その一杯なりに楽しい。まだまだ勉強不足ですな……という訳で、「渡なべ」と並んで、「豚骨魚介」の「代名詞」と言えばここ、池袋「瞠 池袋店」へ(22日)。 ダークブラウンの板材と柱を背景に、チェリーウッド調のカウンターが鮮やかにダウンライトに照らされ、小物ひとつにも洒落がきいた、非常に「モダン」な内装です。さらに感心したのがスピーカーのセッティング。天釣り型のよくある小型スピーカーですが、カウンター席でキッチリ音像が合うように設定されており、控え目な音量ながら非常にクリアで繊細な音質……こういう店は、食べる前から結果が見えていますな。注文したのは「味玉らーめん」(850円)。 引きこまれるような、深い色合いのブラウン・スープ。では、一口……いやぁ、美味い。そしてまた、どの店とも違う「豚骨魚介」。ベースはかなり濃厚な豚骨主体の動物系、これに節系と煮干し主体の魚介系が深く融合していますが……特に、節系のブレンドが絶妙。濃厚な豚骨と馴染ませるためサバ節を使いたくなるところですが、濃く使うと酸味が立つのを嫌ってか、宗田節とカツオ節が主力。宗田鰹は動物系とも醤油とも馴染みがよくて酸味も少なく、一方あまり使うとカツオ節以上にドライになってしまうところを、上手くカツオ節で「補完」しています。なにがなし、「渡なべ」のアクの強さとインパクトを、節系のバランスを変えてニュートラルにふったような、そんな印象。このあたり、両店をプロデュースした渡辺氏の「実験」ですかな。 麺は中太ストレート。サックリとした歯切れに適度なコシ、節系を受け止めるソフトな甘みも上々で、「渡なべ」の麺にも似ていると感じましたが……正直言うと、スープとの絡みがもうひとつ。「渡なべ」よりは粘度の低いスープゆえ、もう少し細かめの切刃でもよかったかも。 一方、具材は秀逸。特にメンマはガツンと醤油濃い目の味付けで、濃いスープにさらに深い「陰影」を与えます。味玉も、白身へのタレの滲み込み方が非常に深く、黄身も醤油強めに味付けて、グッと「ダーク」な仕上がり。肩ロース・チャーシューも、同様のトーンで仕上げて、何がなし……セピア色の写真に、さらに「マット・ブラック」で漆黒の「陰影」を塗り重ね、そのコントラストで風景に生命を吹き込むような……そんな「タッチ」。 ―――食べ進むほど、いや一口目から、強烈なインスピレーションを与えてくれる一杯。おそらくその「形」は、受け取る一人一人違うのでしょうが……しかし結局、今回も「よくある豚骨魚介」とは出会えませんでしたな。まだまだ勉強が必要なようです。
ダークブラウンの板材と柱を背景に、チェリーウッド調のカウンターが鮮やかにダウンライトに照らされ、小物ひとつにも洒落がきいた、非常に「モダン」な内装です。さらに感心したのがスピーカーのセッティング。天釣り型のよくある小型スピーカーですが、カウンター席でキッチリ音像が合うように設定されており、控え目な音量ながら非常にクリアで繊細な音質……こういう店は、食べる前から結果が見えていますな。注文したのは「味玉らーめん」(850円)。
引きこまれるような、深い色合いのブラウン・スープ。では、一口……いやぁ、美味い。そしてまた、どの店とも違う「豚骨魚介」。ベースはかなり濃厚な豚骨主体の動物系、これに節系と煮干し主体の魚介系が深く融合していますが……特に、節系のブレンドが絶妙。濃厚な豚骨と馴染ませるためサバ節を使いたくなるところですが、濃く使うと酸味が立つのを嫌ってか、宗田節とカツオ節が主力。宗田鰹は動物系とも醤油とも馴染みがよくて酸味も少なく、一方あまり使うとカツオ節以上にドライになってしまうところを、上手くカツオ節で「補完」しています。なにがなし、「渡なべ」のアクの強さとインパクトを、節系のバランスを変えてニュートラルにふったような、そんな印象。このあたり、両店をプロデュースした渡辺氏の「実験」ですかな。
麺は中太ストレート。サックリとした歯切れに適度なコシ、節系を受け止めるソフトな甘みも上々で、「渡なべ」の麺にも似ていると感じましたが……正直言うと、スープとの絡みがもうひとつ。「渡なべ」よりは粘度の低いスープゆえ、もう少し細かめの切刃でもよかったかも。
一方、具材は秀逸。特にメンマはガツンと醤油濃い目の味付けで、濃いスープにさらに深い「陰影」を与えます。味玉も、白身へのタレの滲み込み方が非常に深く、黄身も醤油強めに味付けて、グッと「ダーク」な仕上がり。肩ロース・チャーシューも、同様のトーンで仕上げて、何がなし……セピア色の写真に、さらに「マット・ブラック」で漆黒の「陰影」を塗り重ね、そのコントラストで風景に生命を吹き込むような……そんな「タッチ」。
―――食べ進むほど、いや一口目から、強烈なインスピレーションを与えてくれる一杯。おそらくその「形」は、受け取る一人一人違うのでしょうが……しかし結局、今回も「よくある豚骨魚介」とは出会えませんでしたな。まだまだ勉強が必要なようです。