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2016年4月27日の大崎裕史の今日の一杯

東京都大田区蒲田

鶏白湯醤油らーめん

吉田拓郎ファンとしてはこの店名を聞くと彼の「旅の宿」という唄を思い出してしまう。
「上弦の月」は満月に向かう時の半月のことをいい、弓に例えた時の「弦」が上を向くことを言う。
店名の意味としては「ラーメンの上限を目指す」という思いが込められているらしい。

元々2001年11月にオープン。個性的な女性店主と抜群の接客、そしてボリュームと個性的な味わい、そして原価と手間のかけ方の割にはそんなに高くない(むしろ安い)金額で提供していたことが評価され、行列人気店に。当初鶏白湯だったが、2006年3月から豚骨魚介に変更。しかし2015年10月に閉店。今年4月8日に移転オープン、という流れ。

当初の店が何らかの事情で移転して再開すると思っていたのだが、ある日のホームページ公開で移転オープンの経緯が説明された。それによると・・・。
・元のスタッフのまま移転オープンするかのような誤解を受ける表現だったことをお詫び。
・旧店主、旧スタッフは今回の店に関与せず。
・旧店主とは面識が無く、一切無関係。(これの意味がわからない。なぜそれで店名を継承できたのだろう?)
・旧スタッフとは共通の知人により、知り合う。
・ラーメン修業経験はオープン前の1ヶ月間、「上弦の月」より教えてもらった。(旧スタッフから教えてもらった、という意味か?)
・自作の経験は無い。食べ歩き修業は20軒程度。

正直というか、誠実というか、これで「上弦の月」ファンが食べに行くのであろうか?というような内容が羅列されている。不思議だ。それでも私は食べに行ったわけだが・・・。

基本メニューの鶏白湯醤油らーめん750円を注文。まず目立つのはたっぷりの鰹節と肉厚のチャーシュー。それと紫玉ねぎ。鶏白湯だから10年ぶりにその味が復活!ということになる。10年前の鶏白湯だから驚いたのか、もっと個性的だったのかが思い出せないのだが、今回の味は驚きではなかった。鶏白湯がかなり増えてることもあるのと、うまくまとまりすぎる感じだったからかな。麺は以前の閉店前には浅草開化楼に変わっていたがそれを踏襲。この太麺がなかなかおいしい。チャーシューも分厚くておいしいが、これもまた少し変えた印象。いろいろ変わっているがビジネスとして成立させるために「おいしくまとめた」感じ。
値段が標準的になり、量も普通に。味のインパクトもややおとなしめに。電車に乗って食べに来た「上弦の月」常連をつなぎ止めることができるか?あるいは、ラーメンプチ激戦区の蒲田で新規の客を捕まえることができるのか?今後の展開に注目である。

お店データ

鶏白湯醤油らーめん 上弦の月

鶏白湯醤油らーめん 上弦の月

東京都大田区西蒲田8-2-1 西蒲田スカイハイツ1F(蒲田)

このお店の他の一杯

    大崎裕史
    大崎裕史

    (株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。