なんとかデータベースラーメンカレーチャーハンぎょうざうどんそば
 
2022年10月5日の大崎裕史の今日の一杯

東京都新宿区面影橋

鶏そば(1050円)

個人店舗と企業経営のラーメンの違いに「店主の顔が見えるラーメン」かどうか?をあげることがある。それぞれがいろんなニュンアスで使っていると思うが私は「店主の気持ちがこもっているか?」「やりたいことができているか?」「ちゃんとしているかどうか?」などの意味合いで使うことがある。

そしてこの「らぁ麺」(鶏そば)には“店主の顔が見えた”。店主の山口さんの顔がはっきり見えた。厨房にはいなかったにも関わらず、だ(笑)。厨房には女性3人のみ。山口さんが居た当時の雰囲気とは明らかに違っている。もちろんいい意味で。それなのに山口さんの存在が伝わってくるのだからスゴい。これぞ、「らぁ麺やまぐち」と「焼きあご塩らー麺たかはし」の合体効果ではないだろうか?「焼きあご塩らー麺たかはし」の山口総料理長監修の限定メニューを食べた時にも山口さんの「顔が見えた」。だからこそ、「らぁ麺やまぐち」の鶏そばリニュアルの話を聞いたときに期待は高まった。「これはすごいものができるに違いない」と。

今回のリニュアルのテーマは『より一杯の完成度を高め、より美味しいものを届けたい』。
「麺、スープ、タレ、具材、すべてに手を加えました。」
カウンターにもう少し丁寧で長めの文章が書かれてあるので行った際に読んでみて欲しい。山口さんの自信がうかがえる。そして、出てきたものは見事においしかった。麺もスープも具材も、すべてがおいしかった。

そして山口さんのSNSではちょっと違ったニュアンスでも書かれている。
「今回のリニューアルは単純に良い材料に変えたという当たり前なレシピ変更ではありません。
『レシピに書いていない部分を徹底的に見直す』これが今回の本質です。」
ラーメン作りに、いやモノづくりに大事なことなのではないだろうか?

このリニュアルは果たして合体前の「やまぐち」でできたであろうか?
合体後の今だからできたのではないだろうか?
そして店主がいない店で出てきたラーメンが実においしく、まるで店主が作ったかのような“出来映え”で出てくる組織力にも感嘆した。素晴らしい。お見事!
過去に「やまぐち」のラーメンを食べたことがある人にこそ、食べていただきたい今回の鶏そば。

そして最後に長くなるが山口さんの“想い”を引用させていただく。
==
食材の鮮度維持をこれまで以上に追求し
年間を通しフレッシュなスープを提供出来るよう根本から見直しました!
会津地鶏の丸鶏をこれまでの2倍に増量する事も踏まえ
低温抽出した豚肉の出汁を少量加える事で、鶏を全面に表現しつつもラーメンらしさをより目指しております
醤油ダレは提供された瞬間の醤油の香りを大事に考え
森田醤油様の2種類の生揚げ醤油に、木桶三年熟成の丸又商店様のたまり醤油をそれぞれ丼で合わせます
麺はその時々のスープに合わせ、創業よりお世話になっている京都の麺屋棣鄂様に我儘を言って今回も作って頂いております
チャーシューはやまぐち創業からの一つのテーマで、肉の火入れを考え部位毎に調理法を変えて仕上げてあります
今回、麺とスープも増量!
食べ応えもラーメンの満足感と考え更にお客様に寄り添えるようリニューアル致しました!
新しいやまぐちの鶏そばを是非お試しください!

大崎裕史
大崎裕史

(株)ラーメンデータバンク取締役会長。日本ラーメン協会発起人の一人。東京ラーメンフェスタ実行委員長。1959年、ラーメンの地、会津生まれ。広告代理店勤務時代の1995年にラーメン情報サイト「東京のラーメン屋さん」を開設。2005年に株式会社ラーメンデータバンクを設立。2011年に取締役会長に就任。「自称日本一ラーメンを食べた男」(2024年6月末現在約14,000軒、約29,000杯実食)として雑誌やテレビに多数出演。著書に「無敵のラーメン論」(講談社新書)「日本ラーメン秘史」(日本経済新聞出版社)がある。