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14時前入店。先客8名。

入るなり、とびっきりの笑顔と元気の良い挨拶で出迎えてくれる。

喫茶店を居抜きで使っているような店内。5人のスタッフが元気に動き回る。4人が厨房内、ひとり女の子が接客。みんなクルクルとよく動く。そして声出し&笑顔。

オーダーの後、ぼんやりしてたら女の子(ちょっと可愛い)に「よろしかったらどうぞ」と新聞を勧められる。へえ、こういう気の利かせ方って、最近ないよなあ。

厨房を仕切る、40代半ばとおぼしき口髭のマスターは、ハッピにオールバックという、80年代の居酒屋ファッション。店内の内装も、うっかりすると「ペンギンズバー」にでも傾きそうな雰囲気。
たまたま店内にシャネルズがかかっていたからそう思ったのかな?

新聞を持ってきたのは、出てくるのに時間がかかるせいかと思い始めた頃、味噌ラーメン登場。

モヤシがタップリのった味噌ラーメン。モヤシのほかにトッピングは・・・ない。
こういうのも珍しい。厳密に言うと、モヤシの中に若干タマネギとキャベツが入ってました。
しかし、チャーシューもメンマもネギも、当然海苔も玉子もナルトも、なんと挽肉すらも入ってない。実際に目の当たりにすると、「はあ、こういうものなんだ」と思っちゃうね。

汁は動物系のスープにあっさりとした味噌。札幌で食べた平均的な味噌ラーメンの味。これはごく普通。
麺は少し多め。モヤシよりもはるかに細いストレートの麺は、茹で加減はいいものの、全部箸で持ち上げられるくらい、もちゃっと固まっている。麺の表面は少し「ぬるっ」としている。

モヤシと麺で、確かにボリュームは十分。しかし貼り紙にあるような、「量はターップリなので・・・」と断りを入れるほどではない。

食べ終わる頃に女の子が「夏の間のサービスです」と一口サイズのシャーベットを持ってきてくれた。反射的にもらってしまったが、せっかくのラーメンの余韻が、舌に色がついてしまいそうなシャーベットの味で吹き飛んでしまった。これもサービスなのか・・・。


そして、この店の売りらしき、接客。
とにかく発声が大きい。特に店主。コチラとしては突然に「アリアトヤッシター!!」「マタ!ヨロシクオネガイシマッス!!!」と頭の上から飛び出すように叫ばれると、ドキッとするよ。
店内にAEDの設置が必要かもしれません。
また、「笑顔」。今回カウンターに座っていて、料理ができるたびに僕の脇から「はい味噌ラーメンででます!」などと女性のスタッフが出すのだが、ここでも「笑顔」。
店主もものすごい「笑顔」。

昔、新宿の駅前や渋谷のハチ公前でギターを弾きながら、手をつないだり手拍子を打ったりして歌って踊っていた集団がいたが、その人たちを彷彿とさせるような「笑顔」。
その「笑顔」、僕には笑顔とは思えなかった。
なぜなら、お客さんに向けた「笑顔」を戻した時に、スッと真顔に戻るからだ。
あたりまえの動きかもしれないが、その瞬間を見ているほうは、ゾっとする。昔新宿や渋谷で見た“彼ら”に良く似ていたのだ。

結局、大きな声にドキッとしたリ、視界の隅にチョイチョイ入る「笑顔」にびくっとしたり、落ち着いて食べられん。

新聞をさりげなく出すあたりは、かなりポイント高いなあと感心していたが、笑顔・発声・シャーベットに加えて、大して美味しくなかった肝心要の味噌ラーメンの、料理自体に欠けているサービス精神に、この店の限界を見たような気がする。

店のあちこちに小さく貼り出してある「30代40代でやり直し、店を持ちませんか」という正社員募集の貼り紙にも、色々と意味が含まれているのかなあと、いぶかしみながら店を後にした。
(いや、これは僕の妄想ですよ)

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