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「ブルガリア」@小麦と肉 桃の木の写真 人間、不快なほどの蒸し暑さには思わず「しかめ面」になるものですが……「地獄」のような蒸し暑さには、半開きの口から魂が抜けたような「無表情」になるもの。熱帯夜が明け月曜昼(28日)、新宿御苑を行き交う人は、みな「無表情」。こんな日は、キュッと酸味の効いたヤツを一杯……という訳で、「桃の木」へ。
 狙い目は、1日限定15食の「ブルガリア」(1,000円)、なんでも「麺にも、スープにも、肉にもヨーグルトをたっぷり使った新しいタイプ」だそうで、デビュー時から注目しておりました。
 さて、差し出された丼をのぞいて、ちょっとビックリ。てっきりヨーグルトをフィーチャーしたホワイト・ソースのようなスープを想像していましたが……油分タプタプの豚テール・スープに、ヨーグルトを注ぎ込んで「ステア」程度に混ぜ合わせており、分厚い油層の中にヨーグルトの小さな塊が浮いております。
 さて、そのお味ですが……非常に分かりやすく味で誘導されますが、この一品はつけ汁だけでは未完成。コッテリした豚テールのコクと、ヨーグルトの旨み・酸味、さらに塩分・ニンニクなどが騒々しくブツかり合っていますが、この「喧噪」を鎮めるのが麺であることは「自明」。
 麺は少し太めの中太縮れ。さっそく一口いただきますと……おぉ、ヨーグルトを使っているというこの麺、能書きから連想するような酸味はほとんどありませんが、微妙なヨーグルトの風味が小麦の甘みをクッキリと引き立て、味わいもなんとなく「滑らか」で……さらに、ヨーグルトにより熟成が進むとのことで、粘るようなコシが印象的。
 コイツをつけ汁につけ、ズバァ~~ッとイキますと……いやぁ、「味の縁結び」が完成しましたな。ニンニクで脂っこさが強調された豚テール・スープと、サッパリ・スッキリしたヨーグルト、敢えて遠距離に対置したこの両者に、「天の川」のように麺が割って入って「接点」を作り、滑らかな味の側面で動物系の油分と、そしてスッキリした甘みでヨーグルトとを、シッカリと「縁結び」してしまいます。いやぁ、実に「上手い」し「美味い」。
 さらに具材の煮豚が、これまた傑作。ヨーグルトで煮込んであるそうですが……豚の脂っこさやモタレなどが完全に消え失せ、コクや旨みなどイイトコだけがグッと強調された、これぞ「絶品」。この一品だけで、料理として完全に成立しています。
 ―――店主が女性だからかもしれませんが、独特な「ロマンティシズム」を感じる一杯。敢えて「対極」に置かれた動物系とヨーグルトを結ぶこの麺こそ、織姫と彦星の間に流れる「天の川」、あるいは王子様とシンデレラを再会させる「ガラスの靴」。なんとも心憎い演出ですが……しかし、結局両者が完全に「シナジー」したかと言えば、もう一つ。ま、織姫と彦星にしろ、王子様とシンデレラにしろ、「出会えた」ことこそ大切で、その後の話は野暮というもの。このクソ蒸し暑い真昼のラーメン屋で、「七夕」が見れただけでも「涼(了)」とせねば。

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