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「中華ソバ + 味玉子」@銀座 いし井の写真 クリスマス・イブ(24日)、銀座三越で土産を買って、地下鉄駅に向かいますが……どうせ帰っても待つのは「女子供」的食べ物ばかり、新店「いし井」で一杯ひっかけることに。
 ご主人は「つじ田」出身、若くして脱サラし弟子入りしたとのことで、気合いの入ったお方のようです。開店(20日)から2日間は大胆にも「つけ麺無料」サービスを敢行、当然凄まじい行列が予想されましたので、行列嫌いの私としては、少しほとぼりが冷めるのを待っておりました。19時半、入口からのぞくと3割ほどの客入り、食券機は店外で入口右手、メニューは「中華せいろ」系と「中華ソバ」系ですが、「せいろ」には「つじ田」同様にスダチがつくと聞いており、アレはちょっと苦手ゆえ、「中華ソバ」(750円)と「味玉子」(120円)をポチッとな。丼は、約6分で到着。
 おお、見るからに「ポッテリ」系の濃厚スープ。では、一口……比内地鶏はじめ二十数種類の食材から十時間かけて取るというこのスープ、動物系は非常に乳化度が高く、「つじ田」よりもさらに濃厚。この動物系にサバ節主体の魚介系がガッチリ噛み合い、両者の一体感は極めて強い。油分多めのため多少モタつき感はありますが、サラリとした口あたりと口溶け感があって、過度なしつこさは感じさせません。ただし……旨みの充満したスープながら、それ以上に口の中で広がって余韻を残すような、そんな驚きはない。どの食材のせいかわかりませんが、動物系・魚介系本来の味わいを薄く覆う、ベジポタ的な「淡白」な味。これは「つじ田」にはない感触ですな。
 麺は三河屋製麺製の中太ストレートで、「つじ田」の麺によく似たもの。大らかな甘みとプツンとした歯切れの良さ、麺肌の微妙なザラ付きとスープ粘度の高さが相まって、スープの持ち上げも実に良好。具材は、チャーシュー、メンマ、海苔・ネギに、追加の味玉。チャーシューは厚めの肩ロースで濃いめの味付け、逆に味玉は薄味で仕上げて、これら味のコントラストが、濃厚なスープがもたらす味の単調さに、いいメリハリを加えています。
 ―――「つじ田」の味を継承しつつ、濃厚さをさらにボリュームアップしたような一品。「つじ田」で食して感銘を受け、「この味で多くの人を喜ばせたい」と心に誓い、努力の末に独立したご主人。その「真面目」な生きざまが、そのまま表現された味わいです。しかし……「つじ田」の特徴である動物系・魚介系の「一体感」、それゆえ不可避の「単調さ」という弱点を、濃厚さを増したことでさらに拡大させてしまったような、そんな印象。カツオを強めて魚介にメリハリを加えるなど、「つじ田」系にもまだ改善の余地はあると思うのですが……「守破離」という言葉があります。師の教えを守りつつ、他流の知恵や自分の工夫を加えて「殻」を打ち破り、ついには師の教えを踏まえながらもとらわれず、独自の道を歩み出す。ご主人はまだ、「破」の道半ばといったところでしょうか……どう「殻」を破っていくのか、今後が楽しみです。

投稿 | コメント (1) | このお店へのレビュー: 3件

コメント

こんばんは。
新店のレビュー御苦労さまです。
この店もなかなか良さそうですね、
ブックマークです。
何しろ、週末しか東京に帰ってこないので、
ブックマークは増える一方ですが。
来年も、レビュー参考にさせていただきますので、
宜しくお願いします。

kamepi- | 2010年12月30日 00:01