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2025年2月5日の大崎裕史の今日の一杯

東京都新宿区面影橋

鶏そば(1220円)

店主の山口さんがSNSにこんなことを書いていた。
『自分のスープ論が刷新されたのを踏まえ、新しい考えに基づいて大きくスープの取り方を変えました。タンパク質と温度による食材変質を考え抽出方法をより突き詰めた形になります。これまでの鶏の厚みを重視したスープからクリアさと奥深さを表現しつつ、力強いラーメンらしさを兼ね備えたスープへ。やまぐちのスープリニューアルとしてはこれまでで一番大きな変更を施しました。』

なんだかラーメンを作れない私としては難解すぎて言葉では理解できない解説(笑)。さて、問題は私自身がその変化に気が付くかどうか?ちなみにここ10年で「やまぐち」は12回食べており(辣式除く)、その中で鶏そばは7回(かけそば含む)。意外と食べている(笑)。直近は22年10月。2年3ヶ月前に食べた物との比較が果たして私にできるのだろうか?

券売機は昨年から完全キャッシュレスになっており、鶏そばは1220円。こういう半端な金額でもキャッシュレスは楽。お店も食べる方も。消費税を考えるなら1210円になりそうなもんだが、1250円でもなく1220円というのがまた山口さんらしい。
今日(2/4)と明日(2/5)のランチは山口店主が自ら作る、と言っていたのでもちろん11時過ぎに行ってみた。声出しや接客のいいスタッフが揃い、しかもクオリティが落ちてないのだからM&Aが功を奏している印象。
さて、山口店主自らがサーブして登場したシン鶏そば。(←店ではこうは言ってない)見るからにオーラが溢れており、目でも味わえる。食べる前からおいしい、とわかるビジュアル。素敵。

まずスープを一口、おぉ〜おいしい〜。もう一口飲みたくなる。そして麺。今回は麺を変えてないと思うが、この麺がまたおいしい。茹ですぎでは無いしなやかな柔らかさと程よいコシ、そして喉越し。思わず帰社してTRY本を調べてしまったほど。載ってないやんか!えぇ〜っ!?

ラーメン店のリニュアルには二パターンあり、かつて「一風堂」や「せたが屋」はガラリと変えた。そして「春木屋」は有名な『春木屋理論』があるように、、少しずつわからない程度に進化させていく。今回はその中間くらいで“ガラリ”というよりは“進化”よりか。
常連さん風の人が「随分変えましたね〜」と言って帰っていったが2年3カ月ぶりの私には、基本的な骨格は変わらずに大いに進化した、という印象。前からおいしかったが、もっとおいしくなった。スープがおいしいので麺を食べ、スープを飲み、の繰り返しで麵が無くなる頃にスープもほぼ無くなるという最高のパターン。麺が先に無くなると多めのスープが残り、完飲が難しくなることがある。今回のパターンは完飲する食べ方。こうさせる味わいなので完食完飲する人が多いはず。

答え合わせ的にメッセで変えたところを聞いてみた。詳細は割愛するがこんな感じ。『鶏の銘柄3種類のうち、1種類を変更。丸鶏とガラの割合変更。温度管理を大きく変更。醤油ダレは基本を変えずに新しいのをブレンド。』通訳すると『おいしいのがさらにおいしくなった』、まぁそういうことです(笑)。

ところで塩もおいしいだろうと思ったら「塩ラーメンは魚介が入ったので結構変わった感じです!」とのこと。また来なきゃダメじゃん!

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。